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あとがき『オーケストラの読みかた 改訂版: スコア・リーディング入門』池辺 晋一郎著 学研 [音楽]


オーケストラの読みかた 改訂版: スコア・リーディング入門

オーケストラの読みかた 改訂版: スコア・リーディング入門

  • 作者: 池辺 晋一郎
  • 出版社/メーカー: 学研プラス 児童・幼児事業部 音楽事業室
  • 発売日: 2017/01/24
  • メディア: 単行本



読めるものは何でも読んでやろう。外国語であろうが、数式であろうが、楽譜であろうが・・と稀有壮大な願いをもつものながら、そうそう何でも読めるものではない。

楽譜をよむには、まずは楽典の勉強からなどと思っていたが、もっとずっと楽しく、オーケストラの楽器の話を交えるなどして教示してくれる本を見出した。

駄洒落で有名な作曲家池辺先生の著作である。上記イメージ書籍(『オーケストラの読みかた 改訂版: スコア・リーディング入門』)は、スコアを読むための本である。まさに、何でも読んでやろう人間にはうってつけの著作で、おまけにCDもついての大サービス、なんと1600円。

目次

1部 スコアのかたち
1 スコアって何だろう?
2 楽器の配列はどうなっているの?
3 楽器の特徴を知っておこう
4 楽器の家族
5 ステージ上の楽器の配列
6 オーケストラの編成を見てみよう

2部 スコアを楽しむために
1 音部記号を知ろう!
2 移調楽器って何?
3 スコアに登場する記号

3部 スコアを読んでみよう
1図形的に見てみよう
2 メインメロディーを探してみよう
3 スコアをタテに読んでみよう
4 オーケストラの色彩を味わおう
5 オーケストレーションの魔術

Let's try スコア・リーディング
あとがき

(以下、上記書籍「あとがき」全文)

************

オーケストラという音楽の表現媒体は、ほかの分野で言えば何に似ているだろう。総天然色フィルム、大百科事典、満漢全席、オールスターキャスト...。豪華にして贅沢。

オーケストラは聴くものであり、同時に弾くもの、吹くもの、叩くものだ。組織するもの、運営するものという人もいる。そこに、読むものという概念を加えてみたい。という発想が僕の裡にあった。高校生のころの思い出を綴ってみようーー夜、ベッドに入る。仰向けに寝て、スコアを広げる。大好きな曲、つまりレコード(LPの時代である)などでよく聴く曲、つまりよく知っている曲。

スコアを眺めていると、頭のなかで音が鳴り始める。ほとんど、その曲を聴いている状態になる。スコアだけで音が鳴るなんてすごい!と思うかもしれないが、そうではない。よく知っている曲ゆえに、音符を見ると脳内のどこかが刺激され、聴いたことを思い出すからだと思う。楽しかった。朝、目覚めると広げたスコアが顔をおおっているのだった。

建築家は設計図に完成した建物を見るのだろうし、舞台の演出家は、演じられている芝居を瞼に浮かべつつ戯曲を読むのだろう。指揮者の、仕事前のスコアの読み込みはすごい。すべて覚えてしまうほど、すごい。その時彼の頭のなかでは、音が響き渡っている。もちろん作曲家だって、音が聴こえてこなければスコアの音ひとつ書けない。でもあなただって、大好きなテレビドラマのシナリオをたまたま入手し、目を通せば、ドラマのシーンをかなり正確に思い出せるはず。

だから、エキスパートと同じにはいかなくても、スコアから音を読み取りたいと思う人は少なくないだろう。そこに至る手始めは、よく知っている好きな曲のスコアを見ること。そのための手がかりになればと思った。この書はあくまで、「聴きかた」ではなく、「読みかた」なのである。

2016年12月 

池辺 晋一郎
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