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『今さら聞けないPDF入門』 桑名由美著 秀和システム [ビジネス書]


はじめての今さら聞けないPDF入門 (BASIC MASTER SERIES)

はじめての今さら聞けないPDF入門 (BASIC MASTER SERIES)

  • 作者: 桑名由美
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: 単行本



たいへん分かりやすく親切なつくりの本だ。ざーっと読み進めていくことができる。まったく知識がない者にも分かるよう手助けできるのは、秀和システムBASIC MASTER SERIESで、多くのタイトルを手がけている著者ならでは、なのかもしれない。読書のつまずきやすいところ、疑問に思うところをよく知っているということなのだろう。多色刷りで、イラストも多く、実際のパソコンディスプレーを順次しめしてくれるのも助かる。

以下、目次から

第1章 そもそも、PDFってどんなもの?

1 「PDFにして送って」みたいに言われるけど、そもそもPDFってどんなもの?(PDFとは)

2 WordやExcelの資料を「PDFにする」って、つまりどうするの?(PDF形式での保存)

3 PDFにしなくても、元のファイルのままで見れば別にいいんじゃない?(PDFと他形式ファイルの違い)

4 元になるパソコン用のファイルがないと、PDFは作れないの?(PDFの作り方)

5 紙の文書のままでも持ち歩けるし、PDFにする必要ないよね?(紙の文書をPDFにするメリット)

6 PDFのためにスキャナーや新しいソフトを買いたくないんだけど・・(PDFを使うのにかかるお金)

7 「フリーソフト」でPDFを使えるらしいけど、フリーソフトって何?(フリーソフトとは)

8 大事な文書はPDFで送った方が安全と聞いたけど、何で?(PDFの安全性)

9 仕事以外にも色々便利と聞いたけど、具体的に何が?(PDFの利用シーン)

10スマホでもPDFを見たり作ったりできるってほんと?(スマホやタブレットでのPDF利用)

11スマホでPDFを使う場合は、スマホ用のPDFを作るの?(端末によってPDFの形式は違うのか)

第2章 PDFを使うとき、これを知っていれば困らない

12 PDFを使うためのソフトは、「閲覧用」「作成用」の2種類ある(閲覧用ソフトと作成用ソフト)

13 コメントやマーカーを入れたり、文字や線を手書きしたりできる(注釈や線などの書きこみ)

14 パソコンからメールで送っておかなくても、外出先でスマホからPDFを見られる(クラウドサービスとは)

15 タブレットで、大量のパンフレットやプレゼン資料も常に持ち歩ける(タブレットでのPDF利用)

16 PDFファイルの中にある、任意の語句を検索することができる(文字検索機能と透明テキスト)

17 紙の本をスキャンしてPDFにし、電子書籍として読める(自炊とは)

18 WordとExcelの文書や画像などを、まとめて一つのPDFファイルにできる(異なる形式の複数のファイルを統合)

19 名刺や新聞の切り抜きなど、細切れの紙を1枚のPDFにできる(小さな紙のPDF化)

20 PDFのファイルはインターネットで公開することもできる(ホームページにあるPDF)

21 プリンターのスキャン機能やスマホ、コンビニでも紙をPDFにできる(スキャナー以外のPDF作成方法)

22 プリンターやスマホより、やはりスキャナーがあった方が便利(スキャナーのメリット)

23 Wordなら、PDFを開いて編集もできる(WordでのPDFファイル編集)

第3章 PDFでよく使う、基本的な作業のやり方をおさえよう
24~42省略
第4章 無料ソフトやオンラインサービスでPDFを作成・編集してみよう
43~54省略
第5章 「困った!」「こんなときはどうするの?」PDFのQ&A
55~64省略


はじめてのメルカリの使い方[第2版] (BASIC MASTER SERIES)

はじめてのメルカリの使い方[第2版] (BASIC MASTER SERIES)

  • 作者: 桑名 由美
  • 出版社/メーカー: 秀和システム
  • 発売日: 2017/09/18
  • メディア: 単行本




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『AMAZON 密林の時間』 山口大志撮影による写真集 クレヴィス [生物学]


AMAZON 密林の時間

AMAZON 密林の時間

  • 作者: 山口 大志
  • 出版社/メーカー: クレヴィス
  • 発売日: 2017/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



動植物、昆虫の写真が豊富に収められている。動物園や公園で撮影したわけではない。「河口の町ブラジルのベレンから、ペルーのイキトスまで、およそ3500kmもの間、見えるものは川と森と空だけ」の世界から、辛抱づよく切り取ってきた写真の数々である。

作者は次のように書いている。「飛行機から見たアマゾンのジャングルは本当にぞっとする。見渡す限り地平線の向こうまで緑の木々に埋め尽くされているのだ。その中から生き物を観察し、カメラのフレームに収めるのは容易ではない。そこに目的の動物がいたと聞いても、ほとんどは遠くにいて豆粒くらいにしか見えない。これまでの旅の経験から自分の思い描いた写真は、アマゾンではひと月の滞在で1、2枚くらいしか撮れないと考えるようになった。よって2,3ヶ月、長いときは半年の渡航スケジュールを立てた。友人からは驚くほどの非効率な撮影といつも笑われたものだ。」

また、非効率なだけではない。危険も撮影と背中合わせにあったことを、同じく後記(「アマゾンに魅せられて」)で作者は記している。「水草の生い茂る美しい小川で水中撮影に夢中になりワニに遭遇」して「肝を潰した」こともあるという。さらには、現地の人が「長さ10メートル、胴体はこれくらい(扇風機ほど)太いぞ」というアナコンダのいる地域で、そして、さらには人為的な危険(「政情と治安の悪さ」)の中で撮影はなされた。

写真集は一般に価額が高い。本書は、写真集にしては、たいへん廉価である。ハードカバーであれば5000円は優に超えるだろう。ソフトカバーにしても、たいへん安いと思う。多くの人が入手しやすい価格で提供してくれているのだろうと思う。また、実際に手に取って見てもらいたい本だ。

「大アマゾン(驚異に満ちた生態系)」と題した湯本貴和京都大霊長類研究所所長の解説は、以下の見出しで展開する。アマゾンとは / 世界最大の熱帯雨林 / 川の森・アマゾン / 熱帯林の不思議な生きものたち / アマゾンの里山 。全体に短いものではあるが、写真集の目次に沿うようにして記される魅力的な内容だ。

アマゾンと聞くと、まず作家にして冒険家・釣り人でもあった開高健の著作アマゾン川・釣り紀行『オーパ!』を思い出すが、当該写真集もそれに肩を並べる魅力的な写真集であるように思う。

目次は、1/熱帯雨林の恵み 2/ 川に生きる(豊饒の大河) 3/ シロウアカリの森で(アマゾンの里山) 4/ 塩場に集まる動物たち 5/ 雲霧林に息づく生命 // 大アマゾン(驚異に満ちた生態系) / 湯本貴和 // アマゾンに魅せられて / 山口大志 本書関連地図


オーパ! (集英社文庫 122-A)

オーパ! (集英社文庫 122-A)

  • 作者: 開高 健
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1981/03/20
  • メディア: 文庫




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カマドウマとハリガネムシと渓流魚と腐生植物(『したたかな寄生』 成田 聡子著 から) [生物学]


したたかな寄生 脳と体を乗っ取る恐ろしくも美しい生き様 (幻冬舎新書)

したたかな寄生 脳と体を乗っ取る恐ろしくも美しい生き様 (幻冬舎新書)

  • 作者: 成田 聡子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/09/28
  • メディア: 新書



上記書籍(『したたかな寄生』)のなかで、とりわけ面白く感じたのは、ハリガネムシに関する記述だ。

ハリガネムシが、カマドウマに寄生して入水自殺させるのだという。

カマドウマは、別名「便所コオロギ」と言われる。バッタのように跳ねる長い足をもち、コオロギよりずっと柔らかく、ちょっとさわるとツブレル。

最近、タレントのふかわりょう氏が、コオロギはさわれても、カマドウマは・・・と、「きらクラ!」というNHK-FMの音楽番組で話していたと思う。虫の苦手な面々には、たいへん抵抗のある虫だ。

ところが、そのカマドウマが、われわれの食と深く関係していることが、『したたかな寄生』に示されている。

なんとその(実験の)結果、川の渓流魚が得る総エネルギー量の60パーセント程度が、寄生され川に飛び込んでいたカマドウマであることがわかったのです。実際にカマドウマが水に飛び込むのは1年のうちで3ヶ月ですが、その時期に渓流魚が得る総エネルギー量の9割以上がカマドウマとなります。そしてその3ヶ月間というのは渓流魚が1年のうちで一番たくさんエネルギーを得られる時期で、冬に比べると100倍にもなります。それを踏まえて計算した結果、年間の60パーセントのエネルギーがカマドウマ由来ということがわかったのです。(「ハリガネムシがつなぐ森と川」p70、71)

さわるのもたいへん抵抗のある虫が、イワナなどの餌になって、それを「美味い」などと言って食していたことになる。

もしかすると、直接たべても美味いのかもしれない。

昆虫食古今東西

昆虫食古今東西

  • 作者: 三橋 淳
  • 出版社/メーカー: オーム社
  • 発売日: 2012/07/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



そういえば、カマドウマについて、最近、ニュースがあった。

暗い森、ひそかな種まき=寄生植物、カマドウマと共生-神戸大
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017112700123&g=soc

光合成をやめた寄生植物:腐生植物とカマドウマが共生関係にあることがそこには示されている。

世界はさまざまな共生関係にある。その関係は驚嘆すべきものだ。


森を食べる植物――腐生植物の知られざる世界

森を食べる植物――腐生植物の知られざる世界

  • 作者: 塚谷 裕一
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/05/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



余談だが・・・

著者は「あとがき」で、「私たちホモサピエンスは地球のすべての大陸に生息し、・・・略・・・私たちは疑いようもなく現在地球上で最も繁栄している生物種といえます。」と、述べ、次のように続ける。

西暦元年には3億人、その1000年後には3億1000万人になっていました。西暦1000年というと、日本では平安時代です。その頃には、世界全体で人類は3億1000万人、日本全体では600万人程度の人口でした。つまり、平安時代には日本全体で現在の東京都の人口の半分しか存在していなかったのです。 / かつて、1000年間かかって世界全体で1000万人しか増加しなかった人口は、次の1000年ちょっと(西暦1000年~2017年現在まで)で70億人増加し、2017年現在の世界人口は73億人となっています。つまり、現在の人口増加はかつての1000年間での人口増加の700倍でおこなわれており、この瞬間にも1日で20万人もの人間が増え続けています。

その繁栄ゆえにも、他の生物種への影響力甚大な、知性をもつ生物種である人類は、地球上に共生する他の(いまだ知られていないものも含め)生物種すべてに対して責任を負っているのではないか、と思ったしだいである。


IUCN レッドリスト 世界の絶滅危惧生物図鑑

IUCN レッドリスト 世界の絶滅危惧生物図鑑

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 丸善出版
  • 発売日: 2014/01/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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『したたかな寄生  脳と体を乗っ取る恐ろしくも美しい生き様』 成田 聡子著 幻冬舎新書 [生物学]


したたかな寄生 脳と体を乗っ取る恐ろしくも美しい生き様 (幻冬舎新書)

したたかな寄生 脳と体を乗っ取る恐ろしくも美しい生き様 (幻冬舎新書)

  • 作者: 成田 聡子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/09/28
  • メディア: 新書



寄生に関する本。副題にあるとおり、宿主に寄生して、宿主を乗っ取る事例が豊富に出ている。

『はじめに』で著者のいうには、生物学では、寄生も共生の一つ。「生物種同士が助け合う関係も、害を与える関係も、何の影響もない関係もすべて『共生』」で、「異種の生物同士が同所的に存在することを」「共生」と呼ぶのだそうだ。

そして、「本書では、それらの共生関係の中でも、小さく弱そうに見える寄生者たちが自分の何倍から何千倍も大きな体を持つ宿主の脳も体も乗っ取り、自己の都合の良いように巧みに操る、恐ろしくも美しい生き様を紹介し」ている。

ひとつひとつの事例を見ていくと、寄生するモノらの生存戦略に驚くと共に、トンデモナイ悪であるように思いもするが、なんのことはない、地球に「共生」する生物のなかで、いちばん影響力を示しトンデモナイ悪を成しているのは、ほかならぬ人間ではないか・・。他の生物種を、「自己の都合の良いように」利用し、あるいは無視し、どんどん絶滅のレッドゾーンへと追い込んでいるのも人間ではないか・・・。

そう思えてくるのは、著者の視点が、地球を俯瞰する高みにあるからである。と、同時に、それらの生物たちとおなじ生き物としての自覚をつよく持っているからである。そして、それが、本書の内容の恐さとはうらはらに、たいへん爽やかな印象を与えるものとなっている。

居間で、ホーっとため息をつきつつ、スゴイねーとうなりつつ本書を読んだ。そして、読んだ内容を、家人に話し聞かせ迷惑がられた。思わず話したくなる内容なのだから仕方ない。それでも、内容を話し聞かせると家人もホー、スゴイねーと興味を示した。子どもででもあれば、なおさらだろう。

生物の世界の驚異を家族で実感できる、たいへん良い本であるように思う。

以下、目次

はじめに
1  自然界に存在するさまざまな共生・寄生関係
2  ゴキブリを奴隷化する恐ろしいエメラルドゴキブリバチ
3  体を食い破られても護衛するイモムシ
4  テントウムシをゾンビボディーガードにする寄生バチ
5  入水自殺するカマキリ
6  アリを操りゾンビ行進をさせるキノコ
7  ウシさん、私を食べて!と懇願するアリ
8  あなたがいないと生きられないの!蜜依存にさせるアカシアの木
9  カニの心と体を完全に乗っ取るフクロムシ
10 寄生した魚に自殺的行動をさせる
11 エビに群れを作るように操るサナダムシ
12 脚が増えるカエル
13 巣を乗っ取り、騙して奴隷としてこき使う寄生者たち
14 自分の子を赤の他人に育てさせるカッコウの騙しのテクニック
15 怒りと暴力性を生み出す寄生者
16 操られ病原体を広めていく虫たち
17 幼虫をドロドロに溶かすウイルスの戦略
18 私たちの腸内の寄生者たち
19 私たちの脳を乗っ取る寄生虫
おわりに 参考文献 


海の寄生・共生生物図鑑: 海を支える小さなモンスター

海の寄生・共生生物図鑑: 海を支える小さなモンスター

  • 作者: 星野 修
  • 出版社/メーカー: 築地書館
  • 発売日: 2016/07/20
  • メディア: 単行本




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目次 『正しい本の読み方』 橋爪大三郎著 講談社現代新書 [読書法・術]


正しい本の読み方 (講談社現代新書)

正しい本の読み方 (講談社現代新書)

  • 作者: 橋爪 大三郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/20
  • メディア: 新書



橋爪大三郎氏の著書をはじめて読んだ。氏のことは、氏の師との関係で認知してきた。小室直樹氏のゼミに出席していたという。ゼミの最中マンションの窓から放尿した師のことを、「こんな小室先生は嫌いだ」と言って立ち去ったと聞く。また、師の死に際して、ノーベル社会学賞とか法学賞とかがあったなら複数貰ってもおかしくない、と言ったのを聞いた。いずれにしろ、たいへんノーマルな学者先生なのだと思う。思うだけなので、本当のところは知らない。もしかすると、師いじょうにイジョーなところもあるのかもしれない。こちらはヘンジン大好きなので、その辺はいっこうに構わない。かっこよく言うと、多様性を受け入れる用意がある。それでも、勧められている「本の読み方」に、イジョーなところはない。たいへんノーマルである。では、ツマラナイかというと、そんなことはない。語り口は、たいへんやさしいが、内容は深い。(以下、目次)


はじめに
この本を手にとったあなたへ / 本を読むということ / 他人に関心を持つ / 読み、書く技術 / 自由に生きていくために / 前例のない出来事を考える / 知そのものが、目的になる

基礎編

第1章 なぜ本を読むのか
学ぶとは、生きること / 偶然は、自分の一部なのか / ジョンはジョンと呼ばれる / 人間はいつもできかけ / できかけで、完成形 / 人生のクオリティを高める / パターンから学ぶ / 不自由をつき詰める / 本を読まない人生 / なぜこだわるのか

第2章 どんな本を選べばよいのか
最初に読む本 / 教科書 / 学校のきまり / 理解してくれる誰か / 物語と参考書 / 大人との接点 / 教科書がなくなる / 本のネットワーク / 本から本ができる / 読むべき本 / 中学の幾何 / 幾何こそが学問のモデル / あまのじゃくを忘れない / クラシックスを読む / 入門書はすごい / においと評判 / 私の読書体験 / 自分なりの旅が始まる / 読むべき本のヒント / よい友人を見つける / 読書会があった / 読書会のマナー / ベストセラーは買いか

第3章 どのように本を読めばよいのか
すなおに読む / 感情と予断 / 読むとは、デッサンのようなもの / テキストの構造 / 書いてないこと / 論理・定義・前提 / テーゼと独断 / 導出と矛盾 / 頭のなかにファイルを作る / 著者の対話 / 著者のケンカ / 脳はそうできている / 主人公が頭のなかに住む / 人間的能力を高める / 夢と似ている / アクションを交える / カードは無駄 / 実例でみる / むずかしい本 / 実際に読んでみる / 本を読むポイント / 評論集は役に立つのか / 一日1ページでいい / 解釈の分岐 / 立場の違い

応用編

第4章 本から何を学べばよいのか
『理科系の作文技術』 / トピック・センテンス・メソッド / あるまじき行数調整 / 文章のプロになる / 本から、何を学ぶか / 思想には「構造」がある / 書評について / 著者の「意図」 / 思想の「背景」 / 『資本論』の読み方 / リカードとの対抗関係 / マルクスの一貫性 / 搾取と革命 / ヘーゲルの弁証法 / 弁証法の背景 / 歴史法則 / レヴィ=ストロースの構造 / ソシュールの発見 / 人間であることの証明 / 近代主義者と距離を取る / 構造主義と数学 / 視点の移動 / 局所 / 全域 / 作業は終わらない / ささくれと引っかかり / フーコーの誤訳 / 伝記を読む / 大著者100人 / ファッションに似ている? / 大著者の世界 / カントとヘーゲル / 宮台真司と東浩紀 / 大著者が行方不明

〈特別附録〉 必ず読むべき「大著者100人」リスト

第5章 どのように覚えればよいのか
本は覚えなくていいためにある / 本は、読むためにある / 表層と中身 / 本そのものが記憶 / 頭を大事に使う / 記憶ばかりの教育 / 記憶VS.思考 / 記憶の法則 / 正しい試験勉強 / 頭のなかの本棚 / 本のコーディネイト / とっておきの世界 / 複数の人間で読む / ゼミの効用 / レジュメのルール / 読書会のメリット

第6章 本はなんの役に立つか
ぶつ切りのカリキュラム / どこでつまずくか / つまずく子は見込みがある / 愚かな漢字教育 / 漢字はなるべく低学年に / 暗記を重視 / ぶ厚い教科書 / 文学は何の役に立つ? / 実生活を深める / 実生活を超える / 歴史は何の役に立つ? / 数学は何の役に立つ? / 自然科学は何の役に立つ? / 法律は何の役に立つ? / 哲学・思想は何の役に立つ? / 教養と意思決定 / 教養と人生

実践編

第7章 どのようにものごとを考えればよいのか
本を役立てる / 本は補助線 / 前提を明らかにする / 自分の前提はなにか / 理性と価値 / 価値と知恵 / 前提は見つけたもの勝ち / 前提が見つかる / 大事なことには根拠がない / エゴイストのAさん / 価値はネットワーク / モーセの十戒 / 将来世代への責任 / 選挙の仕組み / 非合理な選択肢 / 投票の逆理 / 世界の主人公になる

終章 情報が溢れる現代で、学ぶとはどういうことか
自分中心の世界 / 情報から価値を学ぶことはできない / ネットの中に未来はない / 情報よりも本 / プロが書く本 / 頭を公共のために使う

おわりに


秋の叙勲に思う:橋爪大三郎さんの言葉とからめて
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2010-11-02


日本教の社会学

日本教の社会学

  • 作者: 小室 直樹
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2016/11/25
  • メディア: 単行本




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『正しい本の読み方』 橋爪 大三郎著 講談社現代新書 [読書法・術]


正しい本の読み方 (講談社現代新書)

正しい本の読み方 (講談社現代新書)

  • 作者: 橋爪 大三郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/20
  • メディア: 新書



本の読み方の本。読書法・読書術と称する本が数多く出版されているなかで、著者が自分の著作を差別化してタイトル冒頭に付した言葉は「正しい」である。他の著作は「正しくない」と暗に言いたいようでもある。

そのことだけを見ると、上から目線で訓示を垂れるかの印象があるが、「あとがき」を見ると、編集長から勧められての執筆であるという。そして、執筆に際し念頭に置いたのは「その昔の教養主義とはひと味もふた味も違った、いまの時代の『正しい本の読み方』を、提示」することだそうである。他の著述・著者との関係で「正しい」ということではないようである。

著者は東大出の社会学者で東工大名誉教授である。お堅い文章を予想したが、です・ます調の話しかけるような、饒舌といってもいいスタイルで、内容そのものも軽いものであるように錯覚するものだった。

ところが著者は、読書の主体である人間にとって「学ぶこと」の意味から話を始める。人間は、死ぬまで完成しない成長過程にある器であり、その器に「読む」ことを通して、中身を充填完成させていく。その中身の選択が個性であり、あなたをかたち作るという話し向きである。

たいへん迂遠に思えもするが、著者は漸進的に着々と堅固に話しを構築していく。書籍の選択については、われわれが読者として主体的に本を選択する以前に親や制度から与えられた本(絵本、教科書)のことから話をはじめる。実際の読み方については、まず「すなおに読む」ことから、はじめる。語り口は軽いが、どんどん深いところへ進んでいく。著者の思想の構造・背景・意図を汲むことができて、はじめて読んだといえる、というような話にまで立ちいたる。その実例として、マルクスの『資本論」、レヴィ・ストロースの『親族の基本構造』が取り上げられる。たいへん高度な内容について、無理なくついていける説明がなされる。

ほかにも、著者が「オーバードクターのあいだ」「40歳ぐらいまで。下は小学校3年生から、大学受験まで」「のべ100人以上」家庭教師で教えた経験から、日本の学校教育のカリキュラムについて、「つまずく子は見込みがある」こと、「愚かな漢字教育」についてなど語っている。話題は豊富である。

いろいろ評者なりに読書法・術の本を読んできたが、正道をいく「本の読み方」として第一に推していいように思う。


理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

  • 作者: 木下 是雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1981/09/22
  • メディア: 新書




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『膨大な仕事を一瞬でさばく 瞬間集中脳』 茂木健一郎著 すばる舎 [ビジネス書]


膨大な仕事を一瞬でさばく 瞬間集中脳

膨大な仕事を一瞬でさばく 瞬間集中脳

  • 作者: 茂木 健一郎
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2017/09/20
  • メディア: 単行本



内容を、評者なりに要約するなら、「人間の脳は気が散るようにできている。自分の実力に見合った(もしくはちょっと上の)レベルの仕事を多めに抱え、タイムリミットを設け、ちいさな達成ごとに脳に報酬を与えつつ、気の散るままに新たな課題に移り、また元の課題に戻ることをしているうちに、結果として「膨大な仕事」をさばくことができている」とまとめることができそうだ。タイトルにある「一瞬」というのは、膨大な仕事の一端を片付けるための時間の比喩であり、そのために活用するスキマ時間を指していると言っていいように思う。

茂木先生の既刊書籍とダブル内容で、読むまでもないのではと疑いつつ読み始めたが、アキルことなく3時間ほどで全体を通読できた。よしやってみようという意欲を起こさせる本だ。実践してみたい。

(以下、目次)

第1章 たった一瞬の集中が大きな結果を生む(最速で最大のパフォーマンスを発揮する)

01 長時間、一つのことに集中する必要はない
「集中力がない」は迷信だった / 誤解1:生まれ持った才能がなければ集中できない / 誤解2:集中は長時間続かないと意味がない / 誤解3:集中するには、やる気や環境が必要

02 気が散る人、飽きっぽい人こそ瞬間集中に向いている
興味の対象が変わることは、悪いことではない / 瞬間集中するから、長期の目標も達成できる / 集中の対象が幅広い人ほど、イノベーションを生み出せる

03 瞬間集中で脳がフル回転する
“すぐやるトレーニング”で、「フロー」を呼び覚ます / 瞬間集中を左右する「促進要因」と「阻害要因」

04 やるべきことが最速で片づく
脳が喜びを感じれば、生産性がアップする / 「やらされ集中」は時間のムダ

05 瞬間集中で時間の浪費がなくなる
超一流がやっている「ノー残業スタイル」とは? / 1分、1秒もムダなく活用する

06 「瞬間集中脳」とは、何かに夢中になる脳
「好き」を極めた瞬間集中のプロ / 小さな目標でも喜びは見いだせる / 「集中の型」はもう身についている

第2章 「瞬間集中」を生み出す6つのコツ(脳を「脱抑制」して、思い込みから解放されよう)

07 トップスピードで脳を稼動させよ
脳はロケットスタートを嫌がらない / 開始後1秒でエンジンをかける / 脳にブレーキをかけてはいけない / 段取りから解放されることが、瞬間集中の第一歩

08 1%に集中し、99%は捨てる
集中とは脳の「断舎離」である / 1秒ごとに「今はこれだけ」と絞り込む

09 すきま時間にも脳を熱狂させる
人間の脳はやっぱり飽きっぽい / 「偶有性」で脳を瞬時に引き込む

10 脳はノイズが大好物
「静かな場所でないと集中できない」はウソ / 適度なノイズが前頭葉を鍛える / 脳が喜ぶノイズとは

11 To Doリスト は手帳やメモに書かない
手帳やメモでは変化のスピードに対応できない / やるべきことを脳内で泳がせる / 目の前のこと以外は忘れていい / やりたいことは常に「オーバーフロー」に

12 「1万時間の法則」で脳に記憶させる
最初は1日1分からでいい / 「教師あり学習」で瞬間集中を脳にすり込む

第3章 「瞬間集中力」が高まる5つの技術

13 仕事は中途半端にやり残す
「やり残し」は脳にとってご褒美になる / 「やらなきゃ」と焦るくらい遊んでいい

14 脳を「上司脳」にモードチェンジ
脳は他人に命令されるのが大キライ / 「他人ごと」では、集中も学習もできない / デッドラインは少し早めがカギ / 社員の「上司脳」で成功した星野リゾート

15 瞬時にフローに入る秘訣
高い要求水準が瞬間集中を加速させる / 「課題=スキル」の一致で集中に入りやすくなる / 一人で仕事を抱え込むことほど、効率の悪いことはない / 西野亮廣さんから学ぶ“チームの仕事術”

16 仕事も勉強も「ゲーム化」する
「超なるはや締め切り」で脳にご褒美をあげる / 常に「自己ベストの更新」を目指そう

17 ムダな雑談ほど脳が刺激される
雑談は最も身近なフロー体験 / 人工知能にはできない「おもしろい雑談」が集中力を磨く

第4章 集中力を復元する4つの方法(脳の「切り替えスイッチ」を自由自在に操る)

18 細切れの集中だから、一瞬で復元できる
現代人は「集中の復元」を学ぶ機会がない / “復元・統合”の繰り返しが生産性を上げる / 興味の幅を広げれば、創造性も高まる

19 切り替えの時間はたったの1秒
脳には「切り替えスイッチ」がある / 「自分の机で弁当」がダメな理由 / 「イン」も「アウト」も一瞬で切り替える

20 「ガス抜き」は脳のマッサージ効果がある
愚痴を言うだけでも、脳はリフレッシュされる / “意識高い系”が凝り固まってしまうワケ / 「ダラダラ時間」が集中力を復元する

21 時には自分へのダメ出しも必要
自分を客観視できると、集中の質が高くなる / 「自分との対話」で判断力が磨かれる / “ちゃぶ台返し”で阻害要因を取り除く / やるべきことだけに集中するのが得策の場合も

第5章 今を楽しむための「瞬間集中」(他人に支配されず、自分の時間を生きる)

22 夢も目標も「瞬間集中」で叶う
「やりたいこと」は無限にあっていい / 無限に「やりたいこと」が脳に良い圧力をかける

23 成功している人は「隠れ集中」が得意
仕事とは“イースターエッグ”である / 「隠れ集中」で結果も評価も手に入れる

24 「瞬間集中」で毎日は楽しくなる
仕事の不平不満は脳内整理で片づく / 「瞬間集中」を手段にしてはいけない

25 「おもしろさの閾値」を見つけ出そう
ある境界を超えると、一気にハマる / 「深堀り」でどんなこともおもしろくなる

26 「瞬間集中」で人生はもっともっと輝く
指示待ち人間を脱して、「ラストマン」となれ / 「自己プロデュース力」があなたの人生を決める / 人生とは「瞬間的な選択」の連続



物語と人間の科学

物語と人間の科学

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1993/07/15
  • メディア: 単行本




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『日本の英語、英文学』 外山 滋比古著 研究社 [日本語・国語学]


日本の英語、英文学

日本の英語、英文学

  • 作者: 外山 滋比古
  • 出版社/メーカー: 研究社
  • 発売日: 2017/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



「教養英語」より「実用英語」が重視され、大学から「英文科」が消えているという。ながらく英語教育に携わってきた著者は、英語・英文学の危機に立ち上がる。執筆の動機を次のように記す。「何としても、英語、英文学の伝統を消したくないが、できることは限られている。個人としてできることは、これまでの百年に、英語、英文学がなしとげたことをふり返ってみることであると考えるようになって、この本を書くことにした。(〈あとがきにかえて〉新生へ向けての回想)」

そして、さらに昨今「広く知的文化をおびやかすもの」となっている人工知能という強敵にも立ち向かう。「新しい英語、英文学は、案外、人工知能に対してつよいかもしれないということを証明すれば、語学は新しい時代の先頭に立つことができる」「新しい、おもしろい、創造的思考力を育むには、やはり、外国語の学習が、大きな力をもつのではないか。こういうことを本気で考えている。(〈あとがきにかえて〉新生へ向けての回想)」

当該書籍のなかで、著者は、外国語学習が「人工知能に対してつよい」ことを証明してみせた(と言っていいように思う)。また、英文科のないイギリスに渡って先進的な「文学論」を記した夏目漱石をはじめ、英語・英文学教育の歴史のなかで記憶に留めるべき名をおおく示している。南日恒太郎、小野圭次郎、山崎貞、I・A・リチャーズ、ウィリアム・エンプソン、福原麟太郎、山路太郎、岩崎宗治、ラフカディオ・ハーン、エドマンド・ブランデン、岡倉由三郎、岩崎民平、木原研三、石橋幸太郎、大塚高信、安井稔、荒木一雄、冨原芳明といった名である。さらに、その中には、「百年の歴史を誇り、日本でもっとも創刊の早かった雑誌の三つのうちの一つと言われた『英語青年』」の編集を担った著者の名:外山滋比古も含めることができるにちがいない。

(以下、引用)

*************

実用英語が教養英語を攻撃するとき、まず英文法が槍玉に上がったこともあって、日本の文法は力を失った。しかし、それとともに、英語好きも減ったことに気づく人はすくなかった。



実用英語によって、文法教育の影がうすくなるとともに、英語に対する知的興味も下がったことは重大である。学校文法は間接的ながら、日本人の思考力を支えるものであったからである。この文法のもつ思考への影響力については、ドイツ語のほうが英語を上回っていた。ドイツ語を専攻した人たちは、一生、その名残をとどめることが多かった。

いずれにしても、学校文法は、それが学んだ人間の思考力を色濃く染めるということを、外国語教育にかかわるものは考えなくてはならない。

イギリスから伝えられた英文法はたいへんよく出来ていた。イギリスが植民地をひらき、そこをみな英語圏にしてしまったのは目ざましいことであったが、原動力のひとつに“英文法”があったことを認める人はすくない。
p50.51「文法」

*******

英文解釈法は、ただ、英語の参考書であっただけでなく、日本人の思考形成に深い影響を及ぼしている。そのことを知らない人がすくなくない。

「・・のみならず、・・もまた」「あまりにも・・で、・・ない」「・・にはあまりにも・・である」などという日常の言い回しは、英文解釈が教えたものである。その影響は思いのほか大きい。

p60「英文解釈」

*********

NI(Natural Intelligence「自然知能」の略、AI Artificial Intelligence「人工知能」に対する語)、自然知能を考えれば、外国語学習はまったく新しい可能性をおびることができるようになる。NIの不備を補完することである。頭のはたらきをよくする、ことばの学習である。

外国語によるNIの強化、伸長ということを中心に考えれば、会話ができる、手紙が書ける外国語力など問題にならない。母国語だけでは伸ばすことのできない能力を掘りおこし、知能を新しく伸ばす語学は、人間を変えることができる。

まず“解釈力”である。外国語を学ぶことで、解釈力が養われる。母国語では、わからないことがすくない。疑問をいだくことがすくない。解釈を必要とすることも、外国語に比べてはるかにすくない。

外国語を学ぶことで、解釈力は大きく伸びる。

解釈は複数の意味をもっていることに基づいている。意味はひとつ、という考えの母国語では深い思考活動が困難であるのは、すでに明らかになりつつある。

外国語教育における第一の問題は、この解釈力である。これをNIのなかへ入れている人と、そうでない人との頭のはたらきがまるで違うようである。

解釈力についで、外国語の習得によって得られるのが、“思考力”である。母国語は記憶力中心であるのに対して、解釈を要する外国語は思考によるところが多く、思考力を高める。

まったく外国語を知らない人は、思考に弱いことが多い。即物的思考はともかく、想像的思考は外国語によって強化されることが多い、と想像される。

思考力は数学などによって養われるというのは誤解である。案外、外国語能力によってすばらしい思考力がつく。

(2段落・省略)

そう言えば、寺田寅彦は生涯、つぎつぎいろいろな外国語を勉強していたことが知られている。もちろん実用が目的ではない。外国語の文法を学ぶことで思考力を磨いていたらしい。

つまり、外国語学習は母国語だけのNIの欠点を補うことができる、ということであり、知的活動の原動力になることができる。役に立たないどころか、たいへん有用であることがわかる。

外国語を学べば、もって生まれた(natural)言語能力を高めるだけではない。生まれつきの知能を伸ばすことができる。それとともに思考力全体が高められ、頭がよくなるのである。語学は“役に立つ”のである。

p141-144「知識・思考・創造」

************

「ε-δは苦にならなかった。トゥキュディデスの複文をほぐす作業に比べればおちゃのこさいさいだったのだ」
http://kankyodou.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30-1


自分の頭で考える (中公文庫)

自分の頭で考える (中公文庫)

  • 作者: 外山 滋比古
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/02/23
  • メディア: 文庫




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『スキルアップ! 情報検索: 基本と実践』 中島玲子・安形輝・宮田洋輔著 日外アソシエーツ [読書法・術]


スキルアップ! 情報検索: 基本と実践

スキルアップ! 情報検索: 基本と実践

  • 作者: 中島 玲子
  • 出版社/メーカー: 日外アソシエーツ
  • 発売日: 2017/09/22
  • メディア: 単行本



情報検索・初心者向け。当該書籍をとおしてAND検索を論理積、OR検索を論理和、NOT検索を論理差と呼ぶことを知った。「知ってるつもり」を詳しく、知りたいことをやさしく、知らないことをたくさん教えてもらえる。「裏ワザ」情報もありがたい。

以下、目次

第1章 情報検索 基本編
1.情報を検索するとは
2.データベースと検索の仕組み
3.データベースには得意分野がある
4.サーチエンジンの使い方
5.検索には戦略がある

第2章 情報検索 実践編
1.図書を探す
2.雑誌記事を探す
3.新聞記事を探す
4.統計情報を探す
5.公的な資料、法律、判例を探す

第3章
検索裏ワザ お役立ち情報編
1.フィールド別の検索のすすめ (より的確に調べる)
詳細検索の存在に気づこう / 詳細検索はほぼ検索式通りに検索できる / 簡易検索は論理和になっている / サーチエンジンでも検索フィールドの指定ができる

2やり過ぎは機会損失 (検索漏れを減らす)
検索語をたくさん使うデメリット / 効き目のある検索語を見極める

3.より広く適したものを探す (論理和や上位概念の活用)
別の言い方をカバーする / 同義語・類義語をあらかじめ調べておく / 表記ゆれへの対応 / 通称・愛称・集団語などの別称をみつける

4.ゆるやかに探してキュッと締める (制限検索の有用性)
見回しながら情報を絞り込んでいく / 検索結果の絞り込み機能を使う / 専門性で絞られた中をゆるやかに探す

5.ソレじゃないのを探したい (論理和で検索ノイズを減らす)
検索ノイズを除いて精度を高める / NOT検索を使う方がいい場合 / NOT検索を使う時の注意点

6.ないと思えば見つからない (結果はクールに眺めよう)
思い込みをなくして、検索結果をよくチェックしよう / どんな形の情報なのか想像してみる / 情報を選び取る / スニペットを活用しよう / ページ内検索

7.ヒントは目の前にある (フィードバックの活用)
フィードバックの手法を活用する / 検索したいのに名前がわからない / 画像の類似検索を使う / フィードバックでギャップを埋める

8.オリジナル情報は早い!正確! (Web情報で原典にあたる)
Webで正確な最新情報を探す / 出典をたよりに最新情報を調べる / 加工済データにはタイムラグがある / URLが変更になっていた場合 / 孫引きの不確実性 / 情報のひとり歩き / まとめサイトやフェイクニュース

9.失われたWebページを求めて (Webアーカイブを使ってみる)
Webページの儚さ / サーチエンジンのキャッシュ / Webアーカイブ / 個々のページのアーカイブ / Webアーカイブによるリスク

10.日本語だけに頼らない (英語は英語で検索しよう)
急がば回れ / 日本語翻訳までのタイムラグに注意 / 日本語では得にくい情報 / 日本語インターフェースの落とし穴に注意

11.機械翻訳を使いこなす (英語を橋渡しに翻訳)
英語以外の言語で書かれたページを使う / 機械翻訳機能を利用する / 進化するGoogle翻訳 / 機械翻訳を使ってよりこなれた英文を作る

12.あの言葉で見つけたい (図書を全文検索する)
図書の本文で探したい / その他の機能 / Googleブックスの注意点

13.誰のために調べるのか? (代行検索のポイント)
母と子の会話 / 情報検索のプロのやり方 / 母と子の会話(改良版)

14.検索は何をもって成功なのか? (検索評価の観点)
検索が成功したかを判断する基準 / どれだけ期待通りだったか / どれだけ目新しかったか / どれだけ役に立ったか

索引 著者プロフィール・執筆分担


情報検索の基礎

情報検索の基礎

  • 作者: Christopher D.Manning
  • 出版社/メーカー: 共立出版
  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: 単行本




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『出羽三山  山岳信仰の歴史を歩く』 岩鼻通明著 岩波新書 [民俗学]


出羽三山――山岳信仰の歴史を歩く (岩波新書)

出羽三山――山岳信仰の歴史を歩く (岩波新書)

  • 作者: 岩鼻 通明
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/10/21
  • メディア: 新書



今日、「出羽三山」と呼ばれる月山、羽黒山、湯殿山のガイドブック。とは言っても、『出羽三山を歩く』ではなく、「山岳信仰の歴史を歩く」と副題がついている。また、著者は地元の山形大教授であり、専攻は文化地理学、宗教民俗学。それゆえ、「出羽三山」の文化・信仰・民俗がふかく語られる。かつては、「出羽三山」に湯殿山は入っておらず、代わりに、葉山、鳥海山が入っていたなど、その変遷、ほんらい遍歴民であった修験者・山伏が定住するようになった、その経緯、湯殿山をめぐる祭祀権をめぐる天台宗と真言宗の争いの記述など興味深い。

こむずかしいテキストではない。図版・写真もおおく、地理的案内もあり、観光ガイドにもなる。著者自身が歩いたときの記述も随所に示される。たとえば、「月山南麓の大井沢(西川町)方面から月山を望むと、月山と、月山前方の姥ヶ岳、そして湯殿山(地形図に記されたピーク名であり、後述するご神体としての湯殿山とは異なる)が、まさに連なるように三山に見えるスポットが存在する(図0-2)。晴れた日に山形市と鶴岡市を結ぶ高速バスの車窓から、この風景を眺めるたびに、ひょっとするとこの景観が出羽三山のいわれとなった風景ではないのか、と感じ入るのである。」//「かつての参詣道は、庄内地方と内陸を結ぶ六十里越街道に沿う最奥の集落である志津から玄海を経て、石跳沢を上流へと登るルートであった。今は玄海に山形県立自然博物園が設置されており、ブナの原生林の中で、豊かな自然環境を体験できる野外学習施設として利用されている。園内には、ネイチャーセンターが設けられており、月山の四季などの環境に関わる展示を見学することもできる。」といった具合である。

旅行・登山するに際して、自分の足下の文化・民俗的背景を知ったうえで歩きたいものである。その点で、たいへ良い『出羽三山』ガイドブックであると思う。

以下、目次

はじめに 山岳信仰とは何か
『君の名は。』と山岳信仰の世界 / 山岳信仰とは / 象徴としての「三山」 / 里山と端山 / 修験道と羽黒修験

第1章 出羽三山の歩み 
古代 蝦夷との境界に祀られた神 / 中世 遍歴民としての修験者 / 中世の羽黒山 / 熊野信仰との関わり / 湯殿山と常陸国 / 出羽三山の変遷 / 近世 修験者の定住化 / 危機の時代から隆盛へ / 近代 神仏分離と山伏修行 / 戦後の変容

第2章 出羽三山参りと八方七口
信仰の広がりを考える / 各地に残る出羽三山碑 / 八方七口の登拝口 / 講・霞・旦那場 / 里山伏の世界 / 松尾芭蕉の三山参り / 出羽三山の名所図会『三山雅集』 / 信仰の旅における循環的行程 / 出羽三山の道中日記を読む / 参詣者数はどのくらいだったか / 参詣者の年齢にみる同心円構造 / 千葉県に残る行人墓と供養塚

第3章 羽黒修験四季の峰
峰入りとは / 春の峰 / 夏の峰 / 秋の峰 / 冬の峰

第4章 出羽三山を歩く (絵図を手がかりに)
羽黒山を歩く / 山頂の三神合祭殿へ / 杉並木を下る / 月山に登る / 月山八合目から / 肘折口へ下る / 岩根沢口へ下る / 本道寺口へ下る / 参詣者が歩んだ六十里越街道 / ブロッケン現象とご来迎 / 湯殿山へ下る / 田麦俣から大網へ / 三山一枚絵図を読む / 描きこまれた女人救済儀礼 / 門前町手向のにぎわい / 荒沢三院、水石、湯殿山 / 絵図の宗教景観

第5章 湯殿山と即身仏 (「一世行人」の足跡をたずねて)
即身仏とは / 近世に記録された即身仏 / 神仏分離と即身仏 / 小説『月山』に描かれた即身仏 / 宗教者としての一世行人 / 千日回峰行と湯殿山千日山籠

第6章 山岳信仰と食文化
古代・中世の修験者の食文化 / 出羽三山の食文化 / 最高のふるまい、大笈酒 / 修験者と売薬 / 森の恵みと食文化

おわりに (これからの出羽三山) あとがき 主要参考文献 図表出典一覧


韓国・伝統文化のたび (叢書・地球発見)

韓国・伝統文化のたび (叢書・地球発見)

  • 作者: 岩鼻 通明
  • 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本



出羽三山信仰の圏構造

出羽三山信仰の圏構造

  • 作者: 岩鼻 通明
  • 出版社/メーカー: 岩田書院
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 単行本



春秋山伏記 (新潮文庫)

春秋山伏記 (新潮文庫)

  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1984/02
  • メディア: 文庫


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