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『ロボットからの倫理学入門』久木田水生・神埼宣次・佐々木拓著 名古屋大学出版会 [哲学]


ロボットからの倫理学入門

ロボットからの倫理学入門

  • 作者: 久木田 水生
  • 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
  • 発売日: 2017/02/28
  • メディア: 単行本



たいへん分かりやすい倫理学の本。倫理学に初めて触れる読者を対象にしている。無理なく論議についていけるよう配慮がなされている。「SF小説の古典中の古典であ」るアシモフの『わたしはロボット』およびその後に書かれたシリーズを「ロボット倫理学に関する必読文献」とし、「アシモフのロボット工学三原則」から第1章は始まる。複雑に入り組んだ論議になる場合は、その点を指摘して論議を簡略化するなど、初学者にとっては、たいへん有り難い。(以下、『はじめに』部分から、引用)。

〈倫理学の最も顕著な特徴は、それが「地球は丸い」というような「事実」を扱うのではなく、「道徳的な良さ」といったような「価値」を中心的なテーマとして扱うことです。〉

〈本書のねらいは二つあります。ひとつは倫理学に初めて触れる読者を対象に、ロボットを通じて人間の倫理・道徳について考えてもらうことです。もうひとつは、ロボットや人工知能(AI)に携わる人びと(研究者、メーカー、ユーザーなど)が、関連する倫理的問題について考え議論するための土台を提供することです。〉

〈今日、自律的に活動するロボットや人工知能が社会のさまざまな領域で活躍するようになりました。しかし、それに伴い、それらが私たちに何らかの危害を加えるかもしれないという危惧が高まっています。そのため人工知能研究者・ロボット工学者の中には、「“道徳的に”考え振る舞う機械」を開発しようとしている人たちがいます。この試みはロボットや人工知能を開発する人びとにとって実用的な重要性を持つと同時に、哲学・倫理学の研究者にとっても興味深いものです。というのもそれは、「道徳性とは何か」という問いに取り組むための新しいアプローチを提供するからです。〉

〈本書の第Ⅰ部では、・・略・・「道徳性を持つロボットを作るにはどうしたらよいか」を考えることで「道徳性」の本質にアプローチします。・・略・・このアプローチによって、より具体的には「道徳的なロボットとはどういうものか」、「道徳的原理を機械に実装するにはどうすればよいか」、「機械は責任の主体になることができるか」、「ロボットは道徳的な配慮の対象になりうるか」といった問題が扱われ、そこから「道徳的行為者性」、「道徳的原理」、「責任」、「道徳的機械行為者性」などの概念が検討されます。〉

〈第Ⅱ部ではより具体的な問題、すなわちロボットや人工知能に関して生じる(生じうる)倫理的な問題を扱います。・・身の回りの機械によって収集された個人情報とプライバシーをどう扱うべきか、ケア・ロボットやコンパニオン・ロボットなどがコミュニケーションのあり方や人間関係にどのような影響を与えるのか、自律的ロボット兵器や遠隔操作兵器は通常兵器と比べて倫理的問題を含んでいるのか、ロボットが人間の仕事を奪う時にどのような社会システムが望ましいのかなど、緊急に考えなければならないさまざまな倫理的問題・・略・・を取り上げて論じます。〉

〈倫理学の扱う問題は幅広く、また人間や社会の最も根源的な問題でもあります。本書で扱うのはそのほんの一端に過ぎません。それでも皆さんが倫理学に興味を持つきっかけを本書が提供できれば嬉しく思います。〉


わたしはロボット (創元SF文庫)

わたしはロボット (創元SF文庫)

  • 作者: アイザック・アシモフ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1976/04/23
  • メディア: 文庫



倫理学の話

倫理学の話

  • 作者: 品川 哲彦
  • 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
  • 発売日: 2015/11/01
  • メディア: 単行本



動物からの倫理学入門

動物からの倫理学入門

  • 作者: 伊勢田 哲治
  • 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
  • 発売日: 2008/11/20
  • メディア: 単行本



『スピノザと動物たち』 大津真作訳 法政大学出版局 [哲学]


スピノザと動物たち

スピノザと動物たち

  • 作者: アリエル シュアミ
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 2017/12/22
  • メディア: 単行本



スピノザの倫理学に関する主著『エチカ』の解説書。ただし、その幾何学的証明の順に、その哲学を紹介するという形式はとっていない。「蜘蛛」をはじめ多数の動物たちが、そのデザイン性の高いイラストと共にスピノザ理解を助ける役をはたす。

表紙にある本書タイトルと動物の挿絵から、親しみを感じて手にしたが、『エチカ』未読の評者には手ごわい相手で、「訳者あとがき」10ページにわたる解説と訳註が無かったなら、通読も難しかったにちがいない。

本書の特徴と長所について「訳者あとがき」に次のようにある。〈 本書では、説明するにあたり哲学用語をなるべき使用せずに、平易な動物の例ととくにスピノザの『書簡集』を活用して、あらゆる類の「無知」へ攻めかかるスピノザ哲学を生き生きと紹介している。これがスピノザ入門書として類書に見ない本書の特徴であり、長所である点を繰り返し指摘しておきたい。〉

著者アリエル・シュアミは『スピノザにおける善のコミュニケーション』で学位を得た哲学博士。「法政大学出版局」からでている本書は、今後ふたたびスピノザに取り組む際に、参考にできるように思うし、参考にしたい。

(登場する動物は以下のようなもの)
第1話 蜘 蛛 / 第2話 二匹の犬 / 第3話 人間、ロバ、象 / 第4話 血のなかにいる虫 / 第5話 海の魚 / 第6話 天使とネズミ / 第7話 翼のある馬の観念 / 第8話 キマイラ / 第9話 驚 き / 第10話 痕 跡 / 第11話 前 兆 / 第12話 奇 蹟 第13話 隣人の雌鶏 / 第14話 作者の考え / 第15話 神の法 / 第16話 石の落下 / 第17話 ビュリダンのロバ / 第18話 陶工の神 / 第19話 馬のリビドー / 第20話 蜜蜂と鳩 / 第21話 獅 子 / 第22話 蛇 / 第23話 憂鬱な気分の人 / 第24話 家 畜 / 第25話 記憶喪失に陥った詩人 / 第26話 二匹の犬 / 第27話 子 供 / 第28話 社会的動物 / 第29話 セイレンたち / 第30話 イソップのヤギ

バールーフ・デ・スピノザ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%8E%E3%82%B6

哲学者スピノザ|汎神論、エチカ、名言、現代に通じる思想をわかりやすく解説
https://brave-answer.jp/14380/



異端思想の500年: グローバル思考への挑戦 (学術選書)

異端思想の500年: グローバル思考への挑戦 (学術選書)

  • 作者: 大津 真作
  • 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
  • 発売日: 2016/01/20
  • メディア: 単行本



『伊勢神宮と出雲大社 (エイムック 3915 Discover Japan_TRAVEL)』 [宗教]


Discover Japan_TRAVEL 伊勢神宮と出雲大社 (エイムック 3915 Discover Japan_TRAVEL)

Discover Japan_TRAVEL 伊勢神宮と出雲大社 (エイムック 3915 Discover Japan_TRAVEL)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: エイ出版社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: ムック



ムック本。「日本を代表するふたつの神社のヒミツ、お届けします」と表紙・裏に書かれている。

版が大きいだけに写真に迫力がある。伊勢神宮は、宮澤正明氏のカラー、出雲大社は増浦行仁氏のモノクロが印象的。

ロボットデザイナーで丹下健三の弟子筋の松井龍哉氏と『知識ゼロからの神社入門』の著者桜井治男氏の対談、など興味深い。

建築様式、全体の配置図、めぐり方、素朴な疑問の答えなど内容は盛りだくさんである。ただ、できうれば、「ふたつの神社」ではなく、それぞれの神社をそれぞれによりふかく扱って欲しいところ。「全方位から徹底解剖する保存版」とあるが、「徹底解剖」には遠いのではないか。印字が小さい目なのも残念。


伊勢神宮と出雲大社 「日本」と「天皇」の誕生 (講談社選書メチエ)

伊勢神宮と出雲大社 「日本」と「天皇」の誕生 (講談社選書メチエ)

  • 作者: 新谷 尚紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 単行本



伊勢―日本建築の原形 (1962年)

伊勢―日本建築の原形 (1962年)

  • 作者: 丹下 健三
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1962
  • メディア: -



目次 『週刊文春』と『週刊新潮』 : 花田 紀凱vs門田隆将 PHP新書  [マスメディア]


『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕 (PHP新書)

『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕 (PHP新書)

  • 作者: 花田 紀凱
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/12/17
  • メディア: 新書



はじめに(門田隆将)

第1章 『週刊文春』と『週刊新潮』のつくり方──そのウラ側を徹底暴露

「この、ハゲーっ!」で1500万円 / テレビ局が週刊誌スクープに群がる理由 / 「『文春砲』で汚れた銃弾」--狙いはスクープ潰し? / 「『週刊新潮』は常に仰ぎ見る指標だった / 何でもできる「藪の中スタイル」は画期的 / 編集の鬼・齋藤十一という男 / タイトルを全部決める?齋藤十一伝説の虚実 / 新聞にできないことをやれ! / 自分の目と耳をフルに使って、取材対象を全部描く / データマンを徹底的に鍛える新潮方式 / 誰も教えてくれない『週刊文春』 / 「叩き上げの軍団」は変わらず / 初めてのスクープは逃亡犯へのインタビュー / 「実名告発」させた先輩記者の手腕 / 編集長の資質とスクープ / 司馬さんの「二十一世紀の君たちへ」で方向が見えた / 働く女性に読んでもらいたい / 『週刊新潮』はタイトルが本当にうまい / 「花田文春」のタイトルの付け方

第2章 ファクトを歪める新聞 vs 圧力と闘う週刊誌──現代日本のメディア構造

新聞ジャーナリズムは徹底的に堕落した / 主義主張のためにファクトを歪める / 火のないところに煙を立てた森友問題の本質 / 決定的な証言をほとんど報じないで批判三昧 / あなた方は新聞記者なの?活動家なの? / 取材で問題を起こすより、社内で出世する道を選ぶ輩 / 告発型ジャーナリズムは訴訟リスクと隣り合わせ / 「名誉毀損賠償額の安さ」を問題にした政治家たち / 「点数方式」で名誉毀損の賠償額が3倍に / 編集長は訴えられてもビビれない / ガセネタ一発で部数が10万部ダウン / 共産党のスパイもーー文藝春秋、“立花隆部屋”のウラ側 / 調査報道はやろうと思えば、まだできる / 新聞も雑誌もどんどんパイが小さくなって / 選挙報道で掌返しの文春、人間を描く新潮 / 「週刊新潮というジャンル」の唯一の媒体だった / 『週刊新潮』の武器は「見識」だった / 「売れるけど、意味はない」ばかりでいいのか / 週刊誌はもっと、“ご注進ジャーナリズム”を批判せよ / 「本物のスクープ」で読者をワクワクさせてこそ

第3章 タブーに挑み、偽善に斬り込む──編集者の動機と本音

新聞、テレビが批判できないタブーと闘ってきた / 「第三文明」に載った白いブレザー姿 / 正義感と面白がりで統一教会に挑む / 「JR東日本に巣くう妖怪」でキヨスクから締め出される / 激しい抗議に直面したとき、どうするか / 右翼の街宣車14台でも微動だにせず / 皇后陛下の記事で文藝春秋社長宅に銃弾 / 宮内庁内部から情報が来たら報じたくなる / 少年法を盾にした“うわべだけの正義”との闘い / 法律は必ず「第1条」から読め / 「実名報道するか、しないか」その決心の裏側 / 建前ばかりの新聞、本音で勝負する週刊誌 / 世の中の偽善に正面から斬り込んだ90年代の週刊誌 / 犯罪被害者が「人権侵害」の名のもとに批判される倒錯 / 言論・表現の自由より人格権ばかりを尊重する裁判官 / 『週刊文春』『週刊新潮』と朝日新聞のバトル

第4章 日本を震撼させた週刊誌の衝撃スクープ──その全内幕

「なんで生きていけるの?」--週刊誌記者の生活 / 掲載記事やタイトルはいかに決められるか / 記者の担当分けは、「記事のタイプ」に応じて / 「内部事情通」はこうして見つけ出す / 徹底した調査報道の成果「毒入りオレンジ事件」 / 異常な報道合戦に火をつけた「疑惑の銃弾」 / 時効の間近まで、とことんグリコ・森永事件をフォロー / 和田心臓移植のドナーは「生きたまま心臓をとられた」? / 日本の臓器移植の歴史を変えてしまった悲劇 / 生々しい不倫スクープで毎日新聞は傾いた / 袴田里美手記を抜かれ、ウイスキーも取られ / 「野坂参三スパイ説」0円vs1000万円のスクープ合戦 / 「イトマン事件勃発」を告げた「マネー欄」 / 「イトマン側のマスコミ対策」の真相 / 6週やった「高花田・宮沢りえ『婚約解消』危機」 / 「天下の暴論」と「あの人は今」 / 松本サリン事件のレポートでより大きなテロを予見 / 警察庁長官と警視総監は「リーダーの本義」を忘れた / 「週刊誌から電話がくると、心臓がボコッとなる」

第5章 週刊誌に未来はあるか──新たな時代のジャーナリズムの可能性

「情報ビッグバン」を象徴する朝日新聞社長辞任 / 週刊誌は他のメディアでは及びもつかぬことをやれ / なぜそこまで?『文藝春秋』の異常な安倍叩き / 時の政権への批判・評価は是々非々で / 雑誌がやるべきことも、できることも、まだまだある / 隠されたものを掘り起こす軍団がなくなるとき / 「退職後余命5年」の恐ろしいプロ軍団 / 「紙媒体の衰退」は「活字離れ」ではない / 週刊誌編集部が持つ「情報を産み出す」ノウハウ / ネット企業は「週刊誌」の役割を担えるか? / 新時代の「齋藤十一」よ、新たなジャーナリズムを創れ / ネットメディアは「裏が取れる」? / 闘う週刊誌の「無形の財産」を未来に残せ

おわりに(花田 紀凱)

主な総合月刊誌、週刊誌年表


編集者! (マスコミの学校)

編集者! (マスコミの学校)

  • 作者: 花田 紀凱
  • 出版社/メーカー: ワック
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 単行本



死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)

死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発 (角川文庫)

  • 作者: 門田 隆将
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/10/25
  • メディア: 文庫



『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕: 花田 紀凱vs門田隆将 PHP新書 [マスメディア]


『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕 (PHP新書)

『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕 (PHP新書)

  • 作者: 花田 紀凱
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/12/17
  • メディア: 新書



「週刊文春」を代表して花田紀凱、「週刊新潮」を代表して門田隆将。ふたりのビッグなOBによる対談本。互いへのふかいリスペクトが感じられ心地いい。内容を、評者なりに要約するなら、以下のようになる。

「文春砲」で名をはせる「週刊文春」。しかし、それは先に創刊された「週刊新潮」を模倣し作り上げてきたものだ。新聞社とは異なり取材経験の無いなか、記者クラブに入ることもなく、さまざまな権力の中に人脈を見出し築きながら、世界に類のない紙面をもつ「告発型ジャーナリズム」をつくってきた。その先鞭を取った「週刊新潮」には齋藤十一、「週刊文春」には池島信平がいて、彼らの個性が両誌を特徴づけてきた。これまでスクープし、多くの人にファクトを提供し、溜飲を下げさせるものとなってきた事例は多い。しかし、互いにライバルとして競ってきた両誌だが、インターネットで情報を入手できる今日、両誌共にカゲリが出ている。情報はタダという考えが広まり、売れ行きは落ち、売れ行きを上げるために発するスクープはテレビワイドショー的内容となり、また、新聞・テレビ=メディアと同じ渦の中でシリウマに乗るような記事を掲載する。渦の中を見下ろして、「チガウダロー」と声をあげるような高い「見識」を感じさせるものがなくなった。情報ビッグバンの時代、両誌とももはや存続できないかもしれない。しかし、週刊誌がなくなるなら、政府機関など権力の垂れ流す情報だけになってしまう。ほんとにそれでいいのだろうか。しかし、まだ「週刊文春」「週刊新潮」で鍛えられた人材・取材力をもつ記者たちはいる。ネット時代にどう対応できるか。この時代ならではの「告発型ジャーナリズム」をどのように立ち上げることができるか。引き受け受けつぐ志ある若者よ出て来い・・・。

勝手に要約したが、要約をはるかに上回る滋味ある内容が盛り込まれている。権力からのニュースを垂れ流すのみのメディア、「知る権利」を標榜しながら「主義主張のためにファクトを歪め」、「報道しない自由」を行使するメディア、「ウラ」を取ることなくコピー&ぺーストで拡散するネット社会、そうした中で、各自あらゆる情報源からファクトを摑み出す能力を持たねばならないなどなど、いろいろ考えさせられる。


「週刊文春」編集長の仕事術

「週刊文春」編集長の仕事術

  • 作者: 新谷 学
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2017/03/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



報道しない自由 なぜ、メディアは平気で嘘をつくのか

報道しない自由 なぜ、メディアは平気で嘘をつくのか

  • 作者: 西村幸祐
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2017/11/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



『歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド』 大矢 博子著 文春文庫 [読書案内]


歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド (文春文庫)

歴史・時代小説 縦横無尽の読みくらべガイド (文春文庫)

  • 作者: 大矢 博子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/10/06
  • メディア: 文庫



著者「あとがき」によると「面白い時代小説を筆の向くまま気の向くままに書いていったら、なんと紹介した作家176人、取り上げた小説480作という数になってしまいました」とある。が、その後、担当編集者が出した正確な数は、「488作」。それにしても、たいへんな数である。そしておまけに、それらを「読みくらべ」て教示できるほどに読み込んでおられる。脱帽である。

評者はこれまで「歴史・時代小説」はまったくといっていいほど読んでこなかった。著者が「もはや宗教に近い」という「司馬御大」司馬遼太郎も、小説らしきものは『空海の風景』(芸術院恩賜賞文芸部門受賞作)だけである。それは著者が本書「巨匠を読む」で紹介している司馬作品のなかに入っていない。

本書は、評者のような「歴史・時代小説」にウトイ者にほど、有用なブックガイドとなりそうである。「縦横無尽」に駄洒落を多用しミーハーっぽく書いてはいるが、読みやすくするために編集者からの要請があってのことらしい。文章のスタイルはどうあれ、「読みくらべ」た中身はなるほどと首肯できるもので、「歴史・時代小説」への案内者として信頼していいように思う。

以下、すこし引用してみる。

「歴史小説を書くにはさまざまな史料を調べることが必要になるが、その過程で、どの史料を取り入れるかは作者の筆ひとつにかかっている。だから『この説をとったということは、あの史料がベースなのだな』という推理が可能なのだ。 / また、以前は定説だったものが、後で新史料が見つかって覆るというケースも多い。これは作家には責任のないところで、致し方ない。  /中略/  史実は、史実だ。だがその史実をどう料理するかは書き手次第なのだと、『城塞』と『鳳凰記』、そして《真田丸》がそれぞれの技を見せてくれているのである。」(時代劇は楽しい! 〈忌みの名は。 対照的な二編の「方広寺鐘銘事件」〉から)

ちなみに本書は、文藝春秋「本のWEB」に連載したものに、「大幅に!加筆・再構成し、新たな項目や作家ガイドも追加して、ほぼ別物にな」っているという。巻末の索引は作品編と作家編に分かれ、作品索引は「長編・短編集」、「シリーズ作品」、「短編」に分かれて充実している。


新徴組 (新潮文庫)

新徴組 (新潮文庫)

  • 作者: 佐藤 賢一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/04/27
  • メディア: 文庫



『地図の進化論: 地理空間情報と人間の未来』 若林 芳樹著 創元社 [社会学]


地図の進化論: 地理空間情報と人間の未来

地図の進化論: 地理空間情報と人間の未来

  • 作者: 若林 芳樹
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2018/01/23
  • メディア: 単行本



『地図の進化論』というので、地図の歴史・変遷をたどる本かと思った。もちろん、そのような内容でもあるのだが、評者なりにタイトルをつけるなら、「デジタル時代の地図とその読み方」となりそうだ。地図学の本で、それなりの専門性と難度はあるが、著者は親切に定義しつつ話を進めていくので、「地図が読めない女」でも読み解くことができると思う。(いま、女性の能力を侮ったわけではなく、本書で興味深く取り上げられ、かつてベストセラーとなった本のタイトルをここで引用したまで、ご容赦されたし)。たとえば、本書タイトル・副題にある『地理空間情報』とは「2007年に成立した地理空間情報活用推進基本法で公式に定められた用語で、空間上の特定の地点または区域の位置を示す情報、およびそれに関連付けられた情報を指す(「序章」)」とある。近年のICT(情報通信技術)の進歩により、GPS(全地球測位システム)衛星からの電波など用いて、目的地まで道順案内することが可能となった。要するにナビゲーションであるが、いかに時代が変わろうと、技術が進歩発達しようと、経路案内、道順案内の出発点は「現在地の確認」である。「ここはどこ」という問いに答えることである。「その問いの答えを導くのが地理空間情報である」と著者はいう。そして、定義に続けて、「本書のねらいは、地理空間情報と人間とを媒介する役目を持つ地図について、その進化の跡をたどり、将来の地理空間情報と人間との関わり合いを展望することにある」と述べる。

本書タイトルに難解さを感じ、「本書のねらい」を読んでピンと来ない方も、目次をみると興味をおぼえるにちがいない。実際の内容は、「言葉と地図」、「地図と文字の関係」を示し、「記号学」や「認知」能力や「思考」の問題などに触れるもので、(文字からなる読み物・書籍とは異なる)「地図」を読むとはいかなる営為であることかが見えてくる本でもある。評者は、デジタル時代の地図の読み方を教授され、新しい世界が拓けていくような思いでいる。

目次は以下のとおり

序章 いまどこ・いまここ・ここはどこ (携帯電話が変えた道案内 / 緯度と経度で手紙を送る / 地図の饒舌さ / 言葉と地図 / 本書の構成)

第1部 地図の今昔 

第1章 地図の起源を訪ねて (古代人も地図を描く / 地図の進化から見えてくるもの / 地図と文字の関係 / デジタル化が変える地図 / 「原寸大地図」のパラドクス)

第2章 地図の万華鏡 (地図界の“カンブリア大爆発” / 紙の地図とデジタル地図 / 一般図と主題図 / 地図の力 / メルカトル図法の復権 / 世界の見方を変える地図)

第3章 地図の読み書き (デジタルでも変わらない地図読みの基本 / 地図の記号学 / 地図でウソをつく方法 / 罪のないウソ / 罪深いウソ / 地図の政治性 / 地図にだまされないために)

第2部 地図をとおして知る世界

第4章 「地図が読めない女」の真相 (地図を回したがるのは女性? / 空間認知に男女差はあるか? / 空間認知の男女差の由来 / 方向オンチは女性に多いか? / 地図が読めれば迷わないか? / 女性のための地図 / 地図表現の先祖返り)

第5章 頭の中にも地図がある (「脳内GPS」の仕組み / 地理的知識と教育 / 手描き地図からみた認知地図の特徴 / 自己中心的世界像の由来 / 歪んだ認知地図 / ルートマップからサーベイマップへ / 広がる認知地図)

第6章 空間的思考と地図 (地図と空間スケール / 地図読解力の個人差 / 地図から得られる空間的知識 / 空間認知から空間思考へ / 地図で鍛える空間的能力)

第3部 地理空間情報と人間

第7章 デジタル化が変えた地図作り (地図作りの第2の黄金時代 / 地図のデジタル化とGISの登場 / 地理空間情報の構造 / GISにできること / みんなで作る地図 / ウェブ2・0時代の地図 / 隠れたバリアを見える化する / 地図のユニバーサルデザイン)

第8章 それでも世界の中心は私 (デジタル化で変わった地図の表現 / 利用者と対話する地図 / カーナビ進化論 / 地図はどのように使われているか? / タクシー運転手はなぜどこへでも行けるのか?)

第9章 デジタル時代の未来予想図 (グーグルマップのリテラシー / インターネットで狭まる視界 / 空間認知の「グーグル効果」 / 「ブラタモリ」がひらいた地図の楽しみ方 / 「ブラタモリ」と空間的思考 / 人工知能に奪われる地図作り / 人工知能は地図を読めるか?)

終章 進化する地図と人間の未来  / あとがき / 文献一覧 / 索引



境界から世界を見る――ボーダースタディーズ入門

境界から世界を見る――ボーダースタディーズ入門

  • 作者: アレクサンダー・C.ディーナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/04/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



はじめて地理学

はじめて地理学

  • 作者: 富田 啓介
  • 出版社/メーカー: ベレ出版
  • 発売日: 2017/11/16
  • メディア: 単行本



日本建築空間史: 中心と奥

日本建築空間史: 中心と奥

  • 作者: 安原 盛彦
  • 出版社/メーカー: 鹿島出版会
  • 発売日: 2015/03/11
  • メディア: 単行本



『あんた、ご飯食うたん? 子どもの心を開く大人の向き合い方』 中本忠子談 カンゼン [教育・学び]


あんた、ご飯食うたん? 子どもの心を開く大人の向き合い方

あんた、ご飯食うたん? 子どもの心を開く大人の向き合い方

  • 作者: 中本忠子
  • 出版社/メーカー: カンゼン
  • 発売日: 2017/12/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



ほんとうに頭が下がる。中本忠子さんは、たいへんな「ばっちゃん」だ。

本書は、ひょんなことから保護司になった「ばっちゃん」のこれまでと今とが記されている。保護司になったいきさつ、本来そうする必要など無い「ご飯」の提供をなぜ始めるようになったか、なぜ40年近く続けることができたか、「ばっちゃん」の子どもたちとその親たちへのまなざし、接し方、つきあい方、その点での試行錯誤・・・。

「ばっちゃん」の話が、そのまま本になっている。その息づかいまでが伝わってくる。目次をみればだいたい中身を推しはかることができるが、その話から予想以上の得がたいものを得ることができる。その体験の濃さは読んでみないとわからない。40年ちかい実践からでる話は、へたな宗教家の話を聞くより、はるかに心に響くものがある。

そもそも、書籍タイトルにある「子ども」の多くは児童図書館に遊びにくるような子どもではない。ネグレクト、薬物依存、アルコール中毒、窃盗癖などで刑務所を往復し、出所すると児童扶養手当をとるために、子どもを引き取り、受け取ったカネをパチンコやアルコールに使って、子どもの世話はしない、そうした親を持つ子どもたちである。「ばっちゃん」はときに、そうした子どももその親も自分の「子ども」のように世話をする。しかし、ただ甘やかしているのとは違う。更生を、「負の連鎖を断ち切るためにできる」ことを期待してそのようにしている。

「大人」(とりわけ保護者、教育に携わる方、ボランティアを望む方など)は、その責任を自覚させられ、また多くの啓発を得ることができる。


*************

以下は、『41 人生寄り道した人ほど、あったかい』から引用

ときどき、いろいろ知識はお持ちのはずなのに、屁理屈ばかり言ってこちらの話が伝わらないという方がいます。そういう方は、子どもたちに対しても、上から目線での話し方をするので気になります。これまでの人生スムーズに来て、あまり苦労していないタイプの方に多いように思うんです。

それに対して、小さいときにやんちゃをして、人にめいわくをかけて、だれかに世話になる形で人に接してきたような人は、会話にも、行動にも、あったかみがあります、人間的に。

警察のお世話になったり、どこかへ行ってしまったり、さんざん心配させられ、やんちゃでほんとうに手を焼いた、という困った子ほど、成長するにつれて優しさを見せてくれる。

私が倒れたときにはおかゆをたいたのを言づけてくれたり、あれこれといろんなお世話をしてくれるのはそういう子たちなんです。

その中の一人は、

「おれ、養老院に勤めるけんね」

と言うので、それは今の職業とは180度違うの、と言うと、

「ばっちゃんの準備せな。そろそろ養老院入るやろ、ばっちゃんのことはおれが見てやるけん」

なんて、そんなことを言ってくれる子もいるんです。

何度も転んだ経験のある人は、あったかい。人に対する真の優しさを持っているように感じています。

苦労をして、失敗して、人生いろいろと寄り道しても、延長戦をしてがんばっている。そんな子たちの人間味といったら、大きいですよ。



『多田富雄 からだの声をきく (STANDARD BOOKS)』 平凡社 [エッセイ]


多田富雄 からだの声をきく (STANDARD BOOKS)

多田富雄 からだの声をきく (STANDARD BOOKS)

  • 作者: 多田 富雄
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2017/12/10
  • メディア: 単行本



STANDARD BOOKSは、「科学と文学の双方を横断する知性を持った科学者・作家を1人1冊で紹介する随筆シリーズ」。これまでも、岡潔、牧野富太郎など発行されてきた。多田富雄は、科学者(免疫学者)であると同時に、「能楽」にたいへん造詣が深かった。それゆえ、STANDARD BOOKSシリーズに、取りあげられるに足る人物である。

多田の刊行物としては、藤原書店から『多田富雄コレクション』(全5巻)が出ているが、本書にはそのエッセンスが収められているといっていいのだろう。評者は、はじめて本書で多田の著作に触れる機会を得たが、大学時代「能楽堂にいりびたり」「ひどく人生に悩んで」「かけもちで一日二ヵ所のお能を見たこともあった」人物、しかも後に「鼓方大蔵流の達人の稽古を受けるようになった」方ならではの、能楽評(舞台、鼓、面など)を知ることができる。本書収録の「能を観る」には、観能に出かけ、客席に座をしめ、シテ方の出を待つあいだから終演に至るまでのことが、たいへん魅力的に記されている。実際、これは見にいかねばなるまい、と思わせるだけの力がある。記す本人が、それだけの魅力を実感していなければ到底書けない文章である。

『能』への多田の関心は、専門の医学や社会事象にも反映されている。「能」が死や「亡心(亡霊)」と深くかかわるように、本来「生」を取りあつかい「死が否定されていた医学生物学の世界」にあって、多田の死への(それはつまり「生」への、と即言いかえることができるが)眼差しは深い。その点、「アポトーシス」に関する論議は興味深い。〈アポトーシスは、外力によって細胞が殺されるのではなくて、細胞が自ら持っている死のプログラムを発動させて死滅していく自壊作用による死である。「自死」というような訳語もしばしば見られる。〉と説明したのち、具体例などあげながら、結びで次のように述べる。〈したがって、細胞の利他的な死があったからといって、集団の中での個人の生死や、組織の中での人間の生き方に安易に投影してはいけない。そこには、もっと上の階層の問題としての哲学的な死の概念があり、それは下の階層である細胞の死と同じ平面では扱えない。(「死は進化する」)〉。そのことは、別のエッセイ(「超システムの生と死」)で、平明にこう論じられる。〈同様に、細胞のアポトーシスに見られたルールを個体の生命にまで広げて、ことに人間社会における適者と不適者の選別に投影するなどというのは、生命の階層性を無視した論理である。会社組織において一握りのエリートは以外は、不況下では脱落してゆけばよいなどという論理は、科学の仮面を被った愚かな俗論である。〉

本書では、多田がスペイン、軍政下のミャンマー、イタリアを訪問したときの経験・考察も記されている。それもまた、興味深い。

(以下目次) 科学者の野狐禅 / 手の中の生と死 / 人間の眼と虫の眼 / 甲虫の多様性、抗体の多様性 / 風邪の引き方講座 // ファジーな自己(行為としての生体) / 超(スーパー)システムの生と死 / 死は進化する // 能を観る / キメラの肖像 / 記憶を持つ身体 / 里のカミがやってくる / 面を打つ / 裏の裏 / 春の鼓 // からだの声をきく / ビルマの鳥の木 / ゲノムの日常 / インコンビニエンス・ストア / 鳴らない楽器 / 日本人とコイアイの間 / 老いの入舞 // オール・ザ・サッドン / 新しい人の目覚め / 理想の死に方 // 生命と科学と美 (理科が嫌いな中学生の君へ) // 著者略歴 / もっと多田富雄を知りたい人のためのブックガイド


『牧野富太郎 なぜ花は匂うか (STANDARD BOOKS)』 平凡社
http://kankyodou.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
牧野富太郎 なぜ花は匂うか (STANDARD BOOKS)

牧野富太郎 なぜ花は匂うか (STANDARD BOOKS)

  • 作者: 牧野 富太郎
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2016/04/11
  • メディア: 単行本



日髙敏隆 ネコの時間 (STANDARD BOOKS)

日髙敏隆 ネコの時間 (STANDARD BOOKS)

  • 作者: 日〓 敏隆
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2017/10/13
  • メディア: 単行本


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『観察の練習』 菅 俊一著 NUMABOOKS [社会学]


観察の練習

観察の練習

  • 作者: 菅 俊一
  • 出版社/メーカー: NUMABOOKS
  • 発売日: 2017/12/05
  • メディア: 単行本



この本で、著者は「自身が日常的に行っている『観察』の例」となる写真(56個)とその解釈・考察を示している。「観察とは、日常にある違和感に、気づくこと。」であると著者はいう。そして、「読者の皆さんも一緒に私が発見した『日常の中の小さな違和感』に気づいてみてください。」と勧めている。

ふつう「観察」というと、“意識的に”ある対象を見つめることが関係しているように思うが、著者にとって「観察とは、『頑張って意識してやる』というものではなく、ごくごく自然な行為」であり、「街を歩いたときに目についたものを写真に撮って、なぜ目についたのか少し考える。この繰り返しを、毎朝歯を磨くように習慣として行っている。〈おわりに〉」という。たしかに、著者のいう「観察」は、ふつうではない。

本書は、著者が違和感をおぼえた対象をとりあえず撮影し、のちにその意味を解釈した事例の集積である。それゆえやはり、ふつうの意味での「観察」とは異なる。しかし、著者は、この「観察」の習慣を高校3年生のころから始めたという。某書籍を読んで、「自分には見えているようで見落としているものがあまりにも多い」ことに気づき、「注意深くみることで何か気づけるのではないかと考え、この本で『観察』と呼んでいることを始めることにした」のだという。それから20年ちかく経過して(著者は1980年生まれ)、普通であるならば意識的に行うものである観察を「自然な行為」として行えるようになるほど訓練習熟した結果が本書ということであろう。その点で、たいへん手間暇年季の入っている本といえる。

写真とともに著者の解釈が出ているが、その点で注意書きがある。「本書に書かれている考察は、著者がその場の状況から推測した仮説です。実際にはまったく異なる理由で存在している場合があります。あくまで、遭遇した状況から一つの解釈を導くまでのプロセスをお楽しみください」とある。記すまでもないことであるように思うが、読者は撮影された写真(また、著者の「観察」)に違和感を覚え、それを観察・考察することができる。さらに、その観察した内容を観察・考察しなおすこともできる。それは、けっこうな訓練、『観察の練習』となるにちがいない。

凝りに凝った本である。文庫サイズ・ハードカバーの写真集で、目次ページの色刷り、多様な印字の種類・・、これでは値段も高くなろうというものである。それでも、「世界に溢れている面白さに気づいて」「前よりも少しだけ、生きることが楽しくな」り、「誰も見えていなかったことに気づ」いて、創造的なアイデアを身近なところから生み出せるようになるなら、それはそれは安い買いものと言えなくもない。


サウンド・エデュケーション 〈新版〉

サウンド・エデュケーション 〈新版〉

  • 作者: R・マリー・シェーファー
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2009/06/19
  • メディア: 単行本



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