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『世界史を変えた13の病』 原書房 [医学・健康]


世界史を変えた13の病

世界史を変えた13の病

  • 作者: ジェニファー・ライト
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 単行本



だいぶ暗い内容だ。なにしろ病気がテーマなのだから仕方ない。それでも、世界史のフツウのテキストではまず知りえない情報が満載だ。すこし観点をずらすと、歴史の相貌はこうも変わるのかと思う。また、西洋人の考え方の基底には、こういう事情が絡んでいたのだなと感じさせられたりもする。医療の進んだ今日の常識がゆすぶられる内容もある。

「アントニウスの疫病」について、それは天然痘か発疹チフスかという話の流れで、〈とはいえ、その疫病がなんだったにせよ、当時の人々にとってたいした違いはなかった。どの病気も治療できるような薬はなかった。1600年以前は、どんな種類の病気も区別するのが難しく、急速に広まるエピデミックはすべて単に疫病と呼ばれた」と、ある。

得体の知れない相手と戦うというのはタイヘンなことである。何かわからないモノによって続々と人が亡くなっていく。目にも見えず名もない相手との素手の戦いを強いられ、手をこまねいているうちに、さらに多くが亡くなって行く。想像するだけでも恐ろしい。そのような「世界史を変えた」病が扱われていく。

著者の文章はユーモアがあるのだが、シニカルで癖があり、訳注がないと分からない文章も散見される。そこが分からないと、この本の醍醐味は得られないだろうと感じるものも中にはあるが、それでも歴史の裏面を知るうえで一読の価値はある。

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サバイバルボディー:人類の失われた身体能力を取り戻す スコット・カーニー著 白水社 [医学・健康]


サバイバルボディー:人類の失われた身体能力を取り戻す

サバイバルボディー:人類の失われた身体能力を取り戻す

  • 作者: スコット・カーニー
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2018/09/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



表紙に描かれているのは氷の浮かんだ水に沈む人のカラダであるようだ。本来、人間のカラダは、それに耐えうるものであることを示すものらしい。らしいだけでなく、それを実践して「アイスマン」と呼ばれて人物がいる。ヴィム・ホフというのがその男の名だ。彼は、ニュースで知られ、有名になり、「アイスマン」になるためのメソッドを開発する。本書中にも紹介されているが、それは、さほど難しいモノではない。

著者は、そのメソッドを、信奉者を死に至らせかねないカネ儲けの胡散臭いモノであろうと疑う。そして、それを検証する旅にでる。ところが、実際にヴィム・ホフに会い、そのメソッドを体験して、「人類の失われた身体能力を取り戻す」効果のあるものであることを知る。「アイスマン」を検査した医学者に会い、「アイスマン」に影響された人物たちに会う。そうして得た医学的証拠、他の身体改造メソッドの事例が示される。それは驚くべきものだ。

そしてついに著者の検証の旅は、凍てつくキリマンジャロの山頂に達する。著者はヴィム・ホフと一緒に、高度順化なしの30時間で、それを成し遂げる。もっともそれは「高度の影響が忍び寄ってくる。周囲の世界がぼやけ、一歩ごとに足が少しずつ重くなってくる。自分が失神しかけているのに気づいて、速い呼吸を30回繰り返しているうちに、サングラスを外したみたいに周囲がまた明るくなってくる」という中での達成だ。

著者は、言わば「ミイラ取りがミイラにな」ったの言葉を地で行ったことになる。本書を読むなら、著者同様に「サバイバルボディー」を獲得することができるにちがいない。少なくとも、そのメソッドにしたがって、氷水の中に入っていくだけの動機付けを与えてくれる本である。きっと、そうしたいと思うようになるにちがいない。であるからこそ、本物のミイラになることのないように、巻頭に「警告」文が用意されているのだろう。ノンフィクション文学としても秀逸。


【ミイラ取りがミイラになるの解説】
http://kotowaza-allguide.com/mi/miiratorigamiira.html
【注釈】 ミイラを取りに行った者が、その目的を果たせずに自分がミイラになってしまうことから、人を連れ戻しに行ったり探しに行ったはずの者が、先方にとどまって帰ってこなくなってしまうこと。
また、説得しに行ったはずなのに、かえって相手に説き伏せられてしまうことをいう。
「ミイラ」とは、防腐剤として用いられた油のことをさす。
ミイラ(木乃伊)は、アラビアやエジプトなどで死体に塗る薬のことで、この薬を布で巻いて箱に入れ棺におさめると死体が腐るのを防げた。
この薬を取りに行った者が、砂漠で倒れるなどして目的を果たせず、ついには自分がミイラになってしまったことが、このことわざの起源とされている。
「ミイラ」はポルトガル語で「没薬」という意味。 「木乃伊」は当て字で、オランダ語「mummie」の漢訳。


ICEMAN 病気にならない体のつくりかた

ICEMAN 病気にならない体のつくりかた

  • 作者: ヴィム・ホフ
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2018/07/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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孤独の達人 自己を深める心理学 (PHP新書) 諸富 祥彦著 [心理学]


孤独の達人 自己を深める心理学 (PHP新書)

孤独の達人 自己を深める心理学 (PHP新書)

  • 作者: 諸富 祥彦
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2018/08/18
  • メディア: 新書



他者(家族、友人、同僚、etc)からの同調圧力に屈して応じれば応じるほど、あるいは、みずから他者と繋がることを願って言動すればするほど、自分自身から切り離される。どうして自分自身を失ってまで、他者とつながろうとするのだろうか、してしまうのだろうか。そのことの虚しさに気づいて愕然とされている方ほど、本書から得られるものは大きいにちがいない。自分を取り戻し、「自己を深める」手立てを知ることができる。

前半は、今日の日本における「孤独」について考察される。統計などをとおし、孤独はヘンではなくフツウになっていること。これからは孤独を余儀なくされる時代が到来することが示される。そして、そのような中で、主体的に孤独を選択すること、孤独を楽しむことが勧められる。

後半になって(第4章「自分らしく生きることができない苦しみ」から)著者の本領が発揮される。冒頭から順次読んでいくと、いつになったら「自己を深める」具体的な方法について記されるのか、心配になるほどだったが、「人間性心理学」や「フォーカシング」の手法が分かりやすく説明されていく。前半部分のいわば前置きも、どれほど「自己」を失わせる病んだ社会に住んでいるかを、認識・自覚してもらうために必要なのかもしれない。それほどに「ともだち100人できるかな」病は個々の深いところまで入っているということなのだろう。

「和して同ぜず」「付和雷同」しない自己をキチンともち、その上で、他者と深くつながっていくこともできる人間(本書中で強調されている言葉でいうなら「単独者」)になれたなら素晴らしいが、そうなる上でたいへん有用な情報知識が提供されている。


人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ

人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ

  • 作者: A.H. マズロー
  • 出版社/メーカー: 産能大出版部
  • 発売日: 1987/03/10
  • メディア: 単行本



フォーカシング

フォーカシング

  • 作者: ユージン T.ジェンドリン
  • 出版社/メーカー: 福村出版
  • 発売日: 1982/08/01
  • メディア: 単行本



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ジャーナリズムの道徳的ジレンマ 畑仲哲雄著 勁草書房 [マスメディア]


ジャーナリズムの道徳的ジレンマ

ジャーナリズムの道徳的ジレンマ

  • 作者: 畑仲 哲雄
  • 出版社/メーカー: 勁草書房
  • 発売日: 2018/08/31
  • メディア: 単行本



本書では、報道の世界で働くときに遭遇する道徳的な問題が20ケース取り上げられる。そこでは、読者もジレンマに陥るような仕掛けがなされる。単なる傍観者としてではなく、当事者として考えなければならないハメになる。ジャーナリズムの恩恵を被る身として、こうしたせめぎあいを経て、新聞紙面が作られているのだなとの感慨をもった。そのご苦労を慮ることができた。

〈ケースはすべて、「思考実験」→「異論討論」→「実際の事例と考察」の3パートで構成され〉る。〈「思考実験」では、ジャーナリズムの道徳的難問が物語の形式(見開き2ページ)で示され〉〈「思考実験」の最後には、AかBかの選択肢が与えられ〉ている。〈どちらかが正しく、どちらかが間違っているわけでは〉ない。 / 次の「異論討論」〉では、AとBの対立する2つの立場からの意見が(3つずつ)交互に述べられる。

各ケースごとに、ディベートに参加している気分になる。身につまされつつも、A、Bどちらの立場でもいいように(素人目に)思ったりもするが、どちらの意見にもキチンと根拠があることが「実際の事例と考察」から示される。それら一連の流れには(記憶に新しいモノ、古いモノいろいろだが)「実際の事例」がドーンとあるので、抗いがたい力がある。それだけに、否応なく考えさせられるし、単なる読み物として読んでもオモシロイ。

ちなみに、ここのところ話題によくのぼる「忖度(そんたく)」について言及のあるケース10「記事の事前チェックを求められたら」から以下に引用してみる。そこでは、もっぱら「検閲」の問題が扱われているのだが・・・。〈権力による露骨な介入はわかりやすいが、現代社会における「検閲」の問題はケースごとに判断するしかない。読者や視聴者が注意しなければならないのは、メディアが権力の意向を忖度(そんたく)して自主規制する行為だ。メディア企業が内部で自主検閲しはじめれば、読者・視聴者の側は、何が隠されたか知る手がかりを失ってしまう。〉

(以下、「目次」から)第1章 人命と報道(最高の写真か、最低の撮影者か / 人質解放のために警察に協力すべきか / 原発事故が起きたら記者を退避させるべきか / 家族が戦場ジャーナリストになると言い出したら) // 第2章 報道による被害(被災地に殺到する取材陣を追い返すべきか / 被害者が匿名報道を望むとき / 加害者家族を「世間」から守れるか / 企業倒産をどのタイミングで書く) // 第3章 取材相手との約束(オフレコ取材で重大な事実が発覚したら / 記事の事前チェックを求められたら / 記者会見が有料化されたら / 取材謝礼を要求されたら) // 第4章 ルールブックの限界と課題(ジャーナリストに社会運動ができるか / NPOに紙面作りを任せてもいいか / ネットの記事を削除してほしいと言われたら / 正社員の記者やディレクターに表現の自由はあるか) // 第5章 取材者の立場と属性(同僚記者が取材先でセクハラ被害に遭ったら / 犯人が正当な主張を繰り広げたら / 宗主国の記者は植民地で取材できるか / AIの指示に従って取材する是非) // あとがき ジャーナリストの理想へ向けて / 索引


地域ジャーナリズム: コミュニティとメディアを結びなおす

地域ジャーナリズム: コミュニティとメディアを結びなおす

  • 作者: 畑仲 哲雄
  • 出版社/メーカー: 勁草書房
  • 発売日: 2014/12/23
  • メディア: 単行本



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学校図書館員と英語科教諭のための 英語多読実践ガイド  江竜珠緒・村松教子著 [教育・学び]


学校図書館員と英語科教諭のための 英語多読実践ガイド ― 導入のためのブックガイド付

学校図書館員と英語科教諭のための 英語多読実践ガイド ― 導入のためのブックガイド付

  • 作者: 江竜 珠緒
  • 出版社/メーカー: 少年写真新聞社
  • 発売日: 2018/09/22
  • メディア: 大型本



明治大学付属の中高一貫校で「英語多読」を10年にわたって実践してきた著者たちによる「英語多読実践ガイド 」。

第1部では、英語多読の必要性、学校図書館における英語多読の効果、学校図書館員や英語科教諭が得られる利点 / 第2部では、学校図書館に英語多読を導入する方法、選書、分類、書誌データ作成が具体的に示される / 第3部では、英語多読の指導方法について、中学1年から高校3年まで、文法項目的な観点から見た英語多読本や授業でできる実践例の紹介 / 第4部では、すぐれた作家や、最初に学校図書館にそろえるべき英語多読本100冊の紹介 が示される。

「英語多読」に用いられる洋書は、一般的な「洋書」とは別のもので(本書でいう)「英語多読本」とは、学習者向けに編集されたものと、非常にやさしい原書。「英語多読向け書籍の種類」としてGR(Graded Readers)、LR(Leveled Readers)、Picture Books、Authenticがあげられ、書籍購入にあたって「選書に活用できるサイト一覧」も示されてある。

本書をとおして、日本が「英語多読先進国」であり、「たくさんの実践報告やらマニュアルが出版されている」ことを知った。なによりも、本書自体がたしかな実践と経験に裏付けられていて、これから自校に英語多読を導入することを願う先生方のたいへん良い助けとなるにちがいない。


以下は、「選書に活用できるサイト一覧」に紹介されたサイト

Kids Books Series
https://www.kidsbookseries.com/

Reading Rockets
http://www.readingrockets.org/

Perma-Bound
https://www.perma-bound.com/

Young Adult Library Services Association(YALSA)
http://www.ala.org/yalsa/


多読で学ぶ英語―楽しいリーディングへの招待

多読で学ぶ英語―楽しいリーディングへの招待

  • 作者: リチャード・R. デイ
  • 出版社/メーカー: 松柏社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本



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アフター・ヨーロッパ――ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか イワン・クラステフ著 岩波書店 [外交・国際関係]


アフター・ヨーロッパ――ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか

アフター・ヨーロッパ――ポピュリズムという妖怪にどう向きあうか

  • 作者: イワン・クラステフ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2018/08/04
  • メディア: 単行本



監訳者(庄司克宏氏)の「あとがき」によると、本書の原書に出会ったのは、「ポピュリズムを素材としてリベラルEUのゆくえについて執筆するため、あれこれ考えていたとき」とある。その「あれこれ」は『欧州ポピュリズム EU分断は避けられるか(ちくま新書)』として結実した。

続けて監訳者は『アフターヨーロッパ』の内容を、次のようにまとめている。〈そこでは、2015年欧州難民危機が「移民革命」と位置づけられ、EU各国内の多数派は、外国人たち(移民・難民)が自分たちの国を奪っており、自分たちの生活様式を脅かしているのではないかと恐怖を覚えた。そのような中、EU各国の極右ポピュリスト政党は、「反革命」を行おうとしているのだと説明されている。また、欧州における民主主義が長らく「包容」の手段であったにもかかわらず、ポピュリズムの勢力伸長が示すように、いまや徐々に「排除」の道具になってしまっていると指摘されている。〉

執筆の目的等について著者はつぎのように述べる。〈本書は、これから起こりそうなことについてただ思いめぐらすこと、また、われわれが個人的に経験した歴史の急激な変化が、いかにわれわれの現在の行動に影響を与えるかを分析することが目的である。私の心をとらえるのは、私が「既視感的思考様式」とみなすものが政治にもたらす力である。この思考様式とは、われわれが今日経験していることはかつての歴史上の瞬間あるいは逸話の繰り返しである、という確信がつきまとっている心理状態を意味する。 / こうした意味で、欧州は、左派と右派、北と南、大国と小国、欧州の関与の増大を望む者とその縮小またはその消滅を望む者との間のみならず、分裂を直接に経験した者と教科書から学んだだけの者との間でも引き裂かれている。これは共産主義の崩壊とかつての強大な共産圏の分裂を直接に耐え忍んだ人々と、そのようなトラウマを残す出来事に傷つくことなく生まれ育った西欧人とを分かつ裂け目である。(『はじめに 既視感としてのハプスブルク帝国』)」

その点で著者は「共産主義体制化のブルガリアで暮らして、・・・、永遠と思いこんでいたもの(つまり「ソ連」)が突然、暴力によらずに終わるということを味わったことが、私の世代の人生における決定的な経験なのである。われわれは、突然開かれた機会と、新たに見出された個人の自由の感覚に圧倒された。しかし同時に、あらゆる政治的なものははかないという感覚を新たに経験もし、衝撃を受け」てもきた。つまり本書は、そのような経験をした(トラウマのある)人物によるヨーロッパの今と「これから」を思い巡らす書籍である。

印象に残った点としては、フランシス・フクヤマとケネス・ジョウィット(Kenneth Jowitt)の論議が対照的に扱われ〈冷戦の終わりは勝利の時ではなく、むしろ危機とトラウマが始まる前兆であり、彼(ジョウィット)が「新しい世界の無秩序」と呼ぶものの発端であった。」とあること。また、1951年の「難民条約」にからんだ論議で〈欧州における現在の移民(難民)危機と、難民条約ではその危機に実効的に対処できないことは、現在の世界を再構成する際にターニング・ポイントの役目を果たす。昨日まで冷戦後の世界として概念化されていたものは、今日では、非植民地化の再来のようにますます見える。・・略・・ / 政治的文脈に大きな違いがあるにもかかわらず、現在は、1960年代の大衆の感情に似ている。不安に駆られた多数派は、外国人が自分の国を乗っ取り、自分たちの生活様式を脅かしていることを恐れ、また、現在の危機が、世界主義的(コスモポリタン)な志向のエリートと部族的(トライバル)な志向の移民の共謀のようなものによって引き起こされたと確信している。このような危機にさらされた多数派は、抑圧された人々の願望ではなく、社会的強者のフラストレーションを反映する。それは、1世紀以上前のように民族主義者のロマン主義的な想像に囚われた「人民」によるポピュリズムではなく、世界における欧州の役割が縮小することを示す人口動態上の見通しと、欧州に大量の人々が押し寄せてくるのではないかと予想されることによって煽られたポピュリズムである。それは歴史と先例があまりわれわれの役に立たない類のポピュリズムである。p30〉など。


欧州ポピュリズム (ちくま新書)

欧州ポピュリズム (ちくま新書)

  • 作者: 庄司 克宏
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/05/09
  • メディア: 新書



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『満ち欠けスケジューリング術』 moon planner著 サンクチュアリ出版 [ビジネス書]


満ち欠けスケジューリング術

満ち欠けスケジューリング術

  • 作者: MOON PLANNER
  • 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
  • 発売日: 2018/09/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



月の満ち欠けを用いた夢をかなえる手帳術。ある人々にとっては自分の人生を取り戻す手帳術。

太陽暦の世に、月の「満ち欠け」を用いて生活をスケジュールすることにロマンを感じて本書を手にした。以前、『天文手帳(地人書館発行)』を手にして宇宙の動きと調和した生活を願ったことがあるが、その路線だ。

よくある「夢をかなえる」手帳術というタイトルに惹かれて手にしたものの続かなかった方は少なくないように思う。手帳利用の中断とともに、かなうはずの夢もどこかにいってしまう。本書は、その続かなくなりがちなモノを達成までみちびく助けを差し伸べている。

当初、単に自分たちの開発した手帳の使い方をしめして、手帳の売れ行きを伸ばすことがすべてであるかのように思いもしたが、そういうものではなかった。まず冒頭、「ムーンプランナーという不思議な手帳」について(その開発の意図など)説明がなされる。そしてそれは、ふつうの手帳でも代替できないものではないことが示される。(つまり、「ムーンプランナー」は買わなくてもイイということだ)。そしてさらに、実際に、手帳にどのようにスケジュールを書き込んでいくことができるか具体的な説明がなされる。

「時間と手帳の話」と題される第2章に、手帳とは「見えない時間というものを可視化する地図のようなもの」とある。そこではさらに、プランとスケジュールのちがい、手帳利用者の性質(トップダウン派かボトムアップ派か)による使い分け、あくまでもプラン達成のツールである手帳利用に際して、(手段と目的のはきちがいや達成感という)陥りやすいワナへの注意、時間の「質量保存の法則」のこと、プラン、スケジュールを経過を見ながら調整していく方法など、教えられる。それらは、手帳利用の継続とともに、プラン達成の助けとなる。

月の動きと連環して星占いのような怪しげがものも関与するかと警戒したが、そういうものでもなかった。(以下は本書『終わりに』冒頭を引用。タイトルは『時間感覚は一つではない』)。〈満ち欠けでスケジューリングするというと、何か神秘的で、偶然とお祈りだけですべてをどうにかするものという印象かもしれません。でも、この満ち欠けスケジューリング術は、そういうものではありません。 / 太陽のリズムで動いている現代社会の時間感覚にもう一つ月のリズムの時間感覚を並行して取り入れることで、今の生活の問題点の改善や、長期的な時間への意識を変えていくワザです。 / ほかの手帳術、スケジュール術と趣が異なるのは、小さなライフハックやスキマ時間ハウツーではなく、時間感覚そのものについて違う角度を取り入れて考え直していくというのが一番大きな違いだと思います〉。


天文手帳 2019

天文手帳 2019

  • 作者: 浅田 英夫
  • 出版社/メーカー: 地人書館
  • 発売日: 2018/11/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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『賢い子』は図鑑で育てる  瀧 靖之著 講談社 [教育・学び]


16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる

16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる

  • 作者: 瀧 靖之
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



本書の内容を(評者なりに)まとめると、以下のようになる。【著者のいう「賢さ」とは〈夢をかなえる力〉のこと。〈子育ては、いつか本人が夢をもったときに、自立して、それをかなえられる力をあげられたら大成功〉。〈本書はそんな、「賢い子」「賢い脳」を育てることを目的と〉としている。 / 〈AI(=人工知能)が人間に代替する〉これからの「人生100年時代」〈「学び続けなければ生き残れない」未来が〉私たちの子どもたちには突きつけられている。それゆえ、〈新しい知識を学び続け、変化に対応していかなければならない〉。 / そういう時代に備えて、学ぶことは苦痛ではなく、楽しいものであることを悟るように助ける必要がある。そのためのカギは好奇心。そのキッカケとして図鑑を活用できる。】

当初、シュタイナー教育におけるビジュアルなモノの取り扱いを思い出して心配になった。シュタイナーは、自然を実体験させることを重視して、テレビやビデオなどの、いわゆるバーチャルリアリティ体験は、ある年齢まで、敬遠すべきものしているのを思い出したのだ。つまり、本書で重視する「図鑑」も同じではないかと思ったのである。しかし、著者は、自然のリアルな体験の大切さを強調してもいるので安心した。

あくまでも、「図鑑」は、子どもたちが、自分たちの生まれてきた広く深い世界に興味をもち、その世界に分け入って行くためのキッカケとして提案されている。親や祖父母の皆さんは、図鑑をとおして子どもたちの興味・関心を見定め、彼等の人生を後押しすることができる。そのための、具体的な「図鑑」の利用法が本書に説かれている。0歳から5歳まで、そして小学生以降の子供たちへの年齢別の提供の仕方、また、「おすすめの図鑑」も示されている。

以下、章立て『目次』 1 「人生100年時代」を幸せに生き抜くには? 2 脳を育てるカギは好奇心! 3 好奇心を育てるには「図鑑」がいちばん 4 図鑑で育つ力 思考力 5 はじめての図鑑 6 もっと図鑑で勉強グセをつける4つのコツ 7 図鑑は夢を叶えるためのツールです


勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者: 伊藤 敏雄
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



エンデと語る―作品・半生・世界観 (朝日選書)

エンデと語る―作品・半生・世界観 (朝日選書)

  • 作者: 子安 美知子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 1986/06
  • メディア: 単行本



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超高速暗記術~資格試験に忙しくても一発合格! 鬼頭 政人著 大和書房 [教育・学び]


超高速暗記術~資格試験に忙しくても一発合格!

超高速暗記術~資格試験に忙しくても一発合格!

  • 作者: 鬼頭 政人
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2018/09/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



「暗記術」を前面に押し出しているが、資格試験合格のための勉強法を教えてくれる本。新たな資格を取得するにあたり、どのように試験攻略することができるか、その手ほどきの本。試験勉強にあたっては結果的に、大量の暗記も必要となるので、「超高速暗記術」を書籍タイトルの前面に出したのだろう。資格試験だけでなく、受験にもおおいに参考になる。

その受験に関し、(うろ覚えで恐縮だが)作家の佐藤優氏が、試験者側が結局のところ学生の何を見ようとしているかについて、それは「自己マネジメント能力」であると(『埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意(講談社現代新書)』に)書いていた。限られた期間で結果を出すことが求められ、それに応え応じる能力のアル・ナシが試されているのだとそこにはあった。

まさに本書は、日ごとの仕事業務雑事に追われながら、なんらかの資格取得を目指す方たちに、幾多の難関試験をかいくぐってきたノウハウをもつ著者からのプレゼントと言っていい。本書の目次を見ると45の項目すべてに「受かる人は・・・」「落ちる人は・・・」と対比されてある。たとえば、「○受かる人は 覚えていないところを書き出す ×落ちる人は 常に参考書を持ち歩く」といった具合だ。それだけで言いたいことは分かるが、本文も説得力の大きなものだった。人生で道草をおおいに食い、無駄ゆえに得られるモノもあると自己弁護している評者には耳の痛い話しも多かった。

資格試験の合格をめざし効率よく勉強する方法を知り、じっさいに立ち向かううえで、たいへん有用に思う。うっかりすると、生真面目な人ほど、効率の悪い「落ちる人の方法」を選択している可能性が高い。自分の勉強法を吟味し、改善していくうえでたいへん良い本だ。章の冒頭に置かれているマンガも啓発的。

【目次】
第1章 頭のいい人は「だるい暗記作業」にどう向き合うか?
第2章 ラクして覚える暗記計画
第3章 暗記を習慣化する方法
第4章 てっとり早く記憶する「最強の暗記テクニック」


埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)

埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/03/15
  • メディア: 新書



世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法

世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法

  • 作者: 池田 義博
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2017/03/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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目次『世界のエリートが学んでいる哲学・宗教の授業』 作者: 佐藤 優 PHP研究所 [哲学]


世界のエリートが学んでいる哲学・宗教の授業

世界のエリートが学んでいる哲学・宗教の授業

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2018/09/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



第1章 なぜ哲学を学ぶのか
マッカーシズムがアメリカを硬直した国にした
「マラパルテの原則」に従えば革命を起こせる

第2章 真理へのアプローチ
日常感覚で「学問」が根付いているのはドイツだけ
ロゴスとは何か

第3章 建設的な議論のために
哲学的訓練の一環として、イランを考える
今の日本の論壇は「阿呆の画廊」
猫は危機に遭遇すると目を閉じてしまい、死ぬ

第4章 人間の認識のしかた
虹は七色ですか?
「物象化」が常識を作り出す
人間は文化的拘束の結果を体現する

第5章 時代の後退―二十世紀は十八世紀
20世紀後半は哲学的に見ると18世紀
2種類の歴史「ヒストリエ」と「ゲシヒテ」

第6章 「怖れ」と「笑い」について
三四郎はなぜ名古屋で下車したのか?
「学校秀才」という揶揄
人間はどんな時に笑うのか

第7章 閉塞感がもたらすもの
昭和10年代の江戸ブーム
ファシズムとナチズムの違い

第8章 この世界はどうやってできたのか
東洋における「存在論」
仏教が考える世界の成り立ち

第9章 ナショナリズムについて
「ナショナリズム」はエリート階層に上る一番の近道
近代以前に、民族という概念はなかった
ナショナリズムを鎮めることはできない

第10章 神話に囚われる人たち
竹島問題とは、韓国人にとって「恒真命題」
マルクスの「物神崇拝」―神話に囚われる人間たち
知識人は「本物」になってはいけない

第11章 信頼の研究
信頼と時間
嘘をついても信頼が失われないケース
信頼関係を、ときには過剰に消費する

第12章 キリスト教を知らない日本人
教皇の不可謬性
598年前の生前退位

第13章 バチカンの世界戦略
教皇は「会長兼社長」のようなもの
テロを対話で封じ込める戦略
バチカンは、200年から300年のスパンで戦略を練る

第14章 救済のシステム
安倍政権は、気合で動くヤンキー政治
ムスリムは遅刻した時に何と言うか
キリスト教における救済のしくみ
AKB48は、“神”でもあり“イエス・キリスト”でもある

第15章 ムスリムの自爆テロはいかにして生まれたのか
過激派は、スンナ派ハンバリ学派から出ている
「石打ちの刑」を避けるために
切れ者が編み出した「グローバル・ジハード論」

第16章 「アラブの春」とIS
「アラブの春」と、その限界
アサド大統領が所属する「アラウィ派」とは?
シリア・イラクの混乱につけ込んだIS

第17章 物事の本質をつかむ「類比」の思考
なぜ日本人は憲法9条を捨てられないのか
「類比」という思考ツールの重要性
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