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『聖書植物園図鑑―聖書で出会った植物たちと、出会う。』丸善プラネット [宗教]


聖書植物園図鑑―聖書で出会った植物たちと、出会う。

聖書植物園図鑑―聖書で出会った植物たちと、出会う。

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 丸善プラネット
  • 発売日: 2017/06/01
  • メディア: 単行本



聖書には100種超の植物が登場する。福岡にある西南学院大学は1999年の開学50周年記念事業に、それらの植物を復元・展示しようと聖書植物園を開園。現在までに約100種の聖書関連の植物を集めた。本書は植物園内の植物をフルカラーで掲載し、植物が登場する聖書の「聖句」とその解説、植物の解説、入手と栽培方法を紹介している。

1ページに1品種、1「アーモンド」からはじまり100「ワタ/ 綿」まで、100種が取り上げられ、その植物の写真、英語名、開花期、登場する聖句とその解説、植物の解説、入手栽培方法が示される。

「放蕩息子」が空腹を満たしたいと願った『いなご豆』や預言者ヨナを暑い日差しから守った「とうゴマ」がどんなシロモノか写真で見ることができるのは嬉しい。写真がちいさい(45㍉x55㍉)のが残念だが、書籍自体の判型ゆえ仕方がない。

因みに「とうゴマ」は65に出ている。その『植物解説』は、「東アフリカ原産の、5mくらいの大きさになる宿根草である。トウゴマの種は、前4000年頃のエジプトの墓所で発見されている。種子は40~60%の油分をもち、灯油や化粧品としても使われ、また虫下しのために利用されてきた(ひまし油)。種子には毒性アルカロイドのリシンが含まれ、代表的な有毒植物である。原酒は緑色であるが、園芸用に赤葉の品種も開発されている。雌雄同株である。」

(以下、「発刊に寄せて」から抜粋)

「我々が、梅の花に菅原道真を、桜に西行の姿を重ね合わさるように、彼の地の人々は、春先に花を咲かせるアーモンドから預言者エレミヤの人生に思いを馳せることでしょう。アーモンドがどのような木であり、そのヘブライ語名は何というのか、このようなことを知ることは、エレミヤがどのようにして神の言葉に触れたのかを理解することと深く結びついていることなのです。」

座右に置いて、聖書理解の助けとしたい。

**********


舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

舊新約聖書―文語訳クロス装ハードカバー JL63

  • 作者: 日本聖書協会
  • 出版社/メーカー: 日本聖書協会
  • 発売日: 1993/11/01
  • メディア: 大型本



文語訳 聖書

文語訳 聖書

  • 出版社/メーカー: サキ出版
  • 発売日: 2013/10/18
  • メディア: Kindle版




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工夫して、失敗して、納得する(『この世に命を授かりもうして 』から) [宗教]


この世に命を授かりもうして (幻冬舎文庫)

この世に命を授かりもうして (幻冬舎文庫)

  • 作者: 酒井 雄哉
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/04/11
  • メディア: 文庫



千日回峰を行いながら、自分は自然の一部という意識がアタマではなく身体感覚として醸成されていくのだろう。そうした学びが、机上の学びとは異なるものとなるのは間違いない。

上記書籍から、以下引用

***********

僕にはいろんな知識がなかったから、そのぶん、どうしたらいいかな、っていつも考えていたわけだ。

雨が降っているときでも、草鞋で出ていかなきゃいけない。草鞋は藁を編んでいるだけだから、水に濡れるとすぐに駄目になっちゃう。だから最初のころは、「草鞋を濡らさないような方法はないかな」って考えたものだ。

足の先っぽのほうだけつけて、つま先立てて歩いてみたらどうだろうか、とやってみる。だけど、そんなことしても、どこかで水たまりになってるところにドボッと浸かっちゃうんだよ。

「あ~あ」とがっかりする。「どうせ濡れちゃったんだから、もういいや」と思って、開き直って、かかとまでしっかりつけて歩く。そのほうがやっぱり歩きやすいんだよ。当然のことだけど。

そうすると、雨が降ってるときは濡れることになってるんだから、小細工しようったって無理だなあ、って実感するんだ。そんなのはわかりきっていることなのに、それを「自分だけはなんとかなるんじゃないかな」って考えるんだね。人間ってものは。

そんなことをしても駄目、自然を相手にしたらありのままにやるしかないか、って観念するわけだよ。これもまた「無駄な抵抗はやめなさい」なんだよ。

すると、次からは、雨が降っても草鞋が濡れるのは嫌だなあ、なんて思わなくなるんだね。そういうものだから、って納得してるから、気にならなくなる。嫌だな、って思うことがひとつ減り、ひとつ学ぶんだな。

それに、失敗に終わっても、自分でいいこと思いついた、なんて思ってやってるときは、楽しくなってるんだよ。そういうことを考えるのもまた楽しいことだったね。こうやって、あとになってから笑い話にもできるし、楽しいじゃないの。

p122、123
****引用ここまで****

辛く思える人生も楽しくする秘訣が語られている。

著者にとって、死もまた雨の如しというところだったのかもしれない。


行とは何か (新潮選書)

行とは何か (新潮選書)

  • 作者: 藤田 庄市
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 単行本



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『この世に命を授かりもうして (幻冬舎文庫)』酒井 雄哉インタビュー [宗教]


この世に命を授かりもうして (幻冬舎文庫)

この世に命を授かりもうして (幻冬舎文庫)

  • 作者: 酒井 雄哉
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/04/11
  • メディア: 文庫



著者は「千日回峰行」を2度満行している。今日的感覚で俗っぽく言うなら「宗教的トレイルランナー」で著者はあった。全盛時であれば「マルコ・オルモも敵ではなかったかもしれない」などと読んでいて思った。

本書は、2013年1月23日に12時間に及ぶ癌の手術を受け退院した後の自坊におけるインタビューである。このインタビューを受けたのが9月上旬。そして、その23日に著者は亡くなった。

それにしては、全体のトーンが明るい。「それは宗教家ですから・・」という意見もあろうが、それにしても活力を感じる。

平易な言葉で衒(てら)いなく正直に語っている。師のひとり箱崎文応阿闍梨を著者は「おじいさん」と呼ぶ。その「おじいさん」の言葉に、「行き道は いずこの里の 土まんじゅう」がある。その意味は「どこで命を落とそうが、いま歩いているその道が自分の墓場になる、ここで朽ちるんだというつもりで歩け、と行をする者としての強い覚悟」の表明である。本書から伝わりくる活力は、師の言葉を自分の生き方とした人物から発せられるものであるからであるのだろう。

著者は「行者だけでなく、普通の人だって」その「つもりで生きたほうがいいんじゃないかと僕なんか思うよ」と屈託ない。いつ死んでも悔いの残らないよう、今を精一杯生きよという師の教えを自ら実践してきた方ならではの屈託のなさであるし、明るさなのだろう。死の直前のインタビューにもその覚悟が反映しているということだ。

表紙写真は、2度目の「千日回峰行」万行のときの写真だという。見ていると思わず笑みが伝染してくる。精一杯生きている人は、それがたとえ“自分の”行であったとしても、他者に良い感化を及ぼすものとなるにちがいない。

人生を歩くことに捧げたという言い方も著者に関して言えるかもしれない。歩くことは生きることで、歩くことを通して命と死について考え続けた著者の歩くことについての話は興味深い。それは、つまり人生についての話ということでもある。

「時を止めた男の教え」鏑木毅(トレイルランナー) 
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2013-06-25


行とは何か (新潮選書)

行とは何か (新潮選書)

  • 作者: 藤田 庄市
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 単行本



修行と信仰――変わるからだ 変わるこころ (岩波現代全書)

修行と信仰――変わるからだ 変わるこころ (岩波現代全書)

  • 作者: 藤田 庄市
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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『役行者伝記集成』銭谷 武平著 東方出版 [宗教]


役行者伝記集成

役行者伝記集成

  • 作者: 銭谷 武平
  • 出版社/メーカー: 東方出版
  • 発売日: 2016/12/15
  • メディア: 単行本



「飛鳥時代の昔、修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が開いた霊山として知られ」る山上ヶ岳(通称「大峰山)の麓に生まれた著者(1920~)が、役行者に関する記録類を集めたもの。20編が取り上げられ、ほとんど漢文からなる資料を「なるべく現代風に書きかえ」和訳・意訳したものが紹介されている。(因みに、本書は1994年発行した書籍の新装版)。

『まえがき』には、「したがって、役行者伝には虚実入り交じって、もはや実像を見極めることはきわめて難しいことです。同じ伝記でも、読む人によって、目に浮かぶ行者像も様々でありましょう。多くの行者伝を読むことによって、読者自身がそれぞれの役行者を想像して欲しいと考え」「歴史書、仏書、文芸作品などから主なもの20編を選ら」びました、とある。 

『前編』には、『役行者の略伝』が取り上げられ、平安時代の略伝「役行者についての最も信頼できる正史の記録」「約千三百年前の『続日本紀』」から始まって、『日本霊異記』『本朝神仙伝』、『今昔物語集』、『扶桑略記』、『水鏡』、『大峯縁起』。鎌倉時代に入って、『源平盛衰記』、『古今著聞集』、『私聚百因縁集』、『沙石集』、『元享釈書』。室町時代に入って、『三国伝記』、『修験修養秘決集』。江戸時代に入って、『扶桑隠逸伝』、『修験心鑑鈔』。

『後編』には、『役行者伝記』として、『役行者本記』最初の小角伝記、『役行者顛末秘蔵記』仮託の行者伝、『役君形生記』の小角の生涯、『役公徴業録』、まとめとして『役行者の伝記について』が目次として立てられている。

『参考文献』として45種。『役行者伝記文献目録』として、明治以前43種、明治以降78種。その他、「次の目録が参考になる」として宮本袈裟雄編『山岳宗教文献目録』、桜井徳太郎編『山岳宗教と民間信仰の研究』479~539頁、山岳修験学会『山岳修験』の巻末の修験道関係文献目録 があげられている。


修験道 (講談社学術文庫)

修験道 (講談社学術文庫)

  • 作者: 宮家 準
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/04/10
  • メディア: 文庫



修行と信仰――変わるからだ 変わるこころ (岩波現代全書)

修行と信仰――変わるからだ 変わるこころ (岩波現代全書)

  • 作者: 藤田 庄市
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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『修行と信仰――変わるからだ 変わるこころ』 藤田 庄市著 岩波現代全書 [宗教]


修行と信仰――変わるからだ 変わるこころ (岩波現代全書)

修行と信仰――変わるからだ 変わるこころ (岩波現代全書)

  • 作者: 藤田 庄市
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/09/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



宗教による特異的・超常的・意識変容(神秘体験)に関心がある。それで本書を手にした。評者自身そのような経験をもつからである。ソレは、自分の身に生じながら、自分を凌駕する圧倒的体験で、底知れぬ歓喜に包まれ、飛翔感をともない(事実、地上はるかに上昇し、足下の自分を見下ろす感覚があり)、全世界と自分が等価であるという実感を伴うものであった。思春期のことだが、ソレ以降、ソレが自分の全思考を占めるようになり、その意味を知るため多大の時間を費やすことになる。そうした中、ルドルフ・オットーや「ヌミノース体験」について知った。河合隼雄著「ユング心理学入門」の中でのことだと思う。自分の生にたしかさを覚えず、人生の意味を思案する時期のことであったが、その後、たいへん幸いなことに、ヘンな宗教に入ることなく還暦を迎えつつある。まかりまちがえば、ソレを再び味わいたいがために、神秘体験を誘いとする危うい宗教の道に踏み迷うことになったかも・・と思いもするからである。

著者も、神秘体験の圧倒的な力に触れたいがために宗教修行を志向する(特に、若い)人(が多いこと)を念頭において、本書を記したように見受けられる。『あとがき』に《本書を読んで下さって、もし、修行や宗教に憧憬を感じた方がいたならば、とりわけ若い人たちへであるが・・》とことわって、その危険に注意を引き《なんらかの形で宗教を探究しようというのであれば、認知科学をはじめ自然科学を学び、社会科学を踏まえ、宗教批判の思想を、洋の東西を問わず、学び、考えてほしい。・・中略・・宗教に騙されてはいけない。//そうしたことが解(わ)かったうえで、それでもなお、修行や宗教の門をたたこうというのであれば、僕は止めない》と述べていることからもわかる。

著者の前著『行とは何か』は、行が身体(代謝)に及ぼす化学的変化、人格に及ぼす心理学的影響を数値で示すたいへん科学的なものであったが、本書はそうではない。圧倒的経験の事例とそれに至った道についての優れたルポルタージュである。だから、うっかりすると危険な道への誘いとなりうる。著者の躍動する文章が、さらにそれを後押ししそうでもある。「警告」はナルホドと思う。ちなみに、『第1章 修行とは何か その原理』で、修行の典型的要素、行為の類型、動機が示され、その〈4:「語りえぬもの」の神秘〉でルドルフ・オットー著『聖なるもの』に、〈5:宗教体験の人類共通性〉においては、井筒俊彦著『意識の形而上学』(1993)、『イスラム哲学の原像』(岩波新書1980)への言及があり、《異様にも見える個人の宗教体験が、世界的視野で検証するや、じつは普遍的なのかもしれないのである》と結語して、続くルポルタージュを読むようすすめている。


行とは何か (新潮選書)

行とは何か (新潮選書)

  • 作者: 藤田 庄市
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 単行本



ユング心理学入門

ユング心理学入門

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 培風館
  • 発売日: 1967/10
  • メディア: 単行本



聖なるもの (岩波文庫)

聖なるもの (岩波文庫)

  • 作者: オットー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/02/17
  • メディア: 文庫



意識の形而上学―『大乗起信論』の哲学 東洋哲学覚書

意識の形而上学―『大乗起信論』の哲学 東洋哲学覚書

  • 作者: 井筒 俊彦
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1993/03
  • メディア: 単行本



イスラーム哲学の原像 (岩波新書)

イスラーム哲学の原像 (岩波新書)

  • 作者: 井筒 俊彦
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1980/05/20
  • メディア: 新書


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