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『地層のきほん』 目代 邦康・笹岡美穂著 誠文堂新光社 [科学一般]





たいへん理解しやすい。見開き2ページで各単元が構成され、1ページは、パステルカラーのイラスト。見ていて楽しくなる。専門用語も出てくるが、かみ砕いた説明で負担に感じない。

ちなみに、『08 地球の中身』の説明は以下のようなもの。「地層は、地球上の表面にあります。地球の半径は約6、300km以上もあるため、表面といっても、相当の厚さを持ちます。地球の内部を化学的な性質で区分すると、一番外側の部分は地殻とよばれます。海洋では5km程度の厚さで、陸地では30km程度です。/ 地殻の厚い陸地でも、半径のたった200分の1の厚さしかありません。ちなみに、ニワトリの卵の半径は2~3cmで、その殻の厚さは約0.4mmです。地球がもしニワトリの卵程度の大きさだったら、地殻は卵の殻よりも薄いことになります。地層はこの地殻にあるのです。」

目次、章立ては以下のようになっている。

Chapter1:地層の見方・考え方/Chapter2:地球のしくみ/Chapter3:岩石の種類と地層の構造/Chapter4:化石と地質の時代/Chapter5:いろいろな地層/Chapter6:地層の利用/Chapter7:地層の調べ方

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『世界がわかる地理学入門―気候・地形・動植物と人間生活 (ちくま新書)』 水野 一晴著 [科学一般]


世界がわかる地理学入門――気候・地形・動植物と人間生活 (ちくま新書)

世界がわかる地理学入門――気候・地形・動植物と人間生活 (ちくま新書)

  • 作者: 水野 一晴
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/03/06
  • メディア: 新書



本書の内容紹介に〈世界には、さまざまな場所があり、多様な人びとが暮らしている。そして、そんな各地の人間の暮らしは、気候、地形、植生など色々なものの影響を受けている。ふだんは気づかなくとも、私たちの生活は自然と密接に結びついているのだ〉とあるが、実際、その「ふだん気づかな」い、自然との結びつきを悟ることができるよう助けてくれる本だ。

著者は、気候区分の概説の後、熱帯気候、乾燥・半乾燥気候、寒帯・冷帯気候、温帯気候の気候区分ごとに、その自然、気候メカニズム、農業、住民生活等について解説していく。しかし、その解説は陳腐ではない。陳腐でないだけでなく、たいへん興味深い。2018年最新の情報も示されている。地理学的観点から“現在の”世界を知ることのできるたいへん有用でオモシロイ本であると思う。(専門用語も本文中で説明を加えつつ記述がなされていくので、単なる読み物としても十分たのしめる)。

他を知ることで自らをよりよく知ることができるものだが、日本という国に生まれて良かったと感じさせられもした。すこし引用してみる。〈そのため、ヨーロッパの植生は非常に単調となり、高等植物は全部あわせても約2000種ほどしかない。日本は小さな島国でありながら約5000種が存在するので、いかにヨーロッパの種類が少ないかがわかるであろう。イギリスが約1500種、アイルランドが約1000種なのだが、日本では東京近郊の高尾山(599m)だけで約1500種も存在するのだ(水野2015、2016d)〉という記述もある。

そして、この後、“ドイツ人”シーボルトが、ヨーロッパでは既に絶滅して化石でしか見いだせないイチョウが日本に生えていることを知って・・・という逸話が紹介されている。


気候変動で読む地球史 限界地帯の自然と植生から (NHKブックス)

気候変動で読む地球史 限界地帯の自然と植生から (NHKブックス)

  • 作者: 水野 一晴
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2016/08/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



自然のしくみがわかる地理学入門

自然のしくみがわかる地理学入門

  • 作者: 水野 一晴
  • 出版社/メーカー: ベレ出版
  • 発売日: 2015/04/16
  • メディア: 単行本


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『エレクトロニクスをはじめよう』 オライリージャパン [科学一般]


エレクトロニクスをはじめよう (Make: PROJECTS)

エレクトロニクスをはじめよう (Make: PROJECTS)

  • 作者: Forrest M. Mims III
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2018/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



電子工作にあこがれ、いろいろな記号をもちいた配線図にあこがれ、あこがれだけで終わったように思っていた評者にとって、「終わりではないよ」とささやく本に出会ったように感じた。なによりも、解説がやさしい。

「1章 電気」は次のように始まる。「空から落ちる稲妻と、ドアノブを乾いた手で触った時にパチッと刺激が走ること、この2つはどちらも電気で、その違いは電気の量にすぎません」。

そして、解説とともに数多くの線画が用いられている。文字は決して大きくはないものの、適度に行間・スペースが空けられているので、(あくまでも主観に過ぎないが)決して見ずらくわずらわしい印象はない。

「空から落ちる稲妻」から始まった解説は、2章:電子部品、3章:半導体、4章:光半導体、5章:集積回路、6章:デジタルIC、7章:リニアIC、8章:回路組み立てのコツ、9章:電子回路 とたいへん高度なものにまで及ぶ。

本書すべてを通読したわけではないが、「エレクトロニクスをはじめよう」という気持ちにさせられた。ところが、当該書籍 アマゾン・カスタマーレビューを見てハタと、思いがとどまった。そこには、「誤記が多いのはいただけません」とある。

たしかに、「誤記」はいただけない。なぜなら、エレクトロニクス初心の評者は、「誤記」の誤りに気づくこともできないであろうから・・・。

それでも、とりあえず、読めるところまで読んでみようという気持ちでいる。そう思わせるだけでも、本書を「たいしたモノ」だと思う・・・


Make: Electronics ―作ってわかる電気と電子回路の基礎 ((Make:PROJECTS))

Make: Electronics ―作ってわかる電気と電子回路の基礎 ((Make:PROJECTS))

  • 作者: Charles Platt
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2010/11/29
  • メディア: 大型本



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『トコトンやさしい地質の本 (今日からモノ知りシリーズ)』日刊工業新聞社 [科学一般]


トコトンやさしい地質の本 (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしい地質の本 (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者: 藤原 治
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2018/02/17
  • メディア: 単行本



自分の足元に広がる世界に興味がある。それで、手にした。

第1章の①は「地質ってなんだろう」。副題は「人類社会と密接にかかわるもの」。本文は〈私たちの足元にある大地は、様々な地層や岩石でできています。これらの性質・種類・状態のことを「地質」と呼びます。つまり、地質とは大地の性質という意味です〉と始まる。

8章65項目から成り、各項目は右ページに解説、左ページにイラストとなっている。章の構成は、「第1章 “地質”っていったいどんなもの?」、「 第2章 『見つかる化石』が地質を語る」、「第3章 地質がわかる地質図の秘密」、「第4章 地質を見れば自然災害がわかる」、「第5章 地質の中にはいろいろな資源が眠る」、「第6章 地質は社会の基盤となる重要なもの」、「 第7章 地質がつくる摩訶不思議な絶景」、「第8章 海洋にも地質図がある」となっていて、話題は広範である。よく160ページほどの中にこれだけ収めたものだと思う。

専門用語について、「~は・・・という意味です」「~は・・・と言います」など記しながら解説が進められる。ただ、漢字を見れば理解可能と思ってのことか「地向斜」など説明が加えられない場合がある。大型国語辞典に掲載はあるが、小型国語辞典には掲載のない言葉である。「地質」を定義づけるほどの『トコトンやさしい・・』本であれば、本文あるいは脚注などで説明を付して欲しいところ。

それでも、「地“形”図」ではなく、「地“質”図」というものがあることを知り、その利用をとおして化石発掘や安全な住居の選定に役立つ知識を得るなどできることを知った。また、気の遠くなるほどの時間感覚をもって、自他を見つめることもできるようにも思う。なにしろ相手は、地球である。


NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン 激動の日本列島 誕生の物語

NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン 激動の日本列島 誕生の物語

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/08/12
  • メディア: 単行本


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『絵でわかる日本列島の地震・噴火・異常気象 (KS絵でわかるシリーズ)』 [科学一般]


絵でわかる日本列島の地震・噴火・異常気象 (KS絵でわかるシリーズ)

絵でわかる日本列島の地震・噴火・異常気象 (KS絵でわかるシリーズ)

  • 作者: 藤岡 達也
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/02/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



本書の特徴は「絵」。多くの図版が用いられている。表紙に描かれている絵は本文中にも出ていて、それらには、パステルカラーの配色がなされ、生理的なインパクトさえおぼえる。紙面はクリーム色、太字見出しはグリーン、印字はブラック。たいへんおしゃれでもある。「絵でわかる」よう助けられもするが、説明自体たいへん理解しやすい。読者に親切なつくりの本である。

〈本書では、日本列島で発生する種々の自然現象について、「絵でわかる」シリーズの趣旨にのっとって、そのもとになる自然現象の特色や発生のメカニズムをわかりやすく紹介します。さらに、これまで人間は自然に対してどのような働きかけや取り組みを重ね、その結果、どのように返ってきたり、次の時代に引き継がれたかなども紹介します。 / 本書によって、読者の皆様が、自分たちの住む日本列島に興味が高まり、身近な地域で発生する自然災害についての理解が深まることの一助になることを期待しています。また、防災・減災への備えを一層意識することができましたら、著者にとって、これ以上の願いはありません。さらに、国際的に、持続可能な発展が求められる今日、自然と人間との関わり、人間と人間(社会)とのつながりを考えるきっかけになってもらえれば幸いです。(「はじめに」から)〉

第1章 自然災害とは何か
1-1 自然現象と自然災害 1-2 自然災害の種類 1-3 自然と人間との関わり

第2章 日本列島の地下に潜む巨大なエネルギー
2-1 地震大国日本 2-2 動き続ける日本列島 2-3 日本海側に生じた地震・津波 2-4 太平洋側を周期的に襲う大津波 2-5 火山噴火が作った列島の歴史 

第3章 気象に関する自然災害ーー豪雨・豪雪・台風etc
3-1 水害の原因となる日本列島の降水量 3-2 台風の発生と地球温暖化の影響 3-3 豪雪地帯が広がる日本列島 3-4 河川の氾濫と溢水 3-5 気象に関する様々な自然災害 3-6 地球温暖化と気象災害の影響 3-7 土砂災害

第4章 自然災害の発生と人間社会への影響
4-1 福島第一原子力発電所 4-2 地震の後に発生する大火災 4-3 歴史を変えた自然災害

第5章 自然災害の歴史性、国際性
5-1 日本における自然災害の歴史 5-2 国連防災世界会議と日本の役割

おわりに 索引
  

絵でわかるプレートテクトニクス 地球進化の謎に挑む (KS絵でわかるシリーズ)

絵でわかるプレートテクトニクス 地球進化の謎に挑む (KS絵でわかるシリーズ)

  • 作者: 是永 淳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/05/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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『コンタクトレンズと眼鏡の科学』 久保田 慎著 日刊工業新聞 [科学一般]


コンタクトレンズと眼鏡の科学 (おもしろサイエンス)

コンタクトレンズと眼鏡の科学 (おもしろサイエンス)

  • 作者: 久保田 慎
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2018/02/17
  • メディア: 単行本



コンタクトレンズと眼鏡 だけでなく、超高性能カメラのような視機能をもつ眼(球)を科学する本。文字が大きめで、行間も適度に空けられて見やすい。解説も図版が多く用いられ理解しやすい。その開発の歴史、そして現在の状況なども示されている。

説明は以下のような「です・ます調」。そのせいか、難しい用語がでてきても、圧倒される感がない。身近なたとえが多用され、図版の助けが大きい。索引が無いのが残念。

〈人が目的地を目指して移動するときには、最短距離よりも最短時間で到着するルートを選ぶのが世の常です。光にも似たような性質があります。それが有名な「フェルマーの原理」と呼ばれる法則です。遠方から来た光が目的地に到達するとき、光のもつ原理・原則です。(p14)〉

〈これは「スネルの法則」と呼ばれ、屈折率が異なる物体の境界に生じるものです。例えば、これが球面であった場合、球面に接する線である「接線」に対して、垂直な法線を立てます。レンズに光が入る、あるいは出る際にはこの「スネルの法則」の通りに「決まった角度の方向」にしか走ってゆけないのです。(p18)〉

以下、章立て目次

第1章 光を操って、視力を補正する!?
第2章 今のコンタクトレンズにできること!!
第3章 眼鏡もずっと進化を続けている
第4章 コンタクトレンズvs眼鏡どっちが・・?
第5章 特別な機能を持ったコンタクトレンズ・眼鏡



人生が変わるメガネ選び (経営者新書 121)

人生が変わるメガネ選び (経営者新書 121)

  • 作者: 梶田 雅義
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/09/12
  • メディア: 新書


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『1から学ぶ大人の数学教室:円周率から微積分まで』 ジェイソン・ウィルクス著 早川書房 [科学一般]


1から学ぶ大人の数学教室:円周率から微積分まで

1から学ぶ大人の数学教室:円周率から微積分まで

  • 作者: ジェイソン ウィルクス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



原題は過激だ。「数学教室を焼き払え」である。実際、たいへん過激な内容で、しかも、おもしろい。学校で、こんな風に、教えてもらえたなら、どんなにか良かったろう、と思う。

私ごと(で恐縮至極)だが、王貞治が756本のホームランを記録したとき、(別に確率の話ではない)、ハンク・アーロンの記録を越えたとき、クラスで1番数学のできる(つまり、理数系クラスだったので学年1の)男とその瞬間を見た。学校の帰り道、デパートの家電売り場のテレビで見たように覚えている。そのとき、「三田寺(というのがその男の名前なのだが)、数学ができるようになるにはどうしたらいい」と訊いた。彼の答えは、「簡単だよ。チャート式(の問題と解答)を丸暗記すればイイんだ」というものだった。そのとき、「そんなもんかあ」という思いと、「つまらないなあ」という思いを同時にもった。それが元で、彼に対する敬意が薄れることもなかったが、チャート式の丸暗記に励むこともなかった。もちろん、数学の成績も上がらずじまいで、大学もいきそびれた。それでも、「そういうもんじゃあないよな、きっと・・」という思いだけはずっと続いてきた。今でも、そうだ。

本書は、方向性においてそのまったく逆である。以下は、『訳者あとがき』からの引用だ。〈著者はこの本で、足し算とかけ算になじみがありさえすれば(といっても、実際の値は計算しなくてよい)、分数の値の計算や実際の割り算なんか絶対にしない!という人にも無理なく納得できる形で、微分積分を紹介している。しかも、絶対に暗記を強制したりはしない!というのだから、これはもう不可能に思える。ところが実は「自力で数学を作っていく」という奥の手があった。それを実践したのが、この本なのだ。そのため第1章は、面積や傾きなどについての日常の感覚を数を使って表す、というもっとも基本的なところから始まる。しかしこれは、実は「質に関する日常の言葉から量を用いた分析的な数理科学の言葉への移行」という数理科学の誕生のエッセンスでもある。さらにそこから記号(この本では略号と呼ぶ)を使ったいわゆる「公式」を自力で作るわけだが、その際にも候補を1つずつ確認し、「なぜそうなるのか」を徹底的に追求する。だから読者は、「ええっ? だって今の話だと、これかそれか、ひとつには決められないんじゃないの?」というもやもやした気持ちを抱えずにすむ。しかもそれによって、数学が実は理屈だけで構成された超越的なものではなく、それに取り組む人々の価値判断、歴史も加わったある意味で人間くさいものであるということが浮き彫りになる。では泥くさいだけかというとそうではなく、この本でも、高校数学で学ぶ微分積分を無事発明し、残り4分の1あたりでそれを多変数、無限次元に拡張する(のだ。呆れたことに!)段になると、記号の読み替えによって、高校段階ではまったくの別物としか思えない「ベクトル」と「関数」を同一視しはじめ、無限次元の微分積分学へと飛び立つ。これは、概念を形式化して抽象化することによって具体の縛りを抜けて飛翔する、という現代数学の性質の端的な表れといえる。著者は、あくまでも数学の本質に則って、読者とともに「数学」を作っているのだ。本書は「自力での数学作り」としても楽しめるし、その後ろに潜む著者の数学観、数学教育を楽しむこともできる、いわば二度おいしい作品なのである。(p525)〉

数学を暗記(科目)から開放し、本来の考える面白さを味わいつつ、数学の高みへ連れて行ってくれる。このような書籍の登場を待ち望んでいた。大いに賀とすべきである。


チャート式基礎からの数学3―新課程

チャート式基礎からの数学3―新課程

  • 作者: チャート研究所
  • 出版社/メーカー: 数研出版
  • 発売日: 2013/07/01
  • メディア: 単行本



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『起源図鑑 ビッグバンからへそのゴマまで、ほとんどあらゆることの歴史』 ディスカヴァー・トゥエンティワン [科学一般]


New Scientist 起源図鑑 ビッグバンからへそのゴマまで、ほとんどあらゆることの歴史

New Scientist 起源図鑑 ビッグバンからへそのゴマまで、ほとんどあらゆることの歴史

  • 作者: グレアム・ロートン
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2017/12/14
  • メディア: 大型本



イラスト・図版が多いというより、書籍自体がイラストで成っているような本だ。一見、子どものための本と思ったが、実際はそうではなく、おとな向けである。

当初イラスト・色刷りがうるさく感じられ、対して文字は比較的小さく、読みにくい印象であった。が、慣れるとそうでもない。要点が太字になっていて、イラストと太字を追っていくと内容を推しはかれる。そして、気になるところをじっくり読んで楽しむこともできる。2016年(原書)発行だが、いざ慣れ親しんだ目で見ると、のちのち、インフォグラフィックのお手本として評価されるものとなるように思えもする。

何気なく序文(「存在:私たちはどこから来たのか?」)を読んでいたら、宇宙のはじまりについての記述で、「ロジャー・ペンローズと私が示したのだ。そしてこの特異点においてこそ、時間が始まったのである」とある。「私」とはホーキング博士のことだった。つまりは、本書は博士推薦と解してよいのだろう。

内容は盛りだくさんである。自然科学関連だけでなく、人文科学、社会科学関連の話題も取り扱われている。「ビッグバンからへそのゴマまで」とあるが、ほんとうに「へそのゴマ」の話もでている。耳あかを綿棒に取った大うつしの写真も出ている。関連して話題にできそうなコラムも用意されている。要するに、「はなしのネタ」を大量に見いだせる本である。紙質があまり上等ではない。索引はあるがより充実させたい。(以下、「目次」)

第1章 宇宙(物質、空間、時間の起源/ 星と銀河の/ 元素の/ 隕石の/ 暗黒物質と暗黒エネルギーの) // 第2章 地球(太陽系の起源 / 月の/ 大陸と海の/ 天候の/ 石油の)// 第3章 生命(生命の起源/ 複雑な細胞の/ 性行動の/ 昆虫の/ 恐竜の/ 目の/ 睡眠の/ 人間の/ 言語の/ 友情の/ へそのゴマの)// 第4章 文明(都市の起源/ 貨幣の/ 葬送の/ 料理の/ 家畜の/ 宗教の/ 酒の/ 所有の/ 衣服の/ 音楽の/ 衛生管理の)// 第5章 知識(文字の起源/ ゼロの/ 計測の/ 時間の測定の/ 政治の/ 化学の/ 量子力学の)// 第6章 発明(車軸の起源/ ラジオの/ 飛行の/ QWERTYキーボードの/ コンピューターの/ X線の/ 偶然の発見の/ 核兵器の/ 抗菌薬の/ インターネットの/ ロケット科学の) 参考文献 / 謝辞 / 索引


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『親子で学ぶ科学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド』 創元社 [科学一般]


親子で学ぶ科学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド

親子で学ぶ科学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド

  • 作者: キャロル・ヴォーダマン
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2013/10/11
  • メディア: 単行本



たいへんビジュアルな本です。まるで色見本帳のようです。見ていてわくわくして参ります。生物・化学・物理の範囲に属する項目が、各項目ごと見開き2ページで解説されていきます。

しかし、その内容は決してやさしいものではありません。訳者(渡辺滋人氏)の記しているように「簡潔でそれなりにわかりやすい説明を試みているものの、噛んで含めるように手取り足取りゆっくりと読者を導いていくタイプの本と(は)違うように思います」。実際、けっこう高度な内容で、ひとり独習して理解に至るには高校程度の知力・理解力が求められるのではないかと思います。

この本は「親子で学ぶ」とタイトルにあるように、親御さんの役割がたいへん重要であるように思います。目次は「科学って何?」「科学の方法」から始まり、それらが簡潔に説明されています。そこから見えてくるのは、自分の子どもの好奇心が単にオドロキとして終わるのではなく、科学的なモノの見方へとつながるよう導いていく務めが親には課せられていることであるように思います。そこには、こんにち確かなモノと見なされている科学的情報も、更新されつつ今日に至っていることを認めることも含まれてきます。たとえば、「科学って何?」の「知識を支える」の欄には〈周期表の配置〉に関して、次のようなコメントが付されています。「1989年に発表された周期表は、ロシア人化学者メンデレーエフの功績とされているが、現実には何世紀にもわたる元素研究の積み重ねの結果でもある」とあります。そのような見方は、いま学んでいる確かなものとされている知識も更新された積み重ねの結果としてあり、将来変化する可能性もある知識と見なしていくことにもなると思います。そうした見方は、子どもの思いに、将来 “自分が” 科学的知識を更新する可能性のあることを悟らせるものとなるかもしれません。

「まえがき」にある著者の言葉からは、本書を用いて子どもを導く親の側に科学の十全な知識が決して求められてはいないことが示されています。次のようにあります。「あらゆる科学的事象に対して、たとえ答えがわからなくても親自身が『へぇー!』という驚きの声を挙げることがどれほど大切であるか、二人の子どものシングルマザーである私も実感しています。科学では気づかせるべき『正しい答え』は必ずしも必要なものとはいえません。」「この本がすべての親たちのガイド役になることを、私たちは願っています」。

補足する解説は十分にできないにしても、親子で本書をのぞき込んで、子どもといっしょに「へぇー!」という驚きの声を挙げることは、いくらでもできそうです。そして、むずかしく思えるところは、もっと詳しくやさしい解説書に当たることもできるでしょう。それこそ、「調べ学習」の良い材料になるように思います。そのようにして、親子で驚きを共有し、科学への興味関心を高めていく点で、本書は格好の書籍であるように思います。


物理学は歴史をどう変えてきたか:古代ギリシャの自然哲学から暗黒物質の謎まで

物理学は歴史をどう変えてきたか:古代ギリシャの自然哲学から暗黒物質の謎まで

  • 作者: アン ルーニー
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2015/08/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



http://kankyodou.blog.so-net.ne.jp/2015-11-07


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『はじめて地理学』 富田 啓介著 ベレ出版 [科学一般]


はじめて地理学

はじめて地理学

  • 作者: 富田 啓介
  • 出版社/メーカー: ベレ出版
  • 発売日: 2017/11/16
  • メディア: 単行本



これから「地理学」を学ぼうという後輩に、先輩としてその内容と魅力を親切に伝えようとの熱意を感じる。たいへん理解しやすい書籍だ。

著者はいう。〈地理学とは、ずばり「空間の科学」です。地球表面に広がるありとあらゆる事象を対象にし、その分布や地域の多様性を見つめ、分析するのが地理学です。〉

そして、「地理学が扱う課題は、突き詰めれば3つにな」り、それは「地誌学」と呼ばれる分野と「系統地理学」と呼ばれる分野、そしてそれらの課題を扱っていくための基礎となる〈地図学、測量学、地理情報学〉と呼ばれる分野であるという。

そして、「系統地理学」には、「地形学や気候学のように自然現象を扱う自然地理学」と「社会現象や社会環境を扱う人文地理学」とがあるが、著者の専門は「自然地理学」の方。

著者はいう。〈高校までの教科としての地理は、「何がどこにあるか」という事実をひたすら覚える、暗記物のイメージが強いかもしれません。しかし、事実を覚えるだけでは地理「学」とは言えません。たとえば「ここに都市がある」という事実を知ったなら、地理学では、どうしてそこに人が集まっているのだろうか、と考えを進めます。それを追求するためには、人だけでなく、人を取り囲む大地や大気についても知る必要があるでしょう。このように、地理学は、地表面に見られる(引き起こされる)あらゆる事象を、互いの関係性を見極めながら解き明かしていく学問です。地理学の研究は、ジグソーパズルを解くように、わくわくするとても楽しい活動です。〉

著者は「山田さんの朝」「山田さんの夕」という創作をとおして、地理学の対象となりうるものを示し、「地理学が日常に溢れていることを」示す。それには、姓の分布、起床時間の地域差、人の移動やそのパターン、地価(地価を反映した家賃も含む)の分布、地域の伝統食・ご当地グルメのような食材や料理、距離や空間という要素があれば恋愛や交際、手書き地図を用いて人が空間をどう認識しているか、パワースポットのような特定の場所に固有のイメージがどのように形成されていくか、人の行動範囲や経済活動に影響を及ぼす日照時間の変化、人の一生における行動経路(ライフパス)の分析、個人の生活史(ライフヒストリー)を分析して地域社会や自然環境の移り変わり、土地条件と災害との関わり、子どもが身近な空間をどう認知し、発達の過程でそれがどう変化するのか、などなどである。

「本当のあとがき」で著者はいう。〈この本の内容は第1章を除いて自然地理学に偏っています。〉そして、本書の特徴として〈ほかの地理学に関する書籍ではほとんど取り上げられていない、生物多様性や自然環境の保全に関する知見を、随所に織り込んだこと〉と記している。実際、そのような記述が多く、地学や植生学、生態学、環境学など隣接分野の情報も多く示される。

評者にとってこれまで、それら隣接分野の本からの情報だけでは、不明瞭であった点(たとえば「植生遷移」「極相」に関する知識)が本書をとおして明らかにされたのは嬉しいことであった。「地理学を学ぶと いつもの景色が違って見える」と帯に記されてあるが、そのとおり、本書をとおし地球レベル、地域レベルで、景色が違って見えてくるようになるように思う。


里山の「人の気配」を追って  雑木林・湧水湿地・ため池の環境学

里山の「人の気配」を追って  雑木林・湧水湿地・ため池の環境学

  • 作者: 富田 啓介
  • 出版社/メーカー: 花伝社
  • 発売日: 2015/07/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




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