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『虫の目になってみた: たのしい昆虫行動学入門』 海野 和男著 河出書房新社 [生物学]


虫の目になってみた: たのしい昆虫行動学入門

虫の目になってみた: たのしい昆虫行動学入門




本書には、標本を撮影した図鑑のような写真ではなく、まさにイキモノとして迫ってくる昆虫たちのど迫力の写真が多数取り上げられている。それもそのはず、著者は「日高敏隆研究室で昆虫行動学を学」んだ昆虫写真家。冒頭、写真撮影についてのマニアックな記述に少々抵抗を感じもしたが、昆虫の生態についての記述には、それだけ撮影にコル方ならではの観察する目の確かさを感じて、脱帽であった。

以下、「第3章 昆虫の運動能力」からの引用。「人は飛行機を作り、1万キロ以上の距離を時速1000キロメートルもの速さで無着陸で飛ぶことができる。かつてのB747ジャンボ機は全長70メートル、重さは満載で350トン近くあるそうだ。70メートルと言えばミツバチのおよそ5000倍の大きさだ。ジャンボ機をそのままミツバチほどの大きさにできたとすると重さはいったいどれくらいになるか計算してみた。すると重さはなんと0.003グラムほどにしかならない。そして速度はだいたい時速0.2キロメートルということになる。 / ミツバチの体重はおよそ0.1グラム。ミツバチがジャンボ機の大きさだったらと計算してみると何とジャンボ機の36倍近い重さがあることになる。さらにその速度はジャンボ機のおよそ250倍になってしまうのだから驚いてしまう。 / ジャンボ機を36倍の重さにした飛行機など、人類はいまだ作ることができない。この重さで自在に飛ぶことがでくるミツバチはたいしたものである。そして昆虫の作りが、人間の作った飛行機械と比べていかに合理的にできているか、とも思うのだ」。


世界を、こんなふうに見てごらん (集英社文庫)

世界を、こんなふうに見てごらん (集英社文庫)

  • 作者: 日高 敏隆
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/01/18
  • メディア: 文庫



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『街なかの地衣類ハンドブック』 大村 嘉人著 文一総合出版 [生物学]


街なかの地衣類ハンドブック

街なかの地衣類ハンドブック




「都会に自然はない」ように言われもするが、そんなことはないと著者はいう。「都市部の自然は、見慣れてしまって一見すると面白みがないと感じるかもしれません。しかし、木の幹や古いコンクリートなどに近づいてみると、今まで気づかなかった地衣類が織りなす“別世界”を発見できるかもしれません」/「皆さんが普段見ている景色の中には、必ずと言っていいほど地衣類が生えています。しかし、視界に入っていても気づかずに通り過ぎていく人がほとんどでしょう。コンクリートや岩の表面などにペンキの染みのようになっているあの『汚れ』や、木の幹にべったりついている灰色や黄色っぽい『コケ』だと思っていた生き物の正体は、地衣類かもしれません」/「地衣類は私にとって小宇宙のような存在です。・・・中略・・・皆さんが地衣類を“宇宙”と思うかどうかはさておき、その存在を知ると今まで見ていた景色と違う世界に見えてくるかもしれません」とある。

本書のコンセプトは「遠くから色合いで地衣類を見つけて、近づいて観察する」。《本書の使い方・凡例》には「これから地衣類を観察してみたいという方を対象に、都市部に生育する地衣類の見つけ方や見分け方にポイントをおいて解説しています」とあり、「入門書である本書では、遠目で見たときの色合いと、近くで観察したときの “絵合わせ” で、おおよその名前を調べられるように58種を選んで紹介しています」とある。10倍程度(望ましいのは15倍)のルーペを用意するよう勧められている。

ページ構成は、地衣類のある種がどこに発生しているのかわかる「遠目」の写真と拡大写真とからなり、分類、分布、見つけやすさ、生育場所、野外での識別(肉眼で直接観察でき、識別に役立つ情報)、特徴が簡潔に示されている。ページ最上部(天小口)には、「地衣類全体が与える色の印象に基づいて掲載種を6色に分け」検索・同定の目安としている。

厚さ5ミリ、大き目のスマホ程度の、まさに「ハンドブック」で、地衣類の“小宇宙”を発見・識別するのに便利。自然探索に、本書を持って街なかへ出よう!


校庭のコケ―野外観察ハンドブック

校庭のコケ―野外観察ハンドブック

  • 作者: 中村 俊彦
  • 出版社/メーカー: 全国農村教育協会
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 単行本



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