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『世界の見方が変わる50の概念』 齋藤 孝著 草思社 [哲学]


世界の見方が変わる50の概念

世界の見方が変わる50の概念

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: 単行本



「概念」を使いこなすクセをつけ、実際に「概念」を使いこなして生きる力に変える」よう助ける本。50の「概念」がセレクトされている。それらは、著者が大学に入ってからずっと使いこなしてきて人生の役に立った「概念」。それぞれの解説において、著者は、「概念」の学問的背景押さえつつ、実際、どのように使ってきたかという視点を加味している。質問と答えの形式で、一つの概念が4ページで示されていく。読み物としてもオモシロイ。(以下は、「序 〈概念〉を味方につければ、世界の見方が変わる」からの抜粋しまとめたもの)。

「概念」の辞書的な定義は「事物の本質をとらえる思考の様式」、「具体的なものごとはさまざまバラバラに見え」るが、「そこに共通する〈本質〉をつかまえて言葉にしたものが〈概念〉」。ゆえに「抽象的なもの」。

「概念でいろいろなものを見ると、ものごとが新しい視点で見え」、「具体的な見方では見えてこない本質まで見通すよさが抽象語には」あり、「すぐれた概念は、世界の見方、ものの見方を変えてくれ」る。たとえば、ニュートンの万有引力という概念によって、人類の宇宙観は変わった。

「すぐれた概念は、先人の知恵と思考の結晶。世界の見方を変え、思考を豊かにしてくれる。不安定になりがちな心をしっかりさせてくれるものでもある。概念を知って味方につけると、世界がクッキリ見えてくる。新しいものの見方で自分や社会を見ると、これまで思っていたこととちがうことが見えてきて、今までもやもやしていたのがスッキリする。概念には、人生をラクにしてくれる効用がある。概念を味方につけると、この世界に対する処方箋が見えてくる。

概念はものごとを見る視点、世界を見る視点。視点を持っていると、いろいろな現象がつながって見えてくる。異なる現象がつながってきて、共通するものとして見渡せるようになる。一つひとつの見た目のちがいにとらわれないで、見渡して共通のものが見えてくる。

概念を味方につければ、思考力が高まり、思考の生産性が上がり、世界の味方が変わる。概念を使いこなせるようになると、見える風景がちがってくる。「知性とは概念を使いこなす力」。

本書の目的は、概念を知識として身につけているだけでなく、自分のエピソード付きの経験として語れるようになること。「(ある概念を)自分の経験でちょっと言ってみてください」と言われたときに、自分に引きつけて考えられるならば、それは概念が使いこなせていることになる。

厳しく複雑なこの世界を生き抜くために、〈概念力〉を身につけたい。

取り扱われている「概念」は、以下のもの。 パノプティコン、野生の思考、オリエンタリズム、ノマド、トゥリー/リゾーム、記号の消費、差異の体系、パラダイム、反証可能性、実存主義、不条理、間主観性、エス/自我/超自我、快感原則/現実原則、中庸、イデア、理念型、超人、身体知、自然体、呼吸、型、技化/質量転化、顧客、マネジメント、交渉、他力本願、アイデンティティ、天地有情、離見の見、スタイル、加速度、フロー体験、弁証法、胆力、素読、マインドフルネス、通過儀礼、過剰性、美意識、単独者、浄化、祝祭、侵犯、上機嫌、模倣の欲望、ビルドゥング、智・仁・勇、悟り、粋


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2017-10-09


コモリくん、ニホン語に出会う (角川文庫)

コモリくん、ニホン語に出会う (角川文庫)

  • 作者: 小森 陽一
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 文庫


「皆さんは国語の授業が好きでしたか?」帰国子女という言葉すらなかった時代。コモリくんは書き言葉で話す、周りとちょっと違う小学生。そのために皆と“仲間”になり切れず、国語(特に作文!)が大嫌いになったコモリくん。そんな彼は日本語と格闘し、海外で日本文学を教える側になり、ついには日本を代表する漱石研究者にまでなってしまう。米原万里氏ら多くの作家も笑賛した、自伝的エッセイの名著。

われらマスコミ渡世人 (祥伝社新書)

われらマスコミ渡世人 (祥伝社新書)

  • 作者: 五木寛之 田原総一朗
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2017/06/01
  • メディア: 新書


50年以上の長きにわたり、二人は文芸、ジャーナリズム の第一線で、書き続け、報道し続け、走り続けてきた。 少年期の戦争体験、路頭に迷った敗戦直後、貧しさから立 ち上がった戦後の日々・・。全身に張り付いた挫折と焦燥に 五木寛之と田原総一朗の二人は、50年以上の長きにわたり、文芸とジャーナリズムの世界の第一線で活躍を続けてきました。二人の活動を支えたものは何だったのでしょうか。二人は何に背中を押されて、社会の荒波を生き抜いてきたのでしょうか。 駆り立ててきたエネルギーはどこから来、何を信じ、何を支えに生きてきたのでしょうか? 宗教、政治にとどまらず、事件、文化を縦横に語り合い、身をもって体験したマスコミ渡世の辛酸と高揚を振り返ます。 今だから語れる、もう一つの戦後、たった一人の戦い!

法助動詞の底力―ネイティヴの微妙な気分を伝えるキープレイヤー (「底力」シリーズ)

法助動詞の底力―ネイティヴの微妙な気分を伝えるキープレイヤー (「底力」シリーズ)

  • 作者: 安武内 ひろし
  • 出版社/メーカー: プレイス
  • 発売日: 2017/08/01
  • メディア: 単行本


英語(特に現代アメリカ英語)の助動詞の中で、いちばんよく使われる5つについて、その使い方を詳説したもの。「can と could」「may と might」「should と shall」「will と would」「must と have to と have got to」を取り上げる。各章末には理解度を測る「章末のまとめ 確認問題」を用意。

徳川家康:境界の領主から天下人へ (中世から近世へ)

徳川家康:境界の領主から天下人へ (中世から近世へ)

  • 作者: 柴 裕之
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2017/07/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


こんな家康が見たかった―。追われて、迫られ、翻弄されて、揺らぐ家康像。天下人への道をリアルに描いた決定版。

図書館と江戸時代の人びと

図書館と江戸時代の人びと

  • 作者: 新藤 透
  • 出版社/メーカー: 柏書房
  • 発売日: 2017/07/01
  • メディア: 単行本


収集、出納、館外貸出、レファレンス、司書制度…明治時代に“ライブラリー”ができる以前の歴史を掘り起こす。

『百科全書』 (文庫クセジュ)

『百科全書』 (文庫クセジュ)

  • 作者: マドレーヌ・ピノー
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2017/08/30
  • メディア: 新書


本文・図版あわせ全28巻におよんだ『百科全書』。七万を超える項目の多くが先行する文献からの引用、改編、要約であり、その事業はまさしく知識再創造の一大実験場といえよう。本書は、ディドロをはじめとする主要人物のみならず、図版に関する情報を充実させ、後世に名を残さなかった市井の職人たちにも目を向ける。運動に身を投じた人々、編纂史、数々の告発事件、後続版本の内容をまとめた入門書。

武器化する嘘 ──情報に仕掛けられた罠 (フェニックスシリーズ)

武器化する嘘 ──情報に仕掛けられた罠 (フェニックスシリーズ)

  • 作者: ダニエル・J・レヴィティン
  • 出版社/メーカー: パンローリング株式会社
  • 発売日: 2017/07/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


私たちは日々洪水のようにあふれる情報のなかで暮らしている。それらの中にどれほど多くの嘘があるかを知ったら、きっと驚愕することだろう。インターネットやソーシャルメディアのおかげで、誰もが自由に情報を得ることができ、自由に発信できる。しかしその情報は本当に正しいのか? そんなことを考える人はいない。そうして嘘情報はコピペされ拡散していく。世の中は真の情報と嘘の情報が入り乱れる油断もスキもない世界と化しているのだ。 / 狡猾なごまかしにだまされないために何が必要か。情報を鵜呑みにして信じるのではなく、常に批判的な目線で吟味することだ。人生で大きな決断をするとき――投資をする、家を買う、学校を選ぶ、病院を選ぶ――そんなとき嘘情報にだまされてしまえば人生を台無しにしてしまいかねない、と著者は警鐘を鳴らす。

入門 貧困論――ささえあう/たすけあう社会をつくるために

入門 貧困論――ささえあう/たすけあう社会をつくるために

  • 作者: 金子 充
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2017/08/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


貧困と社会保障、とくに公的扶助(生活保護もその制度の1つ)と呼ばれる領域の知の体系および論点について包括的・体系的に整理。これまで日本で、世界で貧困や格差がどのように論じられてきたか、どのような対策がおこなわれてきたかを説明しながら、当事者や被抑圧者の視点に立って日本の社会保障政策の問題点にきりこむ。貧困について網羅的に勉強したい人のための入門書。


東大名誉教授と原文で楽しむ 英文読書術

東大名誉教授と原文で楽しむ 英文読書術

  • 作者: 行方 昭夫
  • 出版社/メーカー: ディーエイチシー
  • 発売日: 2017/08/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


大好評シリーズ「英文精読術」「英文翻訳術」「英文読解術」に、待望の新作が登場。
モーム以外の作家の作品も読んでみたいという声に応え、現代でも色あせない5つの名作短編を厳選しました。

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2017-10-07 [通読・積読中]


世界の見方が変わる50の概念

世界の見方が変わる50の概念

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: 単行本


「パノプティコン」――過剰な自己規制を生む元凶。「野生の思考」――ないものねだりはしない、間に合わせでいいんだ。「間主観性」――自分勝手な主観ではなくお互いの主観の中に客観がある。「身体知」――迷ったら身体の声を聞け。「過剰」――少し過剰なほうがいいんだ。「マネージメント」――チームをどう動かすか。などなど、著者が自分でもよく使っている哲学用語、専門用語、各種理論など、難しそうに見えるいわゆる「概念」を分かりやすく解説し、人生や社会の中でどう生かすかを教える「現代用語の基礎知識」的人生論。

イラストで丸わかり! 室町時代 (洋泉社MOOK)

イラストで丸わかり! 室町時代 (洋泉社MOOK)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: ムック


日本史のなかで最も複雑な時代が一冊でわかる! / 日本史上初の武家政権・鎌倉幕府の滅亡 / 後醍醐天皇の夢・建武の新政とその崩壊 / 争乱に次ぐ争乱・南北朝の動乱 / 花の御所と室町幕府の基盤 / 北山文化・東山文化は日本美の原点 / 歴史の表舞台に登場してきた庶民 / 時代の転換点になった応仁・文明の乱

僕たちはなぜ取材するのか

僕たちはなぜ取材するのか

  • 作者: 藤井誠二【編著】、中原一歩、上原善広、安田浩一、尹雄大、土方宏史、森達也
  • 出版社/メーカー: 皓星社
  • 発売日: 2017/08/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


中立? 公平? 客観報道? 不偏不党? そんな大文字の動機で取材するのもいい。けれど、本書で藤井誠二と語っている、第一線で活躍する表現者たちは、極私的な動機、いわば小文字の動機で取材する者ばかりである。 『最後の職人・池波正太郎が愛した近藤文夫』の中原一歩、『日本の路地を旅する』の上原善広、『ネットと愛国』の安田浩一、『体の知性を取り戻す』の尹雄大、『ヤクザと憲法』の土方宏史、そして『FAKE』の森達也。 僕たちは、なんのために、誰のために、なぜ取材し、どう取材するのか。 取材者としての本音が語られ、取材の手の内が明かされる!

東大卒貧困ワーカー (新潮新書)

東大卒貧困ワーカー (新潮新書)

  • 作者: 中沢 彰吾
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/06/15
  • メディア: 新書


働き方改革なんてイカサマだ!
日給1300円、交通費ピンハネ、3ヶ月間無給、徹夜12時間労働――これは現代の奴隷?!
派遣・非正規で働き続けた、東大卒・元アナウンサーによる衝撃の徹底潜入ルポ。
これがニッポンの労働現場最前線だ。

音声DL付き もう迷わない!  前置詞の使い方がわかる本 (アスカカルチャー)

音声DL付き もう迷わない! 前置詞の使い方がわかる本 (アスカカルチャー)

  • 作者: 多岐川 恵理
  • 出版社/メーカー: 明日香出版社
  • 発売日: 2017/07/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




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徳川家康の文化重視・読書傾向・出版事業(『図書館と江戸時代の人びと』新藤透著から) [日本史]


図書館と江戸時代の人びと

図書館と江戸時代の人びと

  • 作者: 新藤 透
  • 出版社/メーカー: 柏書房
  • 発売日: 2017/07/01
  • メディア: 単行本



本と本の歴史に関心のある方にとって、たいへんオモシロイ本。「江戸時代」とタイトルにあるが、それ以前(古代、中世)の記述もある。(目次、章立ては以下のとおり)

1章:古代・中世の図書館
2章:将軍専用の図書館・紅葉山文庫
3章:藩校の図書館
4章:庶民の読書ネットワーク

****以下は、「第2章・第1節 徳川家康の図書文化への関心」から引用***

*家康の文化重視

戦国時代は織田信長、豊臣秀吉を経て、最終的に徳川家康が江戸幕府を開いて終焉することになります。およそ100年にわたる戦国乱世によって人身は荒廃してしまいましたが、それを復興するために家康が採った方法は、学問を盛んにすることで、民心の安定を図るというものでした。もともと家康は学問が好きな人物で、そのため書籍や文庫、ひいては文化全般に並々ならぬ関心を持っていたのです。それを窺わせる有名なエピソードが3つあります。

天正19年(1591)6月、奥州の九戸政実が秀吉の発した「惣無事令」に違反したので、豊臣秀次(秀吉の甥)を総大将として多くの大名が出陣しました。政実の反乱を無事に鎮圧し、その凱旋の途中に、秀次は前章で触れた下野国(栃木県)の足利学校に立ち寄ります。秀次は時の9代庠主(ショウシュ)閑室元佶を半ば無理やり上洛させましたが、その際、上杉憲実寄進の『五経注疏』など貴重な蔵書も京都に持っていってしまったのです。家康は秀次のこの所業を潔しと思っていなかったようで、秀次失脚後、持ち出したものを足利学校に返却しています。元佶はこの時の縁がもとで家康と親しくなり、文化政策のブレーンとなりました。

2つ目は、朝鮮出兵の時の逸話です。天正20年(文禄元年、1592)、秀吉が全国の大名に号令して朝鮮に出兵しますが、家康も兵を率いて肥前国名護屋(佐賀県唐津市)に出陣していました。その際も儒者の藤原惺窩を伴って、陣中でも『貞観政要』の講義を聞いていたといいます。これから戦争に向かうという際にも、学者を伴わせるというのは学問が好きな家康ならではのエピソードです。

3点目は、慶長8年(1603)2月の奈良正倉院の修理を挙げることができます。その際、諸町幕府8代将軍足利義政や織田信長の故事に則って「香木として名高い蘭奢待(ランジャタイ)を切り取っては?」との家臣の申し出を家康は一蹴しています。蘭奢待を切り取るということは、「天下人」としてのアピールになると家臣は考えたのでしょう。この月に家康は征夷大将軍に任じられているので、蘭奢待を切るタイミングとしては絶好だったわけですが、家康はそれを認めなかったということです。

家康の文化重視、学問好きが良くわかるエピソードです。これほど文化面に関心を寄せていた家康ですから、どのような本を読んでいたのか大変気になるところです。次に家康の読書傾向を史料から探ってみましょう。

*家康の読書傾向

戦国大名の読書傾向が窺える史料というのは、そう多くは残っていません。小和田哲男氏の『戦国大名と読書』(柏書房、2014)によると、侍医の板垣卜斎が書き残した『慶長記』に、家康の愛読書が挙げられています。慶長5年(1600)時点でのことですが、どうやら家康の本好きは周囲の人たちも知っていたようです。京都の臨済宗寺院の南禅寺・東福寺の僧や、水無瀬兼成などの公家と親交を結んでいて、日常的に学問のことを話題にしていたといいます。

家康が好んだ本は、漢籍では『論語』や『中庸』などの儒書、中国の古代王朝前漢の歴史書『漢書』、古代中国の兵法書『六韜』と『三略』、そして唐の太宗の言行録といわれ、政治の要諦が書かれている『貞観政要』だといいます。和書では、『延喜式』と『東鑑』を挙げています。『延喜式』は延長5年(927)に完成した律令の施行細則で、『東鑑』は一般には『吾妻鏡』の名で知られている鎌倉幕府の通史です。

家康は、詩歌などの文学は嫌いで、儒書、歴史書、兵法書、政治、法律書など、実用的な書物を好んで読んだそうです。もちろん、これは卜斎が挙げた書名のみで、それ以外にも家康は多くの書物を読破していたと思われます。

同時代の武将で家康と匹敵するほどの読書好きといえば、上杉景勝の執政直江兼続が挙げられるでしょう。兼続は関ヶ原合戦で家康とは敵対しましたが、16年後の元和2年(1616)3月、家康は、自身の政治顧問である金地院崇伝を介して『律令』と『群書治要』を兼続が所持しているか否かを聞いている書状が残っています(『本光国師日記』20)。『群書治要』は、唐代初期の成立で、君主が実際に政治を行う際の参考にするために編纂されたものです。家康は自ら出版事業も行っており、『群書治要』50巻も出版計画がありました。そのために、家康は兼続に所蔵を確認したのでしょう。かつての敵同士も、書籍を介して交流があったのです。

*家康の出版事業

家康は少年時代、駿河(静岡県)の今川義元の下で人質に取られていたことは有名ですが、実はそこでの体験が読書好き・学問好きになった理由といわれています。

駿河時代、義元の政治顧問としても活躍した、禅僧の太原崇孚 雪斎の教育を少年時代の家康は受けていました。雪斎は「駿河版」と呼ばれる出版事業も行っていて、『聚分韻略』と『歴代序略』を刊行しています。『聚分韻略』は漢詩をつくる際の音韻の手引書、『歴代序略』は中国の歴史書です。家康は雪斎の活動を間近で見ていたので、このような文化事業にも並々ならぬ関心をもつようになったと考えられます。

さて、家康が実際に出版を行うようになったのは、家康が五大老筆頭として伏見で政務にあたっていた慶長4年(1599)のことです。家康は足利学校の9代庠主(ショウシュ)閑室元佶を伏見に招き、木活字を用いて何点かの書籍を出版しました。これを「伏見版」と呼びます。第一号は『孔子家語』でした。

慶長5年(1600)9月には石田光成を関ヶ原で破り、同8年(1603)に征夷大将軍就任、同10年(1605)に嫡子徳川秀忠への将軍禅譲と、この数年間の家康の周辺は非常に慌ただしかったのですが、その間も伏見版の刊行は続けられていて、同11年(1606)まで7点に及びました。『六韜』『三略』『貞観政要』『吾妻鏡』など、伏見版では自ら愛した書籍を印刷・刊行したようです。

再び家康が出版事業を行うのは、慶長20年(元和元年、1615)3月のことです。この時は銅活字で『大蔵一覧集』の刊行を命じ、6月には125部の印刷が完了しています。これを「駿河版」と呼びますが、日本で最初の銅活字を用いた書籍となりました。その間、家康は5月に豊臣氏を大阪城で滅ぼしていますので(大阪夏の陣)、戦をやりながらその傍らで文化事業も行っていたのです。

後顧の憂いがなくなった家康は、翌元和2年(1616)には林羅山、金地院崇伝に命じて『群書治要』50巻の刊行を命じています。その参考に直江兼続の蔵書を必要として、書状を書いたことは前述した通りです。家康は、その完成を見る前の元和2年(1616)4月に亡くなり、『群書治要』は47巻まで刊行され、6月まで事業は継続されました。

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『物語もっと深読み教室 (岩波ジュニア新書)』宮川 健郎著 [児童文学]


物語もっと深読み教室 (岩波ジュニア新書)

物語もっと深読み教室 (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 宮川 健郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/03/20
  • メディア: 新書



昨日、『ブックオフ』で立ち読みしているうちに、一冊全部を読みきってしまった。以下は、備忘録として記すもの。


著書は盛岡出身の友人の学校に招かれ、中・高生を相手に特別講義をする。その内容が本書である。

著者は、物語の作者が、自ら立てた語り手をとおし、どのような視点で創作していったのか、「物語」の内容だけでなく、その語り・叙述の方法を取り上げて「深読み」の方法を示していく。例としては、谷川俊太郎「みみをすます」、漱石『坊ちゃん』、『こころ』、太宰『走れメロス』、鴎外『舞姫』、鏡花『高野聖』、賢治『永訣の朝』などをあげる。さらに、昔話とファンタジーのちがいやその構造についてなど語る。

物語を語るその方法に着目することで、「深読み」が可能になることを示し、さらには、自分の「語り手」をつくって、自分たちを取り巻く世界(現実)を再構成して「物語」をつくるよう促しもする。

「読み」と同時に「創作」も考慮されている点で、石黒圭の《「読む」技術 》を想起した。

著者は、宮城教育大で竹内敏晴の研究室に出入りしていた時期に、谷川俊太郎の「みみをすます」について竹内から啓発を受ける。著者はその点に触れていないが、竹内は(その自伝的著作『ことばが劈(ひら)かれるとき』をみると)耳の疾患をかかえて苦労した時期がある。それで、そのような気付きができたであろうように思った。

【自作を語る第13回 宮川健郎さん(児童文学研究者)】
http://zorotai.honmachihiro.com/?eid=190


ことばが劈(ひら)かれるとき (ちくま文庫)

ことばが劈(ひら)かれるとき (ちくま文庫)

  • 作者: 竹内 敏晴
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1988/01/01
  • メディア: 文庫



「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける (光文社新書)

「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける (光文社新書)

  • 作者: 石黒 圭
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/03/18
  • メディア: 新書




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日記をつけることと理数系の力との関係(『AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力』から) [教育・学び]


AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55

AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55

  • 作者: 五十嵐 悠紀
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



上記書籍に「日記をつけることで理数系の力も身につく」と題する1章がある。以下に引用してみる。

*********

ひらがなや語彙に興味を持ってきたら次は文章です。「花まる学習会」の高濱正伸氏は〈「読み返せる」「そこから、気づきを得られる、行動に変えていける」というのが、書くということの大きな利点です〉と言います。そこで、論理的思考力や理解力、表現力などさまざまな力がついたかどうか試してみるのに、「日記を書いてみる」ということを挙げたいと思います。

新しい言葉の獲得とは、「知っていた言葉に当てはまる経験をすることと、経験したことにぴったりくる言葉を知ることの両輪である」と高濱氏は言います。幅広い表現の獲得には、豊かな体験が不可欠であり、あとから読み返せるという観点からも日記は良かったように思います。

作文を書く、日記を書くことは、思考そのものをきたえることになります。そして、数学オリンピックで優勝するような子どもたちは、日記を書いている子が多いと数学者の秋山仁氏が指摘していました。日記を書くことと、理数系の力をつけることは一見離れて見えるかもしれませんが、「文章を論理的に組み立てることで、論理力や系統的思考力がつくのではないか」と言われています。

また、考えるために「書く」という行為をすることで、脳の働きが活発に動き出すことが研究によってわかっています。脳科学を研究する篠原菊紀氏は、脳の複数の領域をほぼ同時に使うことが脳を活性化させると言います。さらに紙に書くことで手を動かす運動野が使われます。つまり、「紙に書く」作業は脳をフル回転させるため、脳が活発に活動するというわけです。

(p171.172)

***********

上記部分の参考文献としては以下の書籍が挙げられている。


作文・読書感想文 子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる

作文・読書感想文 子どもの「書く力」は家庭で伸ばせる

  • 作者: 高濱正伸
  • 出版社/メーカー: 実務教育出版
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



陰山英男 藤原和博 家庭で育てる国際学力

陰山英男 藤原和博 家庭で育てる国際学力

  • 作者: 藤原 和博
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/04/24
  • メディア: 単行本



脳科学が教えてくれた 覚えられる 忘れない!  記憶術

脳科学が教えてくれた 覚えられる 忘れない! 記憶術

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2015/12/22
  • メディア: 単行本




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2017-08-23 [通読・積読中]


タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる

タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる

  • 作者: 野瀬奈津子
  • 出版社/メーカー: 玄光社
  • 発売日: 2017/06/30
  • メディア: 単行本


世界中の本好きを魅了し、奇跡の出版社とも呼ばれる南インドの「タラブックス」。/ 圧倒的に美しい本を次々と世に送り出し、ボローニャ・ブックフェア・ラガッツィ賞をはじめ、数々の賞を受賞している。手漉きの紙に、シルクスクリーンによる手刷りの印刷、製本もすべて人の手によって行われているというのだから驚きだ。発注から納品まで1年かかってしまうこともあるスローな生産スピードにもかかわらず、いまや数万部のベストセラーをいくつも抱える、世界で最も注目される出版社……。彼らはいかにしてこのような素晴らしい本を作り、世に知られることとなったのか? / 実は日本でよく知られているハンドメイド本の他に、オフセットで作られたものも多数存在する。それらも含め世界各地で長く読み継がれているのは、彼らの社会や文化へのまなざしが根底に流れているからに他ならない。 / 本書は「デザイン書」、「本の本」という枠組みを越え、これからの生き方、働き方に対するヒントが詰まった一冊です。

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新貧乏物語――しのび寄る貧困の現場から

新貧乏物語――しのび寄る貧困の現場から

  • 作者: 中日新聞社会部
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2017/06/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


私たちの社会を確実に蝕み続けている貧困問題。最近大きく取り上げられるようになった子どもの貧困のみならず、あらゆる世代にわたって、貧困に苦しむ人たちが増えている。だが、意外にもその姿はなかなか見えてこない。当事者への取材記事のほか、なぜ貧困問題が起きているのか、その背景を理解するための客観的なデータも加え、いまここにある貧困を描き出す。

6人に1人が貧困の時代、自己責任論では社会は衰退する。社会に広がる貧困を直視し、声なき声に耳を傾けること―。それが解決の第一歩となると信じ、困窮する人々に寄り添うように取材したルポルタージュ。背景にある制度の不備や構造的問題も平易に解説した、貧困問題の格好の入門書。

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フォト・ドキュメント 世界を分断する「壁」

フォト・ドキュメント 世界を分断する「壁」

  • 作者: アレクサンドラ・ノヴォスロフ
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: 単行本



アメリカのトランプ大統領が「メキシコとの国境に壁を作る! 」と言ったとき、「何を馬鹿なことを」と感じた日本人の多くは、すでにメキシコ国境に大きな壁のあることを知らなかったようです。 / 本書は国連の平和維持活動にも携わる研究者が、実際に世界各地の「壁」を見て歩き、その地の人々に話を聞き、写真に収めてきたものです。 / 人によっては「壁」を、紛争を防ぐための現実的な知恵を考える人もいます。本書の中にも「壁」を肯定的にとらえる人、商売に利用する人、より強化すべきと考える人も登場します。 / しかし、そういう彼らの発言の中にも諦めや哀しみが滲んでいる、そんな気がしてなりません。 / 著者は「壁」の存在をグローバリズムの対としても考えています。 / 私たちは「壁」にどう向き合っていくべきなのか、考えるための一冊としてご紹介いただければありがたいです。

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ブッシュクラフトの教科書 (フェニックスシリーズ)

ブッシュクラフトの教科書 (フェニックスシリーズ)

  • 作者: デイブ・カンタベリー
  • 出版社/メーカー: パンローリング株式会社
  • 発売日: 2017/06/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



ニューヨークタイムズ・ベストセラー!!
綺麗なテントはいらない!
キャンプとは大違い!
野山を自由に楽しむ方法
「ブッシュクラフト」―それは、大自然の中で暮らすこと。

必要最低限だが厳選された装備を背負って森へ入り、自ら作ったシェルターで寝泊まりをする。枯れ木などを集めて火を熾し、焚火で調理する。そのほか必要なものは何でも、天然の資源である樹木と、自らの知識とスキルを総動員して創作する。 / だが、決して「サバイバル」ではない。自然を楽しみ尽くす「アクティビティ」だ。

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モンゴル帝国誕生 チンギス・カンの都を掘る (講談社選書メチエ)

モンゴル帝国誕生 チンギス・カンの都を掘る (講談社選書メチエ)

  • 作者: 白石 典之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/06/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



13世紀にユーラシアの東西を席巻し、その後の世界史を大きく転換させたモンゴル帝国。ヨーロッパが世界を支配する以前に現出した「パックス・モンゴリカ」時代の、人類史における重要性は、近年、広く知られるようになった。しかし、ではなぜ、ユーラシア中央部に現れた小さな遊牧民のグループ、モンゴルにそれが可能だったのか、また、その創始者、チンギス・カンとは、いったいどんな人物だったのか、まだ多くの謎が残されている。本書では、20年以上にわたってモンゴルの遺跡を発掘し続けている著者が、この謎に挑む。 / 著者がフィールド・ワークから実感するチンギス・カンは、小説などでよく描かれる、果てしない草原を軽快に疾駆する「蒼き狼」、あるいは金銀財宝を手にした世界征服者――というイメージとは異なり、むしろ質素倹約を旨とする質実剛健なリーダーだという。その姿を明らかにしつつある近年の著者の発掘成果が、チンギスの都と目されるアウラガ遺跡である。 / チンギスは、ただ戦争に明け暮れるだけでなく、この都をひとつの拠点に、良質の馬と鉄を手に入れ、道路網を整備していった。つまり、産業を創出し、交通インフラを整えることで、厳しい自然環境に生きるモンゴルの民の暮らしを支え続けたのである。その「意図せぬ世界征服」の結果として出現したのが、イェケ・モンゴル・ウルス=大モンゴル国、いわゆるモンゴル帝国であった。 / さまざまな文献史料と、自然環境への科学的調査を踏まえ、気鋭の考古学者が新たに描き出すモンゴル帝国とチンギス・カンの実像。

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中井久夫集 2 『家族の表象――1983-1987』(全11巻・第2回)

中井久夫集 2 『家族の表象――1983-1987』(全11巻・第2回)

  • 作者: 中井 久夫
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2017/04/13
  • メディア: 単行本



精神科医・中井久夫が半世紀にわたり世に届けつづけた言葉の数々を年代順に編む『中井久夫集』(全11巻)。大好評の第1巻に続く本巻には、1982年刊行の2冊『分裂病と人類』『精神科治療の覚書』でその名が非専門家にも知れ渡り はじめた時期の文章、長短36編を収録する。解説・最相葉月。 / 患者になる人は幼い時から一家の調停者であったかも知れない。 / 統合失調症の患者の幼い時の特徴は「いい子」「手のかからぬ子」そして「エピソードをまわりが思い出せぬ子」である。
(「家族の表象」1983)

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リアリズム・チャレンジ

リアリズム・チャレンジ

  • 作者: マーク・クリリー
  • 出版社/メーカー: マール社
  • 発売日: 2017/07/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



リアリズム・チャレンジに挑戦! イラストレーターのマーク・クリリーが、水彩絵の具と色鉛筆、ガッシュのホワイトだけを使い、6つの手順で絵を完成させる秘密のテクニックを伝授。気がつくと、誰でも日常にありふれた小物をハイパーリアリスティックに描けるようになっています。 YouTubeでアクセス数600万回を達成した彼の投稿動画"Realism Challenge"をベースに企画された本書は、だまし絵の伝統を継承し、貝殻から葉、チョコバーなどと、まったく瓜二つの絵を、たった30のレッスンで描けるようにしてくれます。これは、ハイパーリアリズム絵画を描きたいと思いながらもかなわぬ夢とあきらめていた人たちにとって、夢のような描画指南書です。 前レッスンのテクニックをベースに次へ進むという方式をとり、最終的に、影のつけ方からハイライトの入れ方、明から暗への塗り重ね方まで、ハイパーリアリズム絵画に不可欠な魔法のテクニックをすべてマスターできる構成になっています。彼が惜しげもなく明かす秘中の秘のテクニックを学んでいきましょう。 それではページを開いて、さっそくチャレンジ!

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写本の文化誌:ヨーロッパ中世の文学とメディア

写本の文化誌:ヨーロッパ中世の文学とメディア

  • 作者: クラウディア・ブリンカー・フォン・デア・ハイデ
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2017/07/22
  • メディア: 単行本



写本の製作と受容から見る中世世界 / 巻物から冊子体のいわゆる写本へ主流が移ったヨーロッパ中世の始まり、それはデジタル時代・活字印刷の誕生と並ぶメディアの革新、つまり口述から書記への転換の始まりでもあった。本書は、物としての写本の材料と作られ方、製作にかかわった注文主・詩人や知識人・修道士や職業書記らの実態から、手にした人が本をどう読んだか、本と書かれたテキストの双方がもった政治的役割まで、当時の社会における本と、本をめぐる文化・社会的状況を、さまざまな角度から解説する。 / なかでも、一種の文芸マネージメントから生まれた傑作・マネッセ写本についての、成立背景を含めた製作過程や、その後の数奇な運命とドイツ史とのかかわりの情報は、これまで詳しく紹介されたことがなく、またミステリのようにおもしろい。 / 「人の心臓より尊い」と言われた羊皮紙の世界、書記が一日に書ける分量と与えられた物質的・精神的報酬、仕事に対する書記のプライドや不満が書き込まれた挿絵や奥付、写本の窃盗事件あれこれ……。 / 物としての写本とメディアとしての写本をめぐる一冊。

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名馬を読む

名馬を読む

  • 作者: 江面 弘也
  • 出版社/メーカー: 三賢社
  • 発売日: 2017/06/29
  • メディア: 単行本



名馬に歴史あり、歴史に名馬あり。シンザン、ハイセイコー、テンポイント、オグリキャップ、ディープインパクト…。殿堂入りした32頭の蹄跡と、その馬を支えた人びとの物語。

<本書に登場する32頭の名馬>
1 クモハタ 2 セントライト 3 クリフジ 4 トキツカゼ 5 トサミドリ 6 トキノミノル 7 メイヂヒカリ 8 ハクチカラ 9 セイユウ 10 コダマ 11 シンザン 12 スピードシンボリ 13 タケシバオー 14 グランドマーチス 15 ハイセイコー 16 トウショウボーイ 17 テンポイント 18 マルゼンスキー 19 ミスターシービー 20 シンボリルドルフ 21 メジロラモーヌ 22 オグリキャップ 23 メジロマックイーン 24 トウカイテイオー 25 ナリタブライアン 26 タイキシャトル 27 エルコンドルパサー 28 テイエムオペラオー 29 ディープインパクト 30 ウオッカ 31 オルフェーヴル 32 ジェンティルドンナ

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AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55

AI世代のデジタル教育 6歳までにきたえておきたい能力55

  • 作者: 五十嵐 悠紀
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)







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『世界が称賛する 日本の教育』 伊勢 雅臣著 扶桑社 [教育・学び]


世界が称賛する 日本の教育

世界が称賛する 日本の教育

  • 作者: 伊勢 雅臣
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2017/08/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



〈本書でいう「日本の教育」とは、戦後の教育ではありません。江戸時代以前からの家庭や寺子屋、地域などによる教育伝統に根ざし、それに明治以降の近代化努力を注いで形成してきた我が国固有の教育伝統を指します。/ 戦後の教育は軍国主義だったという批判がありますが、実際はどうだったのか、日本の教育がいかに近代的で、国際性を持つものだったのか、まず事実を見てみましょう。〉と、「第1章 世界の賞賛する日本の教育」は始まる。

本書は、著者のいう「日本の教育」の素晴らしさを「事実」によって例証すると同時に、今日、打ち捨てられ顧みられないことの愚かしさも示される。そうした、教育の中身には「教育勅語」も含まれる。それが作成された経緯等について知ると、決して偏狭なだけの愛国主義に根ざしたものではないことを知ることができる。

他書からの引用にもとづいての論議が多いが、原著者の意図を捻じ曲げて伝えるようなことはしていない。つまり、原著者たちも、日本の伝統教育の素晴らしさを認めているということだ。そうした中には、評論家の渡部昇一、灘校国語教師の橋本武や教育学者の齋藤孝も含まれる。

「人づくり」に関心のない教師や親はいないと思うが、効果的にそれを行い「生きる力」を子どもたちに付与したいと願う方であれば、誰にとっても参考となるにちがいない。

目次// まえがき / 第1章 世界が賞賛する日本の教育(「子は国の宝」の経済学、「日本人という生き方」上ーウガンダの高校生を変えた日本の躾、「日本人という生き方」下ーウガンダの高校生たちの志、「教育勅語」-世界人類に共感される広やかな道) / 第2章 蘇る日本の教育 (学力・体力トップクラスー福井県の子育てに学ぶ(上)、(下)、親学のすすめ(上)-母の愛を待つ胎児・新生児、親学のすすめ(下) 乳幼児編ー母の愛で子は育つ) / 第3章 日本の教育の地下水脈 (江戸時代はボランティア教育大国、小林虎三郎ー人づくりは国づくり、井上毅ー有徳国家を目指して、『国民の修身』を読む、伊澤修二ー唱歌で目指した国民国家) / 第4章 国語・古典という根っこ (子供を伸ばす漢字教育、生きる力を引き出す授業(上)-伝説の国語教師・橋本武、生きる力を引き出す授業(下)-国語が育む「共に生きる力」、古典教育が近代国家を発展させるという逆説) 初出・参考文献・関連リンク先一覧 あとがき(空想から科学へ)

薩摩藩の幼児児童教育とNASA航空宇宙局の教育
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2015-10-05


新しい学力 (岩波新書)

新しい学力 (岩波新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/11/19
  • メディア: 新書



灘中 奇跡の国語教室 - 橋本武の超スロー・リーディング (中公新書ラクレ)

灘中 奇跡の国語教室 - 橋本武の超スロー・リーディング (中公新書ラクレ)

  • 作者: 黒岩 祐治
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/08/10
  • メディア: 新書




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目次『論理的な話し方の極意』齋藤孝著 宝島社 [ビジネス書]


論理的な話し方の極意

論理的な話し方の極意

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: 単行本



目次
1章 直感と閃きを鍛えて論理力を高めよう

直感力
直感と論理
システムシンキング
本質を突く
もやもやしたものに名前をタグ付け
「ヤバい」「超~」じゃ伝わらない
オリジナリティとは直感や閃き
「逃げ恥」はなぜヒットしたか

2章 情報の整理力が論理スキルを上げる

論理的とは視点を理解していること
自分で自分の弁護士になる
パッションだけじゃ伝わらない
話を新聞記事化する
文字制限と時間制限
5秒で話す技術
「思考」と「説明」
秒単位のトーク
「論証図」でトレーニング

3章 フォーマット思考を身につけよう

一文で心をつかむタイトル
情報にも優先順位をつける
レントゲン写真で骨格をつかむ
聞き上手は整理上手
コピーに凝縮された論理
企画書を書く練習
フォーマット思考を身につける
マッピング・コミュニケーション
事象を頭の中で図化する
時間軸を意識する
小説はカオス
交錯する時系列が心情を描写する ちあきなおみの『喝采』
実は示唆に富んでいる童謡『ぞうさん』

4章 要約して伝える技術をマスターする

要約力を身につけるコボちゃん作文
論理の世界で「3」は意味がある
小論文
『踊るーさんま御殿!!』はエピソード力の戦場
長い話はテレビで切られる
タレントの番宣に学ぶ
架空のCMを作る練習
AとBを比較する「AB方式」
エビデンスを疑って見る習慣

5章 メディアリテラシーと論理の絶妙な関係

「立場性」を見抜くリテラシー
「従って~そうならない」
ボケとツッコミ=攻めと守り
スマホですぐ調べる
検索ワードも論理的に
“検索ごっこ”で数字と仲良く
年号の記憶をなめるな
所ジョージさんの論理力
有吉弘行さんの共同主観性
マツコ・デラックスさんの本質直観力
毒舌は劇薬
ビートたけしさんの“地雷感覚”

6章 パワーの掟は論理にも勝る

マクロン大統領の名言とは?
“英語構文的”な話し方
個人の論理と外交の論理
「パワー」は論理を凌駕する
北朝鮮なりの論理もある?
パワーを知ればあきらめもつく
「清濁併せ吞む」を知る
「根回し」も実は論理的
論理は優しさ

**以下、最終章最終項末尾部分を抜粋**

先入観やイメージだけで論理というワードに距離を置くのではなく、生活の中で論理力を正しく使っていく。それには現実社会という修羅場の中で、様々な体験をとおして論理力を鍛えていくということが、人生における判断としては重要です。

清濁併せ吞むタフな人間をめざして、世の中に出ていろいろなものに触れ合い、体感し、直観と閃きを磨きながら、論理力を磨いていこうではありませんか。

知性の磨き方 (SB新書)

知性の磨き方 (SB新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2017/01/06
  • メディア: 新書



知性の磨きかた (PHP新書)

知性の磨きかた (PHP新書)

  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 1996/11/05
  • メディア: 新書




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『論理的な話し方の極意』 齋藤孝著 宝島社 [ビジネス書]


論理的な話し方の極意

論理的な話し方の極意

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: 単行本



「通読して、タイトルを付けてみろ」と課題を与えられたなら、「齋藤流世渡りの極意 コミュニケーション編」と名づけたい。

「論理的な話し方」の本というので、接続詞の使い方を中心に据えた内容かと思ったが、そんなチマチマしたものではない。せちがらい世の中をよりよく生きていく知恵が示される。自分の学生時代の経験、テレビ出演時の経験、最近の時事問題等とりあげながら、事を為すにあたって良い結果を得るための「論理」の用い方が論じられる。

「論理的な話し方」として示されるのは、「論理性を担保する」コミュニケーションスキルであり、論理的であるように見せ(かけ)る手練手管に過ぎないと言えないこともない。しかし、そのベースには、著者の世界(世間)認識がドンと横たわっている。それは、世界(世間)は、論理だけでは動かない、「パワーの掟は論理に勝る」という認識だ。当然それゆえ、「机上の空論」に本書は陥いらない。



「言葉にできる人」の話し方: 15秒で伝えきる知的会話術 (小学館新書)

「言葉にできる人」の話し方: 15秒で伝えきる知的会話術 (小学館新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2017/05/31
  • メディア: 単行本




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