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『物語もっと深読み教室 (岩波ジュニア新書)』宮川 健郎著 [児童文学]


物語もっと深読み教室 (岩波ジュニア新書)

物語もっと深読み教室 (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 宮川 健郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/03/20
  • メディア: 新書



昨日、『ブックオフ』で立ち読みしているうちに、一冊全部を読みきってしまった。以下は、備忘録として記すもの。


著書は盛岡出身の友人の学校に招かれ、中・高生を相手に特別講義をする。その内容が本書である。

著者は、物語の作者が、自ら立てた語り手をとおし、どのような視点で創作していったのか、「物語」の内容だけでなく、その語り・叙述の方法を取り上げて「深読み」の方法を示していく。例としては、谷川俊太郎「みみをすます」、漱石『坊ちゃん』、『こころ』、太宰『走れメロス』、鴎外『舞姫』、鏡花『高野聖』、賢治『永訣の朝』などをあげる。さらに、昔話とファンタジーのちがいやその構造についてなど語る。

物語を語るその方法に着目することで、「深読み」が可能になることを示し、さらには、自分の「語り手」をつくって、自分たちを取り巻く世界(現実)を再構成して「物語」をつくるよう促しもする。

「読み」と同時に「創作」も考慮されている点で、石黒圭の《「読む」技術 》を想起した。

著者は、宮城教育大で竹内敏晴の研究室に出入りしていた時期に、谷川俊太郎の「みみをすます」について竹内から啓発を受ける。著者はその点に触れていないが、竹内は(その自伝的著作『ことばが劈(ひら)かれるとき』をみると)耳の疾患をかかえて苦労した時期がある。それで、そのような気付きができたであろうように思った。

【自作を語る第13回 宮川健郎さん(児童文学研究者)】
http://zorotai.honmachihiro.com/?eid=190


ことばが劈(ひら)かれるとき (ちくま文庫)

ことばが劈(ひら)かれるとき (ちくま文庫)

  • 作者: 竹内 敏晴
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1988/01/01
  • メディア: 文庫



「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける (光文社新書)

「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける (光文社新書)

  • 作者: 石黒 圭
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/03/18
  • メディア: 新書




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『ペーパーボーイ 』(STAMP BOOKS) ヴィンス・ヴォーター著 岩波書店 [児童文学]


ペーパーボーイ (STAMP BOOKS)

ペーパーボーイ (STAMP BOOKS)

  • 作者: ヴィンス・ヴォーター
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/07/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



夏のあいだ友人に代わって新聞配達をした吃音・発話障害をもつ白人少年のお話し。その間に起きた出来事、人との出会いを少年はタイプして残す。その残された記録が本書という設定になっている。

描かれるのは、1960年ころのアメリカ南部の生活。人種差別が現在よりはるかに色濃い時代で、「黒人は自分たちの問題は自分たちだけで片づけるし白人や白人の警察には頼らないんだ」という意識をもっている。

その言葉を口にしたのは、少年の家で共に暮らしているメイドのミス・ネリーだ。少年は「マーム(英語本文ではMam)」と彼女を呼ぶ。マームは、少年にとって「世界で一番の友だちだ」。

少年とマームの関わったふたりの間の秘密となった事件が、徐々に明らかにされていく。そして、最後はこう綴じられる。「そろそろタイプもおしまいにしようと思う。/ タイプした紙の束は新聞用の紐でしばって裏庭のテラスへもっていき『やばいソファ』の下のゆるんだレンガの下に埋めてしまおう。/地獄の番犬たちにかぎつけられないよう深い穴を掘らなきゃならない。口から出た言葉は言ったとたんに風に吹かれてどこかへ行ってしまうけれど紙の上の言葉はいつまでも残るのだから」。

読者は、「深い穴」に葬られたハズの物語を読むことができる。


著者のホームページ
http://www.vincevawter.com/


Paperboy

Paperboy

  • 作者: Vince Vawter
  • 出版社/メーカー: Yearling
  • 発売日: 2014/12/23
  • メディア: ペーパーバック



ドライビング Miss デイジー [DVD]

ドライビング Miss デイジー [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • メディア: DVD


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『児童文学論 』 リリアン・H.スミス著 岩波現代文庫 [児童文学]


児童文学論 (岩波現代文庫)

児童文学論 (岩波現代文庫)

  • 作者: リリアン・H.スミス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/10/19
  • メディア: 文庫



上記書籍を読み始めた。新刊として出たものだが、初版は1964年らしい。息の長い本である。息の長いということは「生命力」があるといってもいいだろう。すこし表現に古めかしさを感じもするが、読み続けられるだけの充実した内容を感じる。


児童文学論

児童文学論

  • 作者: リリアン H.スミス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1964/04/20
  • メディア: 単行本



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