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『世界の見方が変わる50の概念』 齋藤 孝著 草思社 [哲学]


世界の見方が変わる50の概念

世界の見方が変わる50の概念

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2017/06/23
  • メディア: 単行本



「概念」を使いこなすクセをつけ、実際に「概念」を使いこなして生きる力に変える」よう助ける本。50の「概念」がセレクトされている。それらは、著者が大学に入ってからずっと使いこなしてきて人生の役に立った「概念」。それぞれの解説において、著者は、「概念」の学問的背景押さえつつ、実際、どのように使ってきたかという視点を加味している。質問と答えの形式で、一つの概念が4ページで示されていく。読み物としてもオモシロイ。(以下は、「序 〈概念〉を味方につければ、世界の見方が変わる」からの抜粋しまとめたもの)。

「概念」の辞書的な定義は「事物の本質をとらえる思考の様式」、「具体的なものごとはさまざまバラバラに見え」るが、「そこに共通する〈本質〉をつかまえて言葉にしたものが〈概念〉」。ゆえに「抽象的なもの」。

「概念でいろいろなものを見ると、ものごとが新しい視点で見え」、「具体的な見方では見えてこない本質まで見通すよさが抽象語には」あり、「すぐれた概念は、世界の見方、ものの見方を変えてくれ」る。たとえば、ニュートンの万有引力という概念によって、人類の宇宙観は変わった。

「すぐれた概念は、先人の知恵と思考の結晶。世界の見方を変え、思考を豊かにしてくれる。不安定になりがちな心をしっかりさせてくれるものでもある。概念を知って味方につけると、世界がクッキリ見えてくる。新しいものの見方で自分や社会を見ると、これまで思っていたこととちがうことが見えてきて、今までもやもやしていたのがスッキリする。概念には、人生をラクにしてくれる効用がある。概念を味方につけると、この世界に対する処方箋が見えてくる。

概念はものごとを見る視点、世界を見る視点。視点を持っていると、いろいろな現象がつながって見えてくる。異なる現象がつながってきて、共通するものとして見渡せるようになる。一つひとつの見た目のちがいにとらわれないで、見渡して共通のものが見えてくる。

概念を味方につければ、思考力が高まり、思考の生産性が上がり、世界の味方が変わる。概念を使いこなせるようになると、見える風景がちがってくる。「知性とは概念を使いこなす力」。

本書の目的は、概念を知識として身につけているだけでなく、自分のエピソード付きの経験として語れるようになること。「(ある概念を)自分の経験でちょっと言ってみてください」と言われたときに、自分に引きつけて考えられるならば、それは概念が使いこなせていることになる。

厳しく複雑なこの世界を生き抜くために、〈概念力〉を身につけたい。

取り扱われている「概念」は、以下のもの。 パノプティコン、野生の思考、オリエンタリズム、ノマド、トゥリー/リゾーム、記号の消費、差異の体系、パラダイム、反証可能性、実存主義、不条理、間主観性、エス/自我/超自我、快感原則/現実原則、中庸、イデア、理念型、超人、身体知、自然体、呼吸、型、技化/質量転化、顧客、マネジメント、交渉、他力本願、アイデンティティ、天地有情、離見の見、スタイル、加速度、フロー体験、弁証法、胆力、素読、マインドフルネス、通過儀礼、過剰性、美意識、単独者、浄化、祝祭、侵犯、上機嫌、模倣の欲望、ビルドゥング、智・仁・勇、悟り、粋


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『勉強の哲学 来たるべきバカのために』 千葉雅也著 文藝春秋 [哲学]


勉強の哲学 来たるべきバカのために

勉強の哲学 来たるべきバカのために

  • 作者: 千葉 雅也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/04/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



たいへんおもしろい。自立・自律した自己を形成する上で参考になる。それは、「ノリの悪い」「浮いた」人間になるということでもある。勉強には、そもそも、そのようにさせる・なる性格があるようだ。本書では、勉強を哲学して、効果的に、この世から浮揚し、空中に適度に留まる方法が示される。

そう。勉強すると「空中浮揚」が可能になる。それでも大丈夫、ヘンな宗教に誘う本ではない。

著者はいう。〈これから説明するのは、いままでに比べてノリが悪くなってしまう段階を通って、「新しいノリ」に変身するという、時間のかかる「深い」勉強の方法です。〉 // 〈勉強の目的とは、これまでとは違うバカになることなのです。 / その前段階として、これまでのようなバカができなくなる段階がある。/ まず勉強とは、獲得ではないと考えてください。 / 勉強とは、喪失することです。 / これまでのやり方でバカなことができる自分を喪失する。 / これまでと同じ自分に、英語力とか何か、スキルや知識が付け加わるというイメージで勉強を考えているのなら、勉強を深めることはできません。(「はじめに」p13,14)〉

そう。勉強することにより、「変身」できる。ただし、喪失の体験を伴いながら・・・

こう書いてきて、吉本隆明の、そして鹿島茂の体験を思い出した。

吉本隆明を規定した人生最大の事件(鹿島茂)
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2012-03-28


(以下、目次)
はじめに

第1章 勉強と言語 (言語偏重の人になる)

勉強とは、自己破壊である
自由になる、可能性の余地を開く
目的、環境のコード、ノリ
自分は環境のノリに乗っ取られている
自分とは、他者によって構築されたものである
言語の他社性、言語的なヴァーチャル・リアリティ
二つのノリがぶつかる狭間から、言語の世界へ
言語の不透明性
道具的 / 玩具的な言語使用
自分を言語的にバラす
深く勉強するとは、言語偏重の人になることである

第2章 アイロニー、ユーモア、ナンセンス

自由の余地は、「浮いた」語りに宿る
ツッコミ=アイロニーとボケ=ユーモアで思考する
コードの不確定性
わざと自己ツッコミと自己ボケ
コードの転覆
ナンセンスという第三の極
会話を深めるアイロニー
アイロニーの過剰 (超コード化による脱コード化)
新しい見方を持ち込むユーモア
ユーモアの過剰 (コード変換による脱コード化)
もうひとつのユーモア (不必要に細かい話)
「享楽的こだわり」と「非意味的形態」
アイロニーからユーモアへ
享楽のノリが究極のノリである
名づけの原場面 (新たに言語に出会い直す)

第3章 決断ではなく中断

現状把握から問題化へ、キーワード出しへ
キーワードを専門分野に当てはめる
発想法としてのアイロニーとユーモア、追求型と連想型
勉強のきりのなさ
考えて比較をする
アイロニーから決断主義へ
比較の中断
こだわりの変化
欲望年表をつくる
メインの欲望年表 (千葉雅也の場合)
サブの欲望年表
メインの年表とサブの年表をつなげる
来るべきバカへ

第4章 勉強を有限化する技術

専門分野に入門する
読書は完璧にはできない
入門書を読む
教師は有限化の装置である
専門書と一般書
信頼性、学問の世界
読書の技術 (テクスト内在的に読む)
二項対立を把握する
言語のアマ・モードとプロ・モード
ノート術 (勉強のタイムライン)
書く技術 (横断的に発想する)
アクトライナーと有限性

結論 / 補論 / 参考文献 / あとがき

**(以下、「はじめに」からの抜粋)**

2000年代の末に、SNSとスマートフォンは、生活を劇的に変えました。

今日、スマホを持ち歩く私たちは、どこにいてもネットの「情報刺激」にさらされ、気が散っている。過剰な量の情報が、光や音の連打のように、深く考える間もなくどんどん降り注いでくる。SNSに次々に流れてくる話題に私たちは、なんとなく「いいね」なのか、どうでもいいのか、不快なのかと、まず感情的に反応してしまう。すぐに共感できるかどうか。

共感、それは言い換えれば、集団的なノリです。思考以前に、ノれるかどうかなのです。


いま、立ち止まって考えることが、難しい。

溢れる情報刺激のなかで、何かに焦点を絞ってじっくり考えることが、難しい。

本書では、そうした情報過剰の状況を“ユートピアとして積極的に活用し”、自分なりに思考を深めるにはどうしたらいいかを考えたいのです。

そこで、キーワードになるのが 「有限化」です。

ある限られた=有限な範囲で、立ち止まって考える。無限に広がる情報の海で、次々に押し寄せる波に、ノリに、ただ流されていくのではなく。

「ひとまずこれを勉強した」と言える経験を成り立たせる。勉強を有限化する

***引用ここまで***

列車の旅に『勉強の哲学』を持参
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2017-07-30


背景の記憶 (平凡社ライブラリー)

背景の記憶 (平凡社ライブラリー)

  • 作者: 吉本 隆明
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1999/11
  • メディア: 文庫



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『図解 基本ビジネス思考法45』 執筆: 嶋田毅 [哲学]


グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45

グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45

  • 作者: グロービス
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2017/02/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



45種の思考法を紹介するハンドブック。

著者は「ちょっと知っておくだけで生産性が上がる思考法を知らないというのは」モッタイナイという。

そして、本書において「先人が提唱し、磨きをかけてきた思考法についてリストアップし、網羅的に紹介」していく。その点で、「中には包含関係にあるものもあるなど、ややレイヤー感や粒度にバラつきもありますが、思考法というテーマゆえの部分が大ですのでご容赦いただければと思います」と(「はじめに」)にある。

「どこまで実践できるかはさておき、まずはさまざまな思考法があることをご理解いただけただけでも本書を手に取っていただいた価値はあると思います。自分自身を振り返りながら『まずはここを鍛えなければ』というものを探し、取り掛かるヒントにしていただければ幸いです。(「おわりに」)」

各思考法ごとに、簡単な説明(以下に引用)。活用できる場面。どのような思考法か、その具体的事例、最後に「コツ・留意点」が簡潔に示されている。

自分の思考のワクの中で堂々巡りに陥ったとき、本書をチラとひもとくだけでも、堂々巡りの回路から脱出できそうである。ただ、少々文字が小さいのが難点。

目次 

1章 クリティカル・シンキング基礎編

論理思考:筋道だった合理的思考様式や方法論。行動的直観的思考と対比される。いくつかの要素技術によって成り立っている。

批判的思考:健全な批判精神を持ちながら、論理的思考ができているか否かをさらに一段上の視点から見る思考。バイアスや思考の罠にとらわれていないかを見極める思考も含まれる。

メタ思考:自分自身を客観視する思考法。自分自身を見つめるもう1人の自分が別にいるというイメージで説明される。

演繹的思考:一般論・普遍的な大前提を個別的・特殊的なケースに当てはめて結論を得る論理的推論の方法。

帰納的思考:さまざまな観察事項からその共通点を見出し、一般論を導き出そうとする思考方法。

科学的思考:事象の生じる原因や仕組みを調べる観察や実験を実施し、その結果を総合的に考察し、その中から規則性を見出し、普遍的な法則を発見する思考。

確率思考:特定の状況のみを考慮するのではなく、それぞれの状況が生じる確率を意識し、期待値が最大になるように意思決定・行動する思考法。

統計思考:意思決定にあたって、統計手法の考え方を考慮する思考。また、統計の落とし穴に陥らないということも含意する。

フェルミ推定:実際の値がすぐに分からない事柄について、比較的手に入れたり推定しやすい情報から概算値を導く思考法。物理学者のエンリコ・フェルミに由来する。

2章 問題発見編

仮説思考:仮の答えである仮説を立てながら(持ちながら)、それを検証し、物事を前に進めようとする考え方。問題解決の基本姿勢でもある。

「Why」思考:①問題の原因を表層的に捉えるのではなく、「Why?(なぜ?)」と問いかけることによって掘り下げて考える思考法。②また、物事がなぜ現在のやり方で行われているかを疑う思考法を指すこともある。

論点思考:真に解決すべき問題を的確に把握し、組織全体として問題解決の効率・効果性を上げようという考え方。

フレームワーク思考:物事の全体像を捉えたり何かを分析・立案する際に、何らかの枠組みを用いることで、その効果率や効果性を上げようという思考法。

本質思考:一般的には、①物事の最重要ポイントを適切に見極めようとする思考法を指す。狭義には、②物事の構造とダイナミズムから、物事の急所を押さえようとする思考法を指す。

複眼思考:多様な視点から物事を見ることで、さまざまなステークホルダーにとって、Win-Winとなる解決策をとろうとする思考法。

俯瞰思考:より高次の視点から物事を見ることで、全体像を把握したり、経営にとって重要なポイントを見逃さない思考方法。

システム思考:独立した事象に目を奪われずに、各要素間の相互依存性、相互関連性に着目し、全体像とその動きを捉える思考方法。

3章 問題解決編

AND思考:①安易にトレードオフに流されずに、物事を両立させながら問題解決を図っていこうという思考法。また、②一石二鳥の施策を積極的に講じる場合にもAND思考という場合がある。

アナロジー思考:似たエッセンスを持つ事例からヒントを得、それを問題解決や他のメンバーへの説明に活かす思考方法。

全体思考:全部を部分に細切れにブレークダウンしていくのではなく、全体を包括的(Holistic)に捉え、問題解決に活かそうという思考法。

4章 クリエーション編

クリエイティブ・シンキング:枠組みにとらわれず、自由な発想を行い、アイデアを出していこうとする思考法。ロジカル・シンキングと対比されることが多い。

水平思考:それまでのものの見方や概念にとらわれずアイデアを生み出す思考法。エドワード・デボノが1967年に提唱した。英語ではラテラル・シンキングと呼ばれる。

ゼロベース思考:既存の前提や常識にとらわれず、物事をゼロベースで考えていこうという思考方法。水平思考の要素ともいえる。

IF思考:「もし○○○という条件がなかったら」あるいは「もし△△だったら」など、「IF」の世界を想像することで、新しいやり方などを生み出そうという思考法。

プロヴォカティブ・シンキング:「たぶんできる。そのためには・・・」と考える発想法。プロヴォカティブ(provocative)の元々の意味は「挑発的」など。

ずらし思考:①視点、ものの見方を変える思考法。②あるノウハウや知見を異なるビジネスなどに応用する思考法。

ビジョナリー思考:壮大なビジョンを描き、それを実現しようという思考法。未来を待つのではなく、未来を自ら作る思考法とも言える。

マインドマップ:頭の中で起こっていることを可視化する思考ツール。トニー・ブザンが提唱した発想法である。ThinkBuzan社が商標登録している。

デザイン思考:デザイナー的な感性と手法を用いて、ユーザーのニーズと技術的な実現性、ビジネスの戦略を整合させていくことで、市場機会を生み出し、実現させていく思考方法。

5章 ビジネス実務編

戦略的思考:①経営戦略の発想法を日常の仕事などにも当てはめた考え方。②ゲーム理論を用い、ゲームの発想を日常業務に当てはめた思考法。

タイムマシン思考:あるテーマについて、世界の最先端で起きている事例や現象に着目し、それを自国や自社ビジネスに活用する思考法。

逆算思考:未来のビジョンや想定される状況から逆算して今なすべきこと、あるいはその過程でなすべきことを考える思考法。バックワードの思考法とも言う。

ニーズ思考:顧客のニーズを優先的に考え、そのニーズを満たそうとする思考法。特に製品開発の場面ではニーズ発想というケースも多い。

シーズ思考:自社が社内に持つシーズをベースに、そのシーズを活用して顧客のニーズを満たせないかと考える思考法。シーズ発想とも言う。

ビジネスモデル思考:ビジネスの仕組みを構造的に考え、どのように儲けたり成長したりするかを考える思考法。

利益思考:①利益をいかに効率よく上げるかを考える思考法。②儲けのメリハリなども含め、トータルとしていかに利益を生み出すかを考える思考法。

チーム思考:変化が速い時代に適切に対応すべく、比較的少人数のチームで問題解決に当たり、組織全体の生産性や競争力を上げようとする考え方。

Not knowing思考:不確実な時代に、「無知」の状態を最大限に活用し、「出現する未来」に柔軟に対応する思考法。スティーブン・デスーザとザダイアナ・レナーが提唱した。

6章 歴史・哲学編

哲学的思考:2000年を超える歴史を持つ哲学の考え方をビジネスに活かそうという思考法。特に深い思索や議論するという行為を重視する。

歴史的思考:世界史や自国の歴史を学ぶことで、人間の本性に対する理解を深め、それを未来に活かしていこうとする思考法。

弁証法:ある命題(テーゼ)と、それと対立する命題(アンチテーゼ)から統合した命題(ジンテーゼ)を導き出すアウフヘーベン(止揚)の考え方をベースとした発展的思考法。哲学者のヘーゲルによって体系化された。

思考実験:実際に実験を行うのでなく、頭の中に前提を置いて「もしこうしたらこうなるのでは」と考えたりシミュレーションを行うこと。

7章 自己啓発編

ポジティブ・シンキングとネガティブ・シンキング:積極的あるいは楽観的な考え方をすること。消極的あるいは悲観的な考え方をすること。

7つの習慣:人生において成功するために必要な習慣を7つにまとめたもの。スティーブン・R・コヴィーによって1989年に紹介された。

ストーリー思考:未来の自分を思い描き、それを実現するためのストーリーを作ることでその実現可能性を高めようという思考法。
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目次 『アラン、魂の医術』 新田 昌英著 中公選書 [哲学]


アラン、魂の医術 (中公選書)

アラン、魂の医術 (中公選書)

  • 作者: 新田 昌英
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: 単行本



最強の敵
哲学の目的と学び方

第1部 気持ちを知る、気持ちを救う

1 生きることは気持ちを感じること 

2 人間嫌いーー他人の悪意を確信して閉じこもる前に 

3 想像の病ーー気持ちと体はつながっている

4 いやな気持ちをどう変えるか① 基本的な考え方

5 いやな気持ちをどう変えるか② 気持ちの起こり方を知る
5-1 情動、情念、感情
5-2 情念の原因は身体にある
5-3 情念の原因は思考にある
5-4 情念は知覚の誤りである
5-5 情念は思考と身体運動との円環的過程である
5-6 情念の対応方法は、思考と身体運動との円環的過程を断ち切ることである

6 いやな気持ちの変え方
6-1 「体操」をする
6-2 反省的思考をやめ、いちどにひとつのことをやる
6-3 礼儀に身をゆだねる
6-4 決断し、行動する
6-5 楽観的に生きる訓練をする
6-6 深読みをやめて他者をひいきめに見る

7 イメージを生きることが気持ちを感じさせる

8 知覚の分析ーー気持ちが起こってくるさらに深い理由
8-1 知ることは予測すること
8-2 ひとつの物がひとつの物である理由
8-3 見るとはどういうことか
8-4 触れるとはどういうことか
8-5 知ることの出発点はどこなのか
8-6 物とはなんなのか
8-7 感じるということ

9 私の身体は物なのか

10知ることは想像すること

11イメージの現実感が気持ちを信じさせる

12行動すればイメージと気持ちは変わる

13ほんとうに感じたい気持ちの確かさ

第2部 決断し、行動するために

14自分を知るーー自分探しと「心の闇」の罠

15決断と行動ができない人の世界観①本質と実存ということ

16決断と行動ができない人の世界観②物があると思うと運命がやってくる

17海ーー世界観の転換

18不確かさのなかで瞬間を生きる

19気持ちを感じさせるもの

20おそれに向き合う

21自由でありつづけるために

22この人生はすでに終わっているのか

23目標を達成するために

24働くこと、自分を鍛えること
①仕事と遊びのちがい、仕事の評価
②仕事の訓練と学校の勉強のちがい
③自分の素質に疑問をもったときの考え方
④三日坊主にならないための考え方
⑤型から入り手を動かして訓練をつづける
⑥よく考え、よく話し、よく書く訓練の基本を知る
⑦すばやく集中的に訓練する
⑧読む技術と書く技術

25自分を乗り越える

26愛するということ

27苦しみをもたらす誤りを知る

28情念論の意義

あとがき 引用文献 注


アラン定義集 (岩波文庫)

アラン定義集 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2003/08/20
  • メディア: 文庫



プロポ〈1〉

プロポ〈1〉

  • 作者: アラン
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2000/02
  • メディア: 単行本



プロポ〈2〉

プロポ〈2〉

  • 作者: アラン
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 単行本



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『翻訳そして/あるいはパフォーマティヴ: 脱構築をめぐる対話 (叢書・ウニベルシタス)』 [哲学]


翻訳そして/あるいはパフォーマティヴ: 脱構築をめぐる対話 (叢書・ウニベルシタス)

翻訳そして/あるいはパフォーマティヴ: 脱構築をめぐる対話 (叢書・ウニベルシタス)

  • 作者: ジャック・デリダ
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 2016/09/26
  • メディア: 単行本



書籍タイトルに「翻訳」とあるので、言語への関心から手にした。対談本であるので分かりやすかろうと思ったが、甘かった。やはり、対話者の背景的知識、前著への理解などなければ、むずかしい。

2部に分けられた対談の前半は『誘惑としてのエクリチュール 絵葉書、翻訳、哲学』、後半は『哲学としてのパフォーマティブ』と題され、監修者:守中高明早大法学学術院教授が『解説』を担当している。

『解説』冒頭は《哲学の思考にとって翻訳という現象が何を意味し、かつ意味に還元されないどのような価値をもたらすか、そして哲学の思考においてパフォーマティヴな発話がどのような位置を占め、それが徹底化されるとき、いかなる射程をもたらすかーージャック・デリダの思考を哲学史上稀なものにしているのは、そのエクリチュール実践におけるこの問いの排他的重要性であり、そこに託された未聞の賭札である》と始まる。

そして、《西洋形而上学の伝統において支配的な思考ーーそれは翻訳を語の意味ないし概念ないしシニフィエ(記号内容)の伝達とみなす思考である。この思考は実に深い歴史的根を持っており、それゆえに実に強い拘束力を今日でも持つ》と論じ、敷衍してから、次のデリダの言葉を引用する。《この意味における翻訳が挫折するいたるところで、挫折することになるのはまさに哲学なのです》。

そして、《そうだとすれば、何よりもまずわれわれが確認しなければならないのは、デリダの実践してきたのがつねに反ー哲学としての翻訳であり、翻訳概念を独自の仕方で拡張することによって哲学を挑発し、根底から揺さぶり、哲学の学としての同一性を問題化することだったということである》とまとめて、その事例を挙げていく。

さらに対談後半部分の解説は《ところで、哲学の思考にとっての挑発であり、大きな危険となるような別の言語活動、それも右に見たような意味での翻訳と分かちがたく、ある局面ではその効果において重なり合うような別の言語活動がある。パフォーマティヴがそれだ》と始まる。

そして、《『絵葉書』における“誘惑の問い”・・省略・・「trace〔痕跡〕の一般空間」におけるエクリチュールとイマージュの交感=交通(communication)の問い・・・。それらはすべて今日なお、否、今日こそ新たに思考され、再考されるべき問題系である》と結ばれていく。



脱構築 (思考のフロンティア)

脱構築 (思考のフロンティア)

  • 作者: 守中 高明
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1999/12/22
  • メディア: 単行本


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『自分で考えよう: 世界を知るための哲学入門』ペーテル・エクベリ著 晶文社 [哲学]


自分で考えよう: 世界を知るための哲学入門

自分で考えよう: 世界を知るための哲学入門

  • 作者: ペーテル・エクベリ
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2016/10/15
  • メディア: 単行本



カラーの挿絵をふんだんに用いた絵本のような哲学入門書。著者は、スウェーデンの人。読者対象は、中学生くらいではないかと思う。たいへん、読みやすく理解しやすい。かの国では、「1970年代に選挙権をすでに18歳まで引き下げ、さらに若者の政治への関心の高さゆえ現在16歳への引き下げまでもが検討され」「子どもの権利が重視されてい」るということだが、なるほどそのような国ならではの著作なのであろうと感じる。

次のような記述がある。「哲学者は理性的な議論を積極的に行う。また哲学者にとって勝者は、最良の議論だ。相手の提案のほうが正しければ、自らの考えを変えることもありうる。哲学者はあたらしいものごとを学びたいという意欲にあふれている。またある問いに対し相手の論のほうが筋が通っていれば、よろこんで自分の意見を変えるだろう。/ 哲学者にとってたいせつなのは、『“だれが”正しいか』じゃない。『“なにが”正しいか』だ! よい哲学者は自分の考えを批判されても怒らない。また哲学的議論をするとき、うそをつかず、本当のことを言う。/ つぎにきみが友だちとけんかをすることがあれば、いまのことを思いだしてみるといいかもしれないね」。

こうして、引用してみると、かの国における「哲学(者)」という言葉は、日本語の「哲学」よりはるかにずっと身近なものであるように感じる。日本では法律用語である「憲法」が、英語では「構成、組織、構造、・・」を意味する日常語(constituion)としても用いうるのと同じようにである。スウェーデンは、「クリーン・エネルギー、教育機会の平等、手厚い介護や年金制度、男女平等、オンブズマン制度などのモデル国として日本で注目されてきた(『訳者あとがき』)」が、本書が示すように、「哲学」が身近なものとして、国民のあいだに息づいていることが、それと関係しているのかもしれない。多くの若い人たちに読んで欲しいところ・・・。(因みに、本書の挿絵は、『め牛のママ・ムー』福音館書店 のイラストを担当したスヴェン・ノードクヴィスト)。

https://sv.wikipedia.org/wiki/Peter_Ekberg_(f%C3%B6rfattare)


め牛のママ・ムー (世界傑作絵本シリーズ)

め牛のママ・ムー (世界傑作絵本シリーズ)

  • 作者: ユィヤ・ヴィースランデル
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2013/02/20
  • メディア: 単行本



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『いま世界の哲学者が考えていること』岡本 裕一朗著 ダイヤモンド社 [哲学]


いま世界の哲学者が考えていること

いま世界の哲学者が考えていること

  • 作者: 岡本 裕一朗
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2016/09/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



哲学の本にしては、たいへん理解しやすい(ように思う)。論議は、次のようにすすめられていく。《「21世紀になって、世界の哲学はどうなっているのか」と、多くの人が疑問に感じていましたが、まったく紹介されてきませんでした。本書では、紙幅の制限もあって十分ではありませんが、その見取り図だけでも簡単に描いてみました。今後、批判も含め、様々な側面から議論が提出されると思いますが、一つのたたき台は提供できると思います(「はじめに」)》。脚注が用意され、レイアウトも見やすい。

本書で取り扱われる内容は 《 ① 哲学は現在、私たちに何を解明しているか?② IT革命は、私たちに何をもたらすか?③ バイオテクノロジーは、私たちをどこに導くか?④ 資本主義制度に、私たちはどう向き合えばいいか?⑤ 宗教は、私たちの心や行動にどう影響を及ぼすか?⑥ 私たちを取り巻く環境は、どうなっているか?》 の問いに答えるもので、それは6章ある本書の各章のテーマとなっている。

目次を念頭に置いて、身近な事象からぼちぼち読んでみたい。

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『超訳 哲学者図鑑』 [哲学]


超訳 哲学者図鑑

超訳 哲学者図鑑

  • 作者: 富増 章成
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2016/09/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



酒や面白いドラマや音楽や親しい友人との語らいなどの「気晴らし」では解決できない人生の問題を解決できるのではないかと日常とは無縁と思える「哲学」に関心をもつものの、敷居が高くてとっつきにくく感じる人にとって、本書はウッテツケの本といえそうだ。哲学「入門書」で挫折した人にとっての、ほんとの入門書となるように思う。

著者は、「歴史の思考パターンがあ」ると述べて、古代、中世、近代、現代のそれ(のチガイ)を大雑把に示してから、次のようにいう。《このように、2500年前から現代までの哲学の立場で、日常的なできごとの解答を与えていますので、哲学者によって意見の食い違いが起こります。「どれが正しいんだ?」と混乱するところもまた哲学の醍醐味。読んでいるだけで、いつの間にか物事にいろんな角度からツッコミをいれられるような思考方法が身につくことでしょう。あまりに、取り扱う内容が多岐にわたるので、日常のつまらない悩みがどうでもよくなってしまうこともあるはずです。// もしかすると、哲学こそが人生最大の「気晴らし」なのかもしれません》。

著者は、ワン・フレーズで錚々たる哲学者たちひとりひとりの思想を大づかみまとめた後、解説を加え、問題を出し、その視点・思想に沿って考えるよう促す。なんと60人もの哲学者が、それぞれたった4ページで扱われる。決して軽い内容ではないが、ほんわかしたイラストもついて、難しいところに踏みとどまる楽しみ(気晴らし)を与えてくれる。仮に解説が難しく感じられたとしても、冒頭のワン・フレーズだけでもアタマに入れておくなら、のちのち考える材料になるだろうし、自分の直面する解決の難しい問題を考えるうえでも役立つにちがいない。



因みに、著者のいう「歴史の思考パターン」とは

古代:知るための理性:誰にとっても正しい真実がある。宇宙の理法を知れ。理性の力で欲望を抑えてガマンしろ。

中世:神に従う理性:神は絶対だから、聖書に書かれていることが真実なのだ。理性は神を知るための補助にすぎない。

近代:より論理的な理性:神から離れて自分の頭で考えよう。理性の力で何でもわかる。論理的な思考ですべての問題は解決だ。

現代:理性を批判するロジック:今までの考え方をリセットしろ。欲望が理性を動かしている。快楽も否定するべきではない。多くの人を幸せにするために、社会をよりよく変えていこう。


ワン・フレーズを哲学者名とともに列挙

古代

ソクラテス:「質問の連続で、わからなかったことがジワジワわかってくる」

プラトン:「ホントウのことは、現実の世界を超えたところにある」

アリストテレス:「人生全体が勉強のかたまり。勉強しているときが一番幸せ」

エピクロス:「死ぬことなんかおそれないで、明るく生きよう」

ゼノン:「がまんすればするほど、心が鍛えられて最高の気分」

キケロ:「老年期が人生の中の頂点! 老後の心配からおさらばだ」

仏陀(釈迦):「よけいな執着をすてれば、ほとんどの苦しみは解決する」

孔子・孟子:「人間にいちばん大切なものは、愛と礼儀である」

老子・荘子:「無為自然にふるまえば、すべては勝手にうまくいく」

中世~近代

アウグスティヌス:「人は心の中で、永遠な存在にあこがれている?」

トマス・アクィナス:「神の存在を証明した後は、謙虚に神を信じよう」

ピコ・デラ・ミランドラ:「人間は自由意志によって神にも動物にもなることができる」

マキャヴェリ:「為政者は政治と道徳を切り離さなければならない」

デカルト:「考える『私」は、考えるだけの存在で不滅の実体だ」

スピノザ:「人生は過去も未来もすべて決定していると達観しよう」

ライプニッツ:「すべては予定調和されているから大丈夫?」

ベーコン:「科学的な方法は、実験のデータを総合すること」

ロック:「生まれたときは、心はまっさらの白紙である」

バークリ:「物質は情報のかたまりで、世界はバーチャル空間だ」

ヒューム:「因果関係なんて、単なる思い込み。一寸先は闇?」

パスカル:「人間は考える葦だから、宇宙よりも偉大なんだ」

ルソー:「すべての人が参加できる理想社会をめさせ!」

カント:「自分で自分をコントロールできることが真の自由だ」

ヘーゲル:「矛盾があるから、どんどん真実に近づいていくことができる」

ショーペンハウアー:「人生の苦しみを乗り越える方法はこれしかない」

現代① 実存主義、現象学、社会主義

ベンサム:「快楽の量を計算して、それが最大になればよいのだ」

ミル:「快楽にもいろいろ種類があるけれど、高級な快楽をめざせ!」

ジェイムズ(ウィリアム):「実際的な効果があれば真理だから、とりあえずやっとけ」

デューイ:「使える哲学と使えない哲学があるから、とっかえひっかえ使え」

マルクス:「『歴史のゴールは共産主義社会だ』というシナリオがある」

キルケゴール:「心の中で納得できる自分にとっての真実をみつけよう」

ニーチェ:「自分が力をもてるような考えかたを、人は『真実』だと信じ込む」

フッサール:「自分の心にインタビューすると真実がみえてくる」

ハイデガー:「死ぬってことが生きているうちにわかる方法とは?」

ヤスパース:「人間は乗り越えられない壁にぶつかってこそわかることがある」

サルトル:「人間は自分で自分をつくっていく存在なのだ」

メルロ・ポンティ:「身体について、哲学したらこうなった!」

レヴィナス:「『顔』が語りかけてくるメッセージは『汝、殺すことなかれ』」

アラン:「幸福になろうと努力しなければ、幸福にはなれない」

現代② 構造主義、ポストモダン、分析哲学

フロイト:「無意識にあるトラウマを自覚すれば、症状は消える」

ユング:「すべての人の心には、集合的無意識が存在する」

アドラー:「対人関係があらゆる悩みの原因である」

アドルノ、ホルクハイマー:「なぜ人類は『新たなる野蛮』へと向かっていくのか?」

ハーバーマス:「コミュニケーション的理性の可能性」

ソシュール:「言語が存在する以前には、なにも存在しない」

レヴィ・ストロース:「本人にもわからないルールの奥には、見えないしくみがあった」

フーコー:「時代によって『知』の形がかわっていくんだよ」

リオタール:「『大きな物語』は終わり、これからは『小さな物語』の時代がくる」

ボードリヤール:「『記号』(ブランド)で相手に差をつける消費生活とは?」

ドゥルーズ、ガタリ:「逃走線を引いて、多様な価値をみいだそう」

デリダ:「ホンモノとニセモノの線引きはできない」

アルチュセール:「この切り口なら、マルクス主義はまだまだ使えます」

ハンナ・アーレント:「無思想であることが、実は悪を生み出している」

バルト:「ファッションを哲学的に語ることができる」

ベンヤミン:「複製の技術は、『1回限り』のすばらしさを失わせるが・・・」

ネグリ、ハート:「新たな敵である〈帝国〉に対抗する方法」

ロールズ:「自分の立ち位置をヴェールで遮断すれば正しいことが見える」

フランクル:「どんなことがあったとしても、人生には必ず意味がある!」

ラッセル:「記号論理学を使えば、真偽がわかる」

ウィトゲンシュタイン:「語れないことについては沈黙するしかない」



「哲学って何?」(『はじめての哲学 賢者たちは何を考えたのか?』 竹田青嗣 著 PHP)
http://kankyodou.blog.so-net.ne.jp/2015-11-27


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