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『埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意』 佐藤 優 談・著  講談社現代新書 [教育・学び]


埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)

埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/03/15
  • メディア: 新書



たいへんローカルなタイトルの本であるが、これからの時代、全国区で役立つ書籍だと思う。

以前、「浦和高校」について、埼玉県の各中学の学年トップの入る学校と聞いた覚えがある。たしか、脳科学者の茂木健一郎氏も本来「浦和高校」に行くはずが、もっと上を目指してはという勧めを受けて、学芸大学附属高に入ったようにどこかで読んだ記憶がある。そういう伝統高、今や数少なくなった男子高の熱気が伝わってくる。

内容は、浦和高校卒業生である著者の生徒たちへの講演と講演後の生徒との問答(2015年9月)、保護者に対する講演(2017年12月)、それに、当時の校長(杉山剛士氏)との対談とから成っている。

学業に対する向かい方、受験に対する態度、先生方のことなど、著者は語っていくが、その話の基調には、〈社会に役立つ(どこかを支える)人間となることで、自・他共に幸せを目指すこと〉がある。受験競争を勝ち抜く小手先の技術などではなく、文字どおりグローバル社会を生き抜く骨太の学びを伝えている。

たいへん多忙であるにもかかわらず著者は、講演時、生徒たちにメールアドレスを教え、後に応答している。ある生徒からはメンタル面での相談を受け、それに答える。その後、提案を受けた生徒は問題を抜け出し、「先輩が言ったとおりでした」と連絡する。「先輩」は、すなおに喜びを表わす。その真摯なやりとりから「ああ、こういう人物だから、社会的に成功できているのだな」と感じさせられもした。

「ようやく時代が浦高に追いついてきた」という発言もある。実際のところ、「なんだローカルなタイトルをつけて・・」と打ち捨ててしまってはもったいない書籍だ。

目次(章立て)

はじめに
「公立高教育」の重要性

第1章 世界のどこかを支える人になろう 
ほんとうのエリートとは何か

第2章 一度に三兎を追え
浦高生との質疑応答

第3章 不確実な時代を生き抜くために知っておくべきこと
受験は「総合マネジメント能力」

第4章 対談 高校生活の極意 大学受験の極意
杉山剛士(浦和高等学校校長)×佐藤優

おわりに


獄中記 (岩波現代文庫)

獄中記 (岩波現代文庫)

  • 作者: 佐藤 優
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/04/16
  • メディア: 文庫



学ぶ心に火をともす8つの教え 東大合格者数公立No.1!! 日比谷高校メソッド

学ぶ心に火をともす8つの教え 東大合格者数公立No.1!! 日比谷高校メソッド

  • 作者: 武内彰
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2017/05/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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『知ってるつもり――無知の科学』 早川書房 [教育・学び]


知ってるつもり――無知の科学

知ってるつもり――無知の科学

  • 作者: スティーブン スローマン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/04/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



認知科学にもとづく評判どおりのオモシロイ本だ。多数の事例をとりあげ、無知と錯覚のうちに生きるわれわれ(ヒト)について教えてくれる。「錯覚」とは、「知識の錯覚」。「実際にはわずかな理解しか持ち合わせていないのに物事の仕組みを理解している」かのように思ってしまう「錯覚」のこと。それは、無知と同様、慢心や種々の問題を生む。そうした事例の中には、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」が犠牲になった水爆をつかった核実験「キャッスル・ブラボー」も含まれる。

ヒトの「思考」について(その得意な思考方法と不得手な思考方法について)教えられるだけでなく、「知識のコミュニティ」とその役割について多くの説明がなされる。たとえば、「人が自分の頭のなかだけにある限られた知識と、因果関係の推論能力のみに頼っていたら、それほど優れた思考を生み出せないはずだ。人類が成功を収めてきたカギは、知識に囲まれた世界に生きていることにある。知識は私たちが作るモノ、身体や労働環境、そして他の人々のなかにある。私たちは知識のコミュニティに生きている。 / 私たちは他の人々の頭のなかにある膨大な知識にアクセスできる。誰にでも、それぞれちっぽけではあるが自らの専門領域を持つ友人や親族がいる。たとえば・・・」といった具合だ。

また、本書では、「知識の錯覚」のもつ「それなりの役割」についても示される。最終章末では、個性の異なる著者の娘さん(ふたり)が対照させられ、まとめとなっている。その最後の一文は「少しばかりの錯覚は悪くない。」である。(以下は「序章」と「結び」から、本書について記されてある部分の抜粋)。

なぜ人間は、ほれぼれするような知性と、がっかりするような無知をあわせ持っているのか。たいていの人間は限られた理解しか持ち合わせていないのに、これほど多くを成し遂げてこられてのはなぜなのか。本書ではこうした疑問に答えていく。(p11「序章 個人の無知と知識のコミュニティー」)

本書を通じて、知性の働きについての理解が深まり、自分の知識や思考のうち、身の回りのモノや人に左右される部分がどれほど大きいか認識を新たにしていただければ幸いである。私たちの両耳のあいだで起きていることは、たしかにすばらしい。ただそれは他の場所で起きていることと密接にかかわっているのだ。(p27「序章 個人の無知と知識のコミュニティー」)

本書には3つの主題がある。無知、知識の錯覚、そして知識のコミュニティである。本書の議論から導き出される結論は単純なものである、といった錯覚をわれわれは持っていない。本書の教訓は、無知を解消するため、コミュニティで幸せに暮らすため、あるいはあらゆる錯覚を打破するための秘策などでは“まったくない”。むしろその逆だ。無知は避けられないものであり、幸せは主観的なものであり、錯覚にはそれなりの役割がある。(p276、7「結び 無知と錯覚を評価する」)

以下、目次

序章 個人の無知と知識のコミュニティー
思考は集団的行為である / 無知と錯覚 / 思考は何のためか / 知識のコミュニティ / なぜこれが重要なのか

第1章 「知っている」のウソ
どれだけの知識があるか / 錯覚の抗いがたい魅力

第2章 なぜ思考するのか
脳はなんのためにある? / 賢い脳 / フネスの苦しみ

第3章 どう思考するのか
人間は物事の因果を考える / 前向き推論と後ろ向き推論 / 物語

第4章 なぜ間違った考えを抱くのか
必要十分 / 因果的推論には2タイプある / 直観、熟慮、説明深度の錯覚

第5章 体と世界を使って考える
知能を具現化する / 人間のデザイン / 世界が私たちのコンピュータである / 脳は知性の中にある

第6章 他者を使って考える
集団的狩猟 / 賢さ / 志向性の共有 / 今日のチームワーク / 境界での混乱 / 個人を知識のコミュニティに合わせてデザインする / 集団意識の強みと危険性

第7章 テクノロジーを使って考える
思考の延長としてのテクノロジー / テクノロジーは(まだ)志向性を共有しない / 真の超絶知能 / 未来を予測する

第8章 科学について考える
科学に対する国民の理解 / コミュニティへの忠誠心 / 因果モデルと科学への理解 / 知識の欠乏を埋める

第9章 政治について考える
錯覚を打ち砕く / 価値観と結果 / ガバナンスとリーダーシップ

第10章 賢さの定義が変わる
知能 / 知能テストの歴史 / 知識のコミュニティからのインスピレーション / 集団知能とその重要性

第11章 賢い人を育てる
何を知らないかを知る / 知識のコミュニティと科学の授業 / 学習のコミュニティ

第12章 賢い判断をする
説明嫌いと説明マニア / 情報量を増やすことは解決策にならない / 集団意識が経済を動かす / より良い判断を「ナッジ」する / 教訓① かみ砕く / 教訓② 意思決定のための単純なルールを決める / 教訓③ ジャスト・イン・タイム教育 / 教訓④ 自分の理解度を確認する

結び 無知と錯覚を評価する
無知は絶対的に悪か / コミュニティの判断力を高める / 錯覚を評価する

謝辞 / 訳者あとがき / 原注



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『フランス人ママン 「強く生きる子」を育てる75の言葉』 荒井好子著 河出書房新社 [教育・学び]


フランス人ママン 「強く生きる子」を育てる75の言葉

フランス人ママン 「強く生きる子」を育てる75の言葉

  • 作者: 荒井好子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/03/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



精神文化の中核を「甘え」とみなすことのできる日本において(たしか、「『甘え』の構造」で土居健郎さんがそんなことを書いていたと思うが)、そのど真ん中を生きてきた者が読めば、必ずカルチャーショックを受けることは間違いない。ショックを受けないのであれば、よほどアメリカナイズされて、精神的に「日本」から遠くなっている方だと思う。

依存的であるために、自・他の区別が難しく(つまり、その境界が曖昧で)、生活・対人関係・人生に困難を抱えている方は少なくないように思う。また、他者に対して、そうと気づかないまま「迷惑」となっていることも多いように思う。(もっとも、タコツボ的環境のなかで、互いに依存し合っていると、それはそれで、過ごしやすいということもあるのだろうが、とてもとても自己を確立した「大人の関係」とはいえない。)

フランスの子育てについて記した本書を読むと、子どもが「個」を確立し、自律した大人となっていくよう、揺籃期からすでに、親や周囲が助けていく様子が分かる。日本人である著者は、その文化の違いに驚く。その驚いた経験がすなおに綴られている。

本書は著者からのカルチャーショックの「お裾分け」である。ひとつひとつの章・話は短いものでありながら、今日のグローバル社会のなかで「強く生きる子」として育てていくための参考になることはまちがいない。また、すでに大人である方も、自分がホンモノの「大人」かどうか吟味する助けとなるにちがいない。



「甘え」の構造 [増補普及版]

「甘え」の構造 [増補普及版]

  • 作者: 土居 健郎
  • 出版社/メーカー: 弘文堂
  • 発売日: 2007/05/15
  • メディア: 単行本



「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

  • 作者: 山本 七平
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1983/10
  • メディア: 文庫



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『定年後の知的生産術 (ちくま新書)』 谷岡 一郎著 筑摩書房 [教育・学び]


定年後の知的生産術 (ちくま新書)

定年後の知的生産術 (ちくま新書)

  • 作者: 谷岡 一郎
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/04/06
  • メディア: 新書



「団塊の世代(昭和22~24年。本書では広義で昭和21~30年くらい)に生まれた人々」を励ます本。著者はそれらを「クリエイティブ・シニア」と呼び、「これからの日本を知的に先導する大きな力」と考えている。

その根拠を著者は次のように述べる。〈 a オールラウンド型の知識では若い世代に負けることがあったとしても、「これだけは負けない」という少数の「エキスパート型の」得意科目(もしくは特異な才能)を持つ。b 学ぶ楽しさを知っている。c 経済的に比較的余裕がある。d 競争を打ち勝ってきた経験を多く持つ。e 人生(キャリア・家庭・その他)を通じて、新しい価値観にチャレンジした経験がある。もしくはそのチャレンジを深く考えたことがある。f 新しい知識を吸収し、かつ消化する意欲と能力を持つ〉。

本書は、そのような方を主たる対象にした「知的生産術」の本のわけだが、どちらかというと、著者の思想信条が多く語られるなかに、「知的生産術」も絡められてあるという印象だ。その思想信条が、戦後教育(変化)論、知的エリート論、事実・客観性論、情報環境論、マスコミ論、日本弁護士会論、官僚機構論、奨学金論、ギャンブル論などに示されていく。しかし、それら思想信条には、それなりに根拠が示されて興味深く、退けるには値しない。

いわゆる「権威」によらない「民間」(権威に対するということでは「在野」とも言えると思うが)にある「団塊の世代」の知性の発露を期待したいということで、成功例も示され、著作・本(「論文」)の書き方も示される。

「団塊の世代」に属していて(あるいは、その世代に興味があって)、その歴史的な意味・意義をあじわい知りたい向きに本書はイイように思うが、年代にかかわりなく、純粋に知的生産を目指して、そのノウハウを知りたいのであれば、すでに定評のあるもっと別な本を探したほうがいいように思う。

目次

第1章 なぜ団塊の世代が、日本を先導するのか
省略
第2章 成功している人の時間にはメリハリがある
省略
第3章 民間パワーは権威を駆逐していく
民間のパワー・・・まぼろしの邪馬台国 / 偉大なる素人 / 帰納的な知の集積 / 権威者の底の浅さ / マスコミの失墜 / 日弁連の失墜 / 大学の失墜 / 浮上する民間研究の価値 / 「ブレイン・ストーム」的習慣でアイデアを捕まえる / 「質問する力」の相互作用 / 事実とは何か / 事実の一般化 / どうやら真実・事実らしい / 客観性の保持 / 方法論の一例・・・反面教師としての厚労省の研究 / 期間の設定・・・レファレンス・ピリオドの問題 / データの管理と開示 / 厚労省ギャンブル依存研究の犯罪的な問題点
第4章 知と知が手を結ぶとき―行間の解読といらない情報
省略
第5章 著作への道―まず「やってみる」という近道
省略
第6章 本物を知る世代の新たな冒険
省略


知的生産の技術 (岩波新書)

知的生産の技術 (岩波新書)

  • 作者: 梅棹 忠夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1969/07/21
  • メディア: 新書



発想法 改版 - 創造性開発のために (中公新書)

発想法 改版 - 創造性開発のために (中公新書)

  • 作者: 川喜田 二郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/06/20
  • メディア: 新書



続・発想法―KJ法の展開と応用 (中公新書 210)

続・発想法―KJ法の展開と応用 (中公新書 210)

  • 作者: 川喜田 二郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1970/02/25
  • メディア: 新書



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『東大教授が教える知的に考える練習』 柳川 範之著 草思社 [教育・学び]


東大教授が教える知的に考える練習

東大教授が教える知的に考える練習

  • 作者: 柳川 範之
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2018/02/09
  • メディア: 単行本



たいへん地味な本だ。最近はやりのビジネス書にあるような多色刷り、おまけに重要点にマーカーが前もって付されている風ではない。イラストもない。文字ばかりである。

内容もオーソドックスと言えばオーソドックスだが、それでも、その提供方法は決してアリキタリではない。与えられた情報・知識を基に考えるうえでの確かで永続性のある方法を、タトエを用いてたいへん分かりやすく提示している。身につけたなら一生モノの財産となるように思う。そして、その方法は決して難しいものではない。

情報が津波のように押し寄せてくる今日、情報に流されることなく、それらの情報を活用して、オリジナリティーのある思考の実(それは、なにかの解決策や独自の決定、アイデアの創出)を産みだすための秘訣が示されていく。

著者がまず勧めるのは考えるうえでの「クセ」を身につけることである。クセがついてしまえば、あとは、勝手に実は結ばれていく。クセが身に付くまでは、意識的な努力が必要だが、身についてしまえば、自動的に実は結ばれていく。

ノリの養殖に、それはたとえられている。海のなかで、網を張っていれば、網の間にノリが付着し、生長し、隙間だったところがノリで埋めつくされる。

そうした、クセを身につけた上で、さらに、意識的な工夫をこらすなら、AIには決してできない考えを産み出すこともできるようになる。そうした「練習」方法もでているが、勧められていることは決して難しいことではない。

そして、著者は終章を次の言葉で結ぶ。「考えることはけっしてつらいことでも小難しいことでもなく、楽しいことなのです」。そのような著者の思いを、洩らさず封じ込めたような本である。お勧めしたい。

(以下、目次)

はじめに
1章 情報洪水時代で変わる「頭の使い方」
情報洪水時代、新しい頭の使い方が求められる
なぜ「考える」ことの価値が高まってきたのか
変化の時代に必要とされる頭の使い方
いまだに「正しさの基準」に縛られている日本人
「正解」を探すことは考えることにつながらない
考えるとは情報を「調理する」こと
「知る」と「わかる」の違い
頭の良さには2種類ある
まわりの評価に合わせるより、自分で考えた結果に意味がある
コラム① 決めていくことで頭に判断基準ができる

2章 頭の中に質の良い情報が集まる「網」を張る
考えている人といない人は、情報の取捨選択の仕方が違う
あらかじめ頭の中に網を張って情報を待ち受ける
良い網を張っていると良い情報が引っかかる
くっついたものによって網を太くしていく
あせらず、自然に引っかかるものを待つ
自分の専門以外にも網を張っておく
ぼんやりとした好奇心をはっきりとした問題意識に変える
ネガティブな感情も問題意識に転換できる
感情を感情のままにしない、整理するクセをつける
オリジナリティーは完全にゼロからは生まれない
コラム② 短距離型と長距離型の勉強法

3章 知的に考えるための「調理道具」を揃える
いきなり考えてもうまくいかない理由
ものごとを抽象化して構造をとらえるクセをつける
できなくてもかまわない、クセをつけることが大事
考える土台をつくる頭の使い方① 幹をつかむ ② 共通点を探す ③ 相違点を探す
情報処理の基本は分類、ファイルの整理を同じように考えてみよう
考える土台を鍛えれば、より高度な思考が可能になる
無意識に行えるようにクセづけするのが、頭の情報処理の基本
コラム③ ものごとの裏側から見ると本質がわかる

4章 情報は流れてくるまま、流しっぱなしに
入ってくる情報は絞らず、意図的に間口を広げておく
情報そのものより、どう料理して何に使うかが重要
遠い情報に注目する
大量の幅広い情報が思いがけないヒントに結びつく
読書は唯一、能動的に情報を得るアクション
引っかかった情報はたなざらしにしておいていい
あがかないで機が熟すのを待つ
コラム④ バランスが悪くてもいい、知識は偏りが個性

5章 頭に残った情報は熟成し、やがて知性に変わる
頭に残った情報は「思考の骨組み」になる
いかに違う情報同士を積極的にくっつけていくか
これからの時代に必要なのは結びつける能力
抽象化する力を高めて、頭の中で化学反応を起こす
学問とは抽象的理論から具体的な結果を導き出すこと
異分野に転換させる頭の使い方を意識する
情報を「構造化」できると、応用可能な範囲がもっと広がる
絶えず自分の問題に置き換える訓練をする
問題の本質は似たところにある
教養や歴史の本当の意義
絶えず視点を変え、頭を揺らす思考実験を
間を置く効能
深く考えることで、問題意識はより高度なものへと進化する
考えることには終わりはない
コラム⑤ 過去の成功分析をしすぎると、おもしろいものが出てこない
おわりに


東大教授が教える独学勉強法 (草思社文庫)

東大教授が教える独学勉強法 (草思社文庫)

  • 作者: 柳川 範之
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2017/12/06
  • メディア: 文庫



深く考える力 (PHP新書)

深く考える力 (PHP新書)

  • 作者: 田坂 広志
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2018/02/17
  • メディア: 新書



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オックスフォードと「アラビアのロレンス」 [教育・学び]


なぜオックスフォードが世界一の大学なのか

なぜオックスフォードが世界一の大学なのか

  • 作者: コリン・ジョイス
  • 出版社/メーカー: 三賢社
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



上記書籍中に・・・

オックスフォードが名門大学とするなら、オール・ソウルズは名門中の名門。・・略・・オール・ソウルズへの合格はとてつもない誉れであり、稀有なことだ。年間に“フェローをたった2名”しか新たに受け入れないと言われていてーーこの説は正しいと言えば正しいのだが、ただし年間で“上限”2名まで。優秀な志願者が2名いると判断すればの話だ。新たに選ばれるフェローがひとりもいない年もある。 / このカレッジのフェローでいちばん有名なのは、クリストファー・レンではないだろうか(オール・ソウルズの主たる中庭の日時計は、レンの設計だ)。別の伝説の人物としては、軍人、外交官、作家の(アラビアのロレンスとして知られる)T・E・ロレンスがいて、著書の『知恵の七柱』はオール・ソウルズのフェロー時代の産物だ。(p197「カレッジの殿堂、オール・ソウルズ」)

・・・と、あるのを読んで、ロレンスを取り上げた『ナショナルジオグラフィック』1999年1月号を思い出した。そこから以下に引用してみる。記事のタイトルは「アラビアのロレンス 砂漠の英雄に学ぶ “困難な時代” の生き方」。


アラビアのロレンス【完全版】 デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

アラビアのロレンス【完全版】 デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
  • メディア: DVD



**********

トーマス・エドワード・ロレンスは後に、アラビアのロレンスとして世界的に有名になる。文学、外交、軍事技術などで多才な能力を発揮した。ウィンストン・チャーチルでさえ彼を「現代で最も偉大な人物の一人」と呼んだ。だが、自分の欠点をよく知る英雄だったロレンスは、この戦争中の行動に死ぬまで悩みつづけた。

ロレンスは身長が1メートル66センチしかなかったが、落ち着いた青い目と力強いあご、ハンサムな容貌、そして堂々とした態度のせいで、実際より大柄な印象を与えた。人に紹介される時は、手を後ろで組み、軽く会釈をした。人の体に触れるのを毛嫌いした彼は、握手すら嫌がった。その穏やかな声にはわずかに上流階級の雰囲気が漂い、話し方には無駄がなかった。母親も含め多くの人々が不思議な人物だと評した彼の特徴は、英国オックスフォードでの子供の頃から変わらなかった。

8~9歳の頃、歴史、なかでも中世史に興味を持ち、やがてオックスフォードの遺跡を時間を長い時間をかけてほじくり返し、古い陶器やガラスのかけらを探したり、自転車で遠方の中世の城を調べに行ったりした。ほとんど眠らず、ろくに食べず、過酷な試練を自らに課して体を鍛えた。部屋中に騎士や英雄を自分で描いた肖像画を飾り、騎士道にあこがれた。騎士道は、おきてと英雄的行為が織りなすタペストリーのように、彼の豊かな想像力を包み込んだ。

1907年、ロレンスはオックスフォード大学ジーザーズ学寮に奨学金を得て入学。現在、この学寮で古文書官を務めるブリジッド・アレンは、1907年からの記録を引き出して見せてくれた。会計係が走り書きした細かい字で、ロレンスの奨学金の金額「年額50ポンド」と専攻「近代史」、父親の職業「無職」と記入されていた。学生たちの部屋に配達される昼食の請求額も記載されていた。ロレンスが食べていたのは、ほとんど毎日、パンと水だけだった。

「おそらくロレンスは、ものを食べることは時間の無駄か不道徳なことと考えていたのでしょう」と、アレンは言う。

卒業論文では、十字軍がヨーロッパの築城技術に及ぼした影響をテーマにした。すでに彼は、フランスと英国の城については専門家といえるほど詳しく、残る問題はシリアやパレスチナにある城塞を調べることだった。

こうして1909年の夏、カメラと拳銃、予備の靴下以外ろくな荷物も持たずに、彼はベイルートまで船で行き、そこから先は一人歩いて、秋の学期が始まる前に十字軍の城をたくさん訪れた。行程は入念に計画し、アラビア語を習得した。オスマン帝国の危険な辺境を一人で徒歩旅行するのは無謀だと、多くの人が警告したが、すべて無視した。

9月までに移動した距離は延べ1775キロ。ブーツはぼろぼろになり、4度もマラリアにかかった。シリア北部では、馬に乗って通りかかった男と銃で渡り合った。物を盗まれたり、殴られて置き去りにされたこともあった。それでも彼は十字軍の城を36ヵ所も訪れ、丹念にメモに取り、スケッチを描き、写真を撮った。こうした成果を盛り込んだ卒論によって、彼はオックスフォードを最優秀の成績で卒業した。

この旅行で、ロレンスは異文化を習得する才能も発揮し、アラブ人のものの考え方を熱心に身につけ、いくつもの村で歓待された。母親にあてた手紙の中で、彼は「今では、立ち居振る舞いはアラブ人になり、いつのまにか英語からフランス語やアラビア語に切り替えて話しています。英国人に戻るのにかなり手こずりそうです」と書いている。

ピーター・オトゥール主演の映画『アラビアのロレンス』が公開され、ロレンスの名声が米国中に広まった直後の1964年のある晩、一番下の弟だったアーノルドは、テレビ番組に出演した。英国ケンブリッジ大学で考古学教授を務めるアーノルドは、決して兄の思い出を美化するような人物ではなかったが、アカデミー賞を受賞したこの映画を毛嫌いし、「大げさで、でたらめだ」と評した。

「本当のロレンスは、私が出会った人間のなかでも飛びぬけて優しく親切で、明るい気持ちにしてくれる人物だった。不幸な時でもはた目には上機嫌に見えることが多かった」

***********

『ナショナル・ジオグラフィック』の記事内容をみると、(その部分は上記引用に含めていないのだが)、ロレンスの著書『知恵の七柱』には、アラブ人とともに砂漠の戦争を経験したことなど記されているようだ。

コリン・ジョイスの『なぜオックスフォードは世界一・・』には〈『知恵の七柱』はオール・ソウルズのフェロー時代の産物〉とあるが、実際のところ「フェロー時代」とはどの期間を指しているのか気になるところである。

トーマス・エドワード・ロレンス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9

アラビアのロレンス
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2006-08-13-1


「アラビアのロレンス」の真実: 『知恵の七柱』を読み直す

「アラビアのロレンス」の真実: 『知恵の七柱』を読み直す

  • 作者: 田隅 恒生
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2013/06/21
  • メディア: 単行本



完全版 知恵の七柱〈1〉 (東洋文庫)

完全版 知恵の七柱〈1〉 (東洋文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2008/08/01
  • メディア: 単行本



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訳者あとがき 『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』 コリン・ジョイス著 菅しおり訳 [教育・学び]


なぜオックスフォードが世界一の大学なのか

なぜオックスフォードが世界一の大学なのか

  • 作者: コリン・ジョイス
  • 出版社/メーカー: 三賢社
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



著者を紹介するたいへん魅力的な文章なので、以下に写してみる。

***********

本書の訳出にあたっては、訳稿を著者に送ってチェックを受け(ご存知のとおり、コリンさんは日本語が堪能だ)、指摘に応じて訳稿を修正していった。訳文に著者の直接のチェックが入るという経験は、ほぼ初めてだったので、著者から訳稿についての最初の返信が来たときは、情けない話だが、メールを開くのが正直恐ろしかった。

ところが予想に反し、冒頭のあいさつから修正箇所の指示に至るまで、返信には訳者への心遣いがあふれていた。訳者の力不足を責めるどころか、「小うるさいことを言ってごめんなさい」、「ぼくの書きかたがあいまいだったせいで誤解を招いてしまいました」など、どこまでも相手の立場を慮る言葉が並ぶ。もちろん、訳文をチェックする目は鋭く、厳しい。だが、訳文のどこが、何が自分の言いたいことと異なっているのかが、いくとおりもの表現でていねいにつづられ、その“わからせる力”に、並外れた知性が感じられた。

本書を訳すだけでなく、著者と訳稿をめぐるやりとりをしたことで、オックスフォード大学の教育は、著者の知性や人柄に大きな影響を及ぼしたのではないかと考えずにはいられなかった。本書に限らず、著者の作品には飽くなき好奇心、偏見をもたないニュートラルな姿勢が感じられる。そういう“つねに学ぶ”姿勢は、著者のもともとの資質でもあるのだろうが、大学での勉強を通じてさらに磨かれたのではないか。

また、著者の作品にはいつもオリジナリティが強く感じられる。著者は日本文化を観察した作品を多く書いているが、どれひとつとしてありがちな観点からは書かれていない。例えば、居酒屋でなまはげと遭遇したことから長時間労働について考察したり、“作業療法”としての銀杏拾いについて論じたり(『新「ニッポン社会」入門』)。オックスフォードのチューターには受け売りの意見など通用しなかったはずだから、独自の視点を養ううえで、チュートリアルでの切磋琢磨もひと役かったのではないだろうか。

そして論理的な思考。自分がなぜそう考えるのか、感じるのかを徹底的に、客観的に突き詰め、それを平易な言葉にして他者に伝える。その説得力たるや、圧倒的だ。この力も、大学での毎週の小論文の作成、チューターやほかの学生との討論によって培われたのだろう。

さらには他者へのあたたかいまなざしも、著者の個性の大きな一部だ。著者は大学で、知力のみならず人格的にも優れた人物に出会っている(たとえば、ディロー先生ヤダンバビン先生)。そういう人たちとの交流もあって、他者をたいせつにする心が育まれたのではないだろうか。

オックスフォード大学で得られるものは、華麗なる学歴や学位だけではない。自分の頭で考え、考えたことを言葉にし、それを他者にしっかり伝える力が、確実に養われる。その力は、オックスフォード卒という学歴や、それがもたらす収入や地位とは別の次元で(そしてはるかに重要なかたちで)、のちの人生に大きく関わってくるように思う。日本では2020年をめどに教育改革が予定され、大学入試改革も目玉だという。しかし、真の“改革”を目指すなら、大学への入り口をいじるよりもまず、大学そのもののありようを真剣に考え直すべきなのではないかと、本書を通じて改めて感じた。

編集者によれば、著者は役者あとがきについて、「ぜひお願いしたい、でも照れるからぼくのことはあまりほめないで」とコメントしたそうだ。ユーモアと含羞の感じられるこの言葉からも、人柄がしのばれる。著者の意向に反して(?)、ほめ言葉だらけの原稿になってしまったことをお許し願いたい。

菅しおり


対岸へ。 オーシャンスイム史上最大の挑戦

対岸へ。 オーシャンスイム史上最大の挑戦

  • 作者: ダイアナ・ナイアド
  • 出版社/メーカー: 三賢社
  • 発売日: 2016/12/29
  • メディア: 単行本



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『なぜオックスフォードが世界一の大学なのか』 コリン・ジョイス著 菅しおり訳 三賢社 [教育・学び]


なぜオックスフォードが世界一の大学なのか

なぜオックスフォードが世界一の大学なのか

  • 作者: コリン・ジョイス
  • 出版社/メーカー: 三賢社
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



オックスフォード大学とオックスフォードという土地にまつわるモロモロを教えてくれる本。タイトルどおり、「世界一の大学」の教育のあり方(特にチュートリアルの制度など)を示すだけでなく、学生の通うカレッジの特徴、建築、その歴史、近隣にあるパブ、課外活動、ボートレースなども取り上げられている。また並び称されるケンブリッジ大が対比されて興味深い。

著者はオックスフォード大卒業生で、オックスフォードを生きた。それゆえ本書は、“外部の人間によって外から書かれた”案内書などではなく、主観を交えた、言い換えれば、「血の通った」報告となっている。それは本書のひとつの貴重な特色といえる。

もっとも、それは「25年ものの記憶をもとに」したものと著者はいう。それ以降、だいぶ大学と学生を取り巻く環境が変わってきていることも記される。ある意味、当時は「古き佳き時代」であったのだろう。

また著者は、かつて『デイリーテレグラフ』東京特派員であった。日本語に堪能である。多くはないが、日本についての記述もある。それは自ずとイギリスと日本を対比するものとなって興味深い。

***********

本書は、イギリスが階級社会であることを痛感させられる本だ。出自と言語(クウィーンズ・イングリッシュを話せるかどうか)で、自分が社会のどのアタリにいるかが明瞭になってしまう。

オックスフォード大を生きるのは、たいへんな試練となる。チューターと呼ばれる指導教官との面談についての記述では、臨済禅で師家に公案の答えを示す場面を想起した。漱石が、師家から鈴を鳴らされ、もっと考えてこいと門前払いされたことを、である。著者は、そうした試練を、かいくぐる。しかも、成績はオックスフォード大でトップクラスであった。

しかし、その所属先は、超有名カレッジではない。英和辞典に「カレッジ=単科大学」と載っている。だから、オックスフォードにある多くのカレッジは、それぞれが、一つの学科(経済学、社会学、法律学などなど)を修めるものかと思っていたが、実のところそうではない。では、どんなものか。それが記されている。

オックスフォード大卒はりっぱな履歴であることは間違いない。しかし、より社会で有利に働くのは、有名私立高校(イートン、ラグビー、ハロウなど)の卒業生の肩書きであることが示される。著者の口惜しい思いも記されている。

そのような階級社会の中でも、それを補って余りある際立った人格がいる。チューターと呼ばれる指導教官とのやりとりから、著者の感激が伝わってくる事例もある。

オックスフォード、ケンブリッジ対抗のボート競技が、まったくアマチュアの(しかも、オリンピックに出場するボート競技と異なる)ものでありながら、イギリス国民の間で人気をながく博している理由、その様子も知ることができる。

パブの紹介もある。現存するパブの中には、「ファンタジーのファンにとっては一種の聖地となっている」(『指輪物語』のトールキンや『ナルニア国物語』のルイスが通った)パブもある。(ちなみに、それは〈イーグル・アンド・チャイルド〉)。また、その儲けが奨学金となる、セント・ジョンズ・カレッジがオーナーのパブ〈ラム・アンド・フラッグ〉の話などなど・・・。

オックスフォード大学とオックスフォードという土地を知る絶好の本。


「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

  • 作者: コリン ジョイス
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2006/12/07
  • メディア: 新書



新「ニッポン社会」入門―英国人、日本で再び発見する

新「ニッポン社会」入門―英国人、日本で再び発見する

  • 作者: コリン・ジョイス
  • 出版社/メーカー: 三賢社
  • 発売日: 2016/01/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉 (NHK出版新書 542)

マインド・ザ・ギャップ! 日本とイギリスの〈すきま〉 (NHK出版新書 542)

  • 作者: コリン・ジョイス
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2018/01/08
  • メディア: 新書



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『勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた』 伊藤 敏雄著 主婦の友社 [教育・学び]


勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

  • 作者: 伊藤 敏雄
  • 出版社/メーカー: 主婦の友社
  • 発売日: 2018/02/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



「自分もこうして育ててもらっていたなら、もっと・・・」というのが、率直な感想。「還暦ちかい人間がいい年をして、何をいまさら。自分の育てられ方にご不満・・・」と叱られそうでもあるが、実際のところ、そう感じている。このように育てられていたなら、もっと子ども時代が自信と幸福に満ちたものとなっていたにちがいないように思う。

記されていることは、至極アタリマエである。しかし、そのアタリマエのことがなかなかできない。本書には、アタリマエを実践する助けがある。すべての親御さんが本書を導きとするなら、子どもたちは、自尊心と向上心のうちに、勉強の成果を確かに刈り取っていくにちがいない。

以下、すこし引用してみる。

〈親の心構えとして大切なことは、漢字ドリルや計算プリントを「やらせる」のではなく、子どもといっしょに読んだりクイズを出したりして、確実にできることをふやしていくことです。・・略・・そうすることで、問題を解いたり何かを覚えたりすることが「楽しい」と、子どもが思えるようになってきます。それと同時に、「できる」ことを積み重ねることで、自分に自信をもつことができるようになります。・・略・・成功体験の積み重ねが、子どもの自信や自己肯定感につながります。そして、それが子どものやる気の源になるのです。(p84「子どもを伸ばす親の心構え②」)〉

〈点数のような「結果」を求めないことが大切です。まずは、遊び心を大切にして、「つづける」ということを大切にしましょう。・・略・・あくまでも大切なことは、勉強に対する子どもの気持ちとやり方です。・・略・・効果的なやり方をしているかどうかが大切です。 / テストの点数は「上げる」ものではなく、「上がる」ものです。やろうという気持ちと効果的なやり方をしていれば、ほぼ確実に上がります。それまで、1ヶ月かかる子もいれば、1年かかる子もいます。いずれにしても、わが子を信じて、待つという気持ちを大切にしてほしいと思います。(p85「子どもをダメにする親の言動②」)〉



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『200字ピッタリ作文』 村野 聡著 学芸みらい社 [教育・学び]


200字ピッタリ作文 指導ステップ&楽しい題材テーマ100

200字ピッタリ作文 指導ステップ&楽しい題材テーマ100

  • 作者: 村野 聡
  • 出版社/メーカー: 学芸みらい社
  • 発売日: 2018/03/10
  • メディア: 単行本



灘高伝説の国語教師橋本武先生(故人)の指導法に興味深いものがあった。それは、章ごとの要約を生徒たちにさせる際、必ず200字でまとめさせるというものだった。正確に指定字数で収めようとすると言葉や文字に敏感にならざるをえず、自ずと文章力と語彙力が身につくものとなるという話だった。そのことを、本書の「200字ピッタリ」のタイトルで思い出し、手にした。

本書は、小学生の国語作文指導のための本で、20年ほど前に明治図書から『二百字限定作文技術のトレーニング』として発行されたものを名称を新たに再刊したもの。

記述分量の少ない短作文のよさは、①書く長さに対する抵抗を取り除くことができる、②短時間での評価・処理が可能になり、作文を書く機会を多く設けることができる、③一つの作文を完成させるための集中力が持続する、④一つの作文技術を集中的に身につけさせることができる、ことだという。

そして、さらに「記述分量を200字ぴったりに限定した短作文(条件作文)」のよさとして、*全体の構成を構想する力が身につく、*推敲する力が身につく、*言葉を精選して書く力が身につく、*作品の精度を高める効果を生む、*200字ぴったりに書けたときの快感 があるという。

作文課題の与え方から始まって、低学年、中学年、高学年で身につけさせたい作文技術とそのための指導法が示されてゆく。そして、次のような言葉も付加されてある。「200字ぴったりに書かせること自体が本来の目的ではないのである。200字ぴったりに書こうとする過程で、子どもたちに力がつくのである」。

〈学力はすべて「書く」に集約される。〉と著者はいう。そして、〈作文は言語能力の総決算(野口芳宏氏)〉を引用する。それほど、学習効果の高い(しかし、苦手とされる)「書く」行為を、子どもたちにとって取り組みやすいものとし、先生方にとっては添削指導しやすいものとする「二百字限定作文」。その作業をとおし、自ずと力をつけてゆく子どもたちの姿を想像するのは嬉しいことだ。

3:「寄り道」のすすめ(灘高伝説の百歳教師橋本武)
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2012-03-19-2


伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力

伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力

  • 作者: 橋本 武
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2012/01/26
  • メディア: 単行本



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